ALFRED MOLINA

ALFRED  MOLINA

英国はロンドン生まれですが,父上はスペイン人,母御はイタリア人,演じる役はイラン人からメキシコ人までカラフルな国籍の人々を演じているアルフレッド モリナはユーモラスで,陽気で,インテリジェンスに溢れたベテランの俳優です。
1953年5月24日生まれですから現在51歳,名門ギルドホール演劇学校を卒業して舞台で頭角を見せ,映画初出演は「レイダーズ /失われたアーク」(81)での怪し気なエジプト人のガイドでこの時以来,彼の役柄は多種多様となりました。
何と言っても189センチの長身に加えて,巾もたっぷりの巨体の持ち主ですから,画面ではしっかり目立ってしまいます。
「ショコラ」(00)はジョニー デップ主演のチョコレートの不思議な魔力を描いた作品でしたが、ここではフランスの小さな村の頑固で威張ってばかりの村長(市長だったかも) をユーモラスに演じていましたし,「フリーダ」(02)ではメキシコの女性画家(セルマ ハイヤック)の共産主義運動に走るくせに,セレブの生活が好きで,おまけに女狂いのデイエゴ リヴェラと言う画家を熱演しています。

現在までの映画出演数が153本と言うまさに「ジャーニー マン」、つまり旅から旅へと仕事を探して渡り歩く俳優の典型、とは言え,確かな演技力で小さな役でもモリーナの味をたっぷり見せています。

ロスアンジェルスのロケが多く、ここでメキシコ人からスペイン語を習い,得意になってロンドンの父御にスペイン語で話しかけたところ
「お前の言葉はメキシコ語だ。全くスペイン語とはほど遠い!」とあきれられた話を嬉しそうに語っていました。

新作「ラヴ イズ ストレンジ」(14)ではアメリカ版の舞台と映画のベテラン俳優,ジョン リスゴーと初老のゲイの恋人同士になり,経済的事情で離ればなれに住まなくなったふたりの悲哀を巧みに演じて,見につまされるドラマでした。アルフレッドはカソリック学校で音楽を教えていますが,正式にゲイの結婚をしたと報告するとクビになってしまうという,今だに色々な所でゲイの差別があると言う社会問題も芯にあります。
ロンドンとロスアンジェルスと行き来する生活を送っているアルフレッドですが、奥方が最近アルツハイマーと診断されたのです。
「心配しないでくれ給え。何とか快方に向かっているし,僕らの問題だから」
と英国人のステイッフ アッパー リップ(上唇をしっかり固定して、わなわなしたり、泣き言を行ったりしない姿勢)を毅然として見せてました。
2000「ショコラ」


2014 「ラヴ イズ ストレンジ」
「ラヴ イズ ストレンジ」でジョン リスゴーと。

2002「フリーダ」セルマ ハイヤックと。


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