GILlIAN ANDERSON 2017

GILLIAN  ANDERSON   2017

ジリアン アンダーソンがインドの最後の英国人総督になるマウントバッテン卿の夫人を演じている映画「ヴァルセロイズ ハウス」(17)を見ました。
1947年当時の英国の貴族の女性、それも高い地位にある毅然とした女性を最も頼もしく、上手に演じていて、この女優が、あの大ヒットしたテレビシリーズ「X−ファイルズ」であれほど人気が出たのはラッキーとしても、英国人(米国籍も持ってますが、基本的にロンドン住まいの英国人なのです)の演技派としては長いこと知られてなかったことに気がついたのです。

ヨーロッパの貴族社会でもナンバーワンの美男子と騒がれたマウントバッテンは、今の英国女王エリザベスが恋い焦がれて結婚したフィリップ殿下の伯父貴でした。
この家系はドイツ国のロイヤルファミリーでもあって、バッテンバーグという名前だったのを、対独感情が悪い英国人のためにマウントバッテンと変えたのです。
英国海軍のヒーロー的存在で、貴族の生活より、海での冒険を好むルイス マウントバッテンは1979年、アイルランドの革命派 IRA が彼のボートに仕掛けた爆弾のためにお孫さんらと共に亡くなりました。

映画は英国から独立するインドへ最後の総督、ヴァルセロイとしてやってきた夫妻が、予想もしなかったインドの分裂を目の当たりにし、結局、インドに住むモスレム人はパキスタンという新しい国を創って、空前の民族の大移動が起こります。これをパーテイション、Partition と呼びました。

それまでは英国テレビシリーズ同様、貴族の巨大な屋敷で、「アップステアーズとダウンステアーズ」的な、2階の貴族たち、下の会の従僕や執事、料理番などなどの生活を送ってきた「ヴァルセロイのハウス」が、今まで親しくしていた料理場の人々が突然、宗教の違いから意味のない喧嘩を始めたり、召使いたちの間で英国の上流社会の慣習を無視した無礼な言動が目立ち始めて、ロイヤルハウスの高官たちがあたふたとする様子、何百万人という家を奪われた人々に食べ物を配る英国館の人々、夫人のお付きの美女はモスレム、彼女に恋をするインドはヒンズー教の若者、と若いロマンスのドラマも盛り込まれています。
監督はこのストーリーをどうしても作りたかったというインド系英国人のグリンダー チャダハ、Gurinder Chadha
という女性で、「ベッカムに恋して」(06)を監督したことでも知られています。

さてジリアンの役作りは非常に凝っていて、エドウィーナ夫人のちょっと猫背風の立ち姿、表情、上流社会独特のしゃべり方、持って生まれた気品、などが鮮やかに出ていましたし、スポーツマン志向の夫を外交手腕の場で巧みに引き立てる配慮も覗けて、とても良いものでした。

ジリアンは1968年8月9日、イリノイ州シカゴ生まれ、2歳からロンドンに移って、英国と米国を行ったり来たりの生活を経ています。
ニューヨーク州のコーネル大を卒業、それからオフ ブロードウェイの舞台に立ち、93年にスタートした「X−ファイル」の主役に選ばれて、話題のスターに。

最近は「アメリカン ゴッズ」(17)など色々なテレビシリーズに頻繁に出演しています。

絵画の収集家としても知られ、インテリア デザイン、建築などに並々ならない興味と情熱を注いでいるそう。
プライヴェートでは、結婚、離婚を2度、おまけに女性との関係も匂わせて、
「ヘテロでもホモでもないのよ。両方が好き。その時に応じてその瞬間を味わいたいから」
と革新的なコメントも吐いてます。異なるパートナーから子供が3人、英国王室位からはOBEの勲章を授かっています。

英米の良いところを選んで、ロンドンで気ままに生活するジリアンの暮らしも羨ましいばかりの健康的な環境にあります。


2017 ロンドンで。

第2次対戦次のマウントバッテン卿

在りし日のマウントバッテン卿。

マウントバッテンとエドウィーナ。真ん中はパキスタンを作ったモハマッド アリ ジナ。

マウントバッテン卿とガンジーとエドウィン


2017「ヴァルセロイス ハウス」ヒュー ボンネヴィル とジリアン。

なつかしい「X−ファイルズ」デイヴィッド デユコフニーと。




2017「ヴァルセロイズ ハウス」から、ヒュー ボンネヴィル とジリアン。

2017映画「ヴァルセロイズ ハウス」から。

2017「ヴァルセロイズ ハウス」から。
2008「X−ファイルズ」
2013 「タイム チェイサー」

2015映画版「X−ファイル」





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