RUTGER HAUER

RUTGAR     HAUER

日本ではルトガー ハウアーと表記されているようですが,西洋人はラトガーと発音しています。
ブロンドに青い眼,整った顔立ちに185センチの長身のオランダ人のラトガーは,何処か非現実的な雰囲気が漂うせいかハリウッド映画では吸血鬼や謎の怪人,超自然体の悪漢,などの役がオハコとなってしまいました。

1944年1月23日,オランダのユトレヒト州ブロイクレンに両親とも俳優と家に生まれ,巡業に出がちな親の代わりに乳母に育てられたそう。15歳で家出して,船乗りを目指したのですが色盲と判明し,1年で断念,家に戻って演劇を学ぶようになったとか。そのまま船乗りになっていたら,大層ハンサムでダンデイーなキャプテンになって,7大洋のあらゆる港にミストレスなどが居たであろう、と想像を逞しくしてしまいます。
「ブレードランナー」(82)の映画出演がハリウッドで注目され,ミシェル ファイファーと「レデイーホーク」(85)で共演して,甘い二枚目ぶりも見せました。
1985「レイデイーホーク」ミシェル ファイファーと。
1985「フレッシュ+ブラッド」ジェニファー ジェイソン リーと。
初めて会ったのは「ブラインド フユーリー」(89)で,これは勝新太郎の人気シリーズ「座頭市」をベースにした,盲目になったヴェトナム戦争帰還兵が特技を学んで,強きをくじき、弱きを助ける行動の猛進ぶりを見せるアクションドラマでした。坊主頭の勝新とは全く違う外見ながら,ヨーロッパ人のラトガーならではのユニークな怪奇さが見えて,面白い映画になっていました。
当人は全く俳優だの演技だのについて蘊蓄をかたむけるのは男の屑だと言わんばかりのエレガントな自由人で,好きなことをして,好きなところに行き,冒険が出来る、渡り鳥の俳優業を方便としているようでした。

金髪で冷淡に見える為,ドイツのナチの役も多く,テレビ映画の「ファーザーランド」(95)で会った時は,オランダ人とドイツ人が同じように見えるのは仕方がない、と言ったようなコメントをジョークまじりに話してました。ドイツに侵入されたオランダはドイツ人に余り好意を持っていないのですが。その前にも「インサイド サード ライヒ」(88)と言うテレビ映画ではナチの建築家 アルバート シュペアの役を好演。貴族の家柄に生まれ,下品なヒットラーを忌み嫌いながらも、民衆を圧倒させる巨大な講堂やスタジアムのデザインを手がける,眉目秀麗のシュペアにぴったりでした。

最近は「シン シテイー」(05)や「バットマン ビギンス」(05)などのハリウッドの大アクション映画に顔を出したり,ヨーロッパの独立映画に出たり,全くスローダウンする気配なく,マイペースで仕事を楽しんでいる様子です。
吸血鬼ヴァン ヘルシング
1989「ブラインド フュエリー」



Comments

  1. ルトガーハウアー「聖なるよっぱらいの伝説」大好きな映画です☆

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