ADAM DRIVER

ADAM   DRIVER

目下、世界中のスコセッシ ファンが注目している「サイレンス」(沈黙)(16)、遠藤周作の原作を28年間温めてきた熱情の企画がなった作品です。2時間40分の大作で、日本人にとってはかなり痛いドラマですが、じっくりと心に迫り、宗教とは何かを考えさせてくれます。

日本でのロケが予算的に難しかったそうで、全部台湾で撮影という、これもちょっと日本人としては情けない裏話がありますが、主役はアンドリュー ガーフィールド、彼は今年はメル ギブソンの「ハックソーリッジ」(16)でも、重量級の演技を見せていた、こちらの役でゴールデングローブ主演賞の候補になりました。
さてアンドリューの相棒になるポルトガルのジェズイット派の宣教師、になるのがアダム ドライヴァーです。

餓死寸前の宣教師の状態を見せるために、ウオーター ピル (水分をどんどん出す錠剤)を飲んで、ダイエットもして、撮影直前に30ポンドまで体重を落とし、撮影中にさらに20ポンド、合計50ポンドも減量して、
共演のリアム ニーソンが
「まるでアウシュビッツ収容所の男みたいだった。彼は海兵隊出身なので、とことんまでやってしまうから、見ていて心配だったほど」
と言うように、アダムは根性の俳優なのです。

この撮影はアダムにとって、ただただ飢えとの戦いだったようで、
「テレビをつけると食べ物ばかり出てくるし、朝から晩まで食べ物が目の前にちらついて、焦点が定まらないような日々だったが、それがまた、役作りに効果を上げたと思う。マーテイー(スコセッシ)はそこまでしなくとも、と口では言うものの、密かに喜んでいたと僕は信じている。
そういう状態だったから、日本人の俳優たちのすごい才能に驚き、感心したりしても、心が虚ろで、それをしっかりと記憶にとどめることができなかった」
と残念がっていました。撮影が終わって3週間ごに、「ガールズ」の収録に入るため、すぐに体重を戻すという義務があったそうで、
「最初、まずピーナッツ バターを食べて、それが本当に夢のように美味しかった。何もかもが美味しくて、天国にいるような気分が続いたんだよ」
と思い出を話すだけで、舌なめずりをしそうでした。

身長が6フィート2インチと高いために、そびえていますが、かがんでいるとまるで日本人のようにも見える、不思議な顔立ちをしているアダムは、9月11日のテロの直後に決意して海兵隊に入隊、2年8ヶ月の任務を経て、いざ戦地へと言うとき負傷して、退役させられたそう。
そのあと、大学に戻り、演技を高めるべく、名門ジュリアード学院に入って、2009年に卒業、ここで知り合った  ジョアン タッカーと2013年に結婚しています。

初めて会ったのは人気テレビシリーズ「ガールズ」(2012〜)のレギュラーになった時。迎合しない、不思議な雰囲気を持った若者で、そのうち面白い性格俳優になるに違いないという「不敵な面構え」を持ってました。
今年は長編「サイレンス」の前に、ほとんど独演で通した「パターソン」(16)という映画があります。ジム ジャームッシュ監督独特のユニークなドラマで、アダムはパターソンという町のバスの運転手で、暇さえあれば俳句のような詩を書き、毎晩犬を連れて近所のバーでビールを1杯飲み、うちにはアーテイスト気取りの面白いワイフがいるという、静かな日常をヴィヴィッドに描いたものです。

1983年11月19日、カルフォルニア州のフォンタナ生まれ、(サンデイエゴ 生まれという説もあります)7歳の時から母親の故郷のインデイアナ州に移ってそこで育ち、大学も地元だったそうです。
現在はニューヨークのブルックリンにワイフと犬のムースと慎ましく住んでいる様子。

2016「サイレンス」では50ポンド体重を減らして挑戦。
2016「パターソン」バスの運転手役
パターソンのバス停にランチボックスを持って毎朝通います。
ジュリアード学院で知り合った奥方のジョアン タッカー。
「サイレンス」のガルーペ宣教師
仏教徒に転じた?先輩宣教師のリアム ニーセン。
「パターソン」芸術家気取りの若い妻と。


2012「ガールズ」アレックス カーポヴスキー(左)と。

2016「沈黙」と「パターソン」







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