KEIRA KNIGHTLEY AND SUPPORTING ACTRESSES 2015
KEIRA KNIGHTLEY & SUPPORTING ACTRESSES 2015
女優助演賞のレースは男優程に狭き門ではありません。それほど素晴らしい役が無いからでしょう。毎年男優が評価される役は山のようにありますが,女優が張り切って挑戦するような役は,主演でも助演でも相も変わらず,ずっと少ないのです。
俳優名鑑などは男優のページが優に女優の2倍と言う事実が何となく寂しいではありませんか。
シェフや政治家,企業主,重役,などの職業と同じで,男性がしっかりハバを利かせているのです。
今年の助演女優候補の中でもっとも光っているのは,キーラ ナイトリーでしょうか。「イミテーション ゲーム」(14)で主役のベネデイクト カンバーバッチを優しく支えるクロスワードパズルの達人,臨時に彼の妻となったり,最後まで親切に,同性愛の為に犯罪者となった天才数学者を心配している1940年代の英国人女性をしっとりと演じています。今までは,その彫りの深い美貌とスリムな体を活かしての、どちらかというとわがままな貴族の女性や取っ付きにくい深窓の令嬢の様な高慢さが前面に出る役が多かったのですが今回は,あくまで助演の控え目な演技が効果的に画面に反映されてます。
エミリー ブラントも賞のシーズンになると名前が上がって来ますが,オスカー賞はまだまだでした。「イントウー ザ ウッズ」(14)のエミリーは美しい声ももちろん,ミュージカルに大事な華とスピードがあって,パン屋の女房役の場面は彼女の独壇場になってます。実際は妊娠初期で,少しづつ出てきたお腹を木の陰に回ったり,家具の後ろに立ったりして隠しているそうですが,明朗に,楽しそうに唄って踊っているエミリーのそう言う配慮は全く感じられません。
パトリシア アーケットも強い候補です。12年かけて作られた「ボーイフッド」(14)の母親を時に重荷にうちひしがれ、心配そうに,哀しそうに,そして思いっきり子供たちと幸せそうに抱き合ったり,貧しい家庭の現実感をヴィヴィッドに見せてます。もともと感情表現の豊かな女優ですから今回はそれが100パーセント活きています。ロザンナ,デイヴィッドなどの姉弟,両親も然りの俳優一家の出身ですから,流れる血に演技の成分が含まれているに違いありません。
ジェシカ チャステインも体の底から女優と言う女優魂の固まりのようなタイプです。「モスト ヴァイオレント イヤー」(14)はシドニー ルメット監督の再来と評価されている J.C. チャンダーの映画です。彼は去年ロバート レッドフォードの独り航海を描いた「オール イズ ロスト」で巨大な反響を投げかけた監督です。
1981年のニユーヨークが史上もっとも殺人数が多かったとかで,この年に野望に溢れた事業家(オスカー アイザック)が暴力的な圧力と戦いながら,自分のテリトリーを広げて行くストーリーで,ジェシカはマフィアの親分の娘にして,オスカーの妻役を冷静に,力強く演じています。オスカーとはジュリアードで同級だったそうで,ふたりの丁々発止の演技が見ものになってます。どんな役もものにしてしまうカメレオンのようなジェシカの人気は急上昇中。そして品の良い,憂いを含んだ人となりがとびきりエレガントなのです。
そして新鮮な若手の登場がエマ ストーンです。「バードマン」の主役マイケル キートンの娘役を嫌味にならない程度に,生意気で,訳知りで,ドラッグのリハビリを出たばかりの芸能界の裏を知り尽くした(と勝手に思っている)若い女の子を熱演。無言で居てももおしゃべりに見えてしまう派手な顔立ちとモデル並の細い体が演技派と言うタイプに見せないのが難点ですが、人気アクション映画のスパイダーガールも死んでしまって,これからが勝負の見せ所でしょう。目下ブロードウエイの舞台で「キャバレー」の主役,サリー ボウルズを演じています。前回のサリー役を演じたミシェル ウイリアムスよりずっと若く,性的パワーにかけているようですが評判は上々と聞いてます。
そして賞レースが始まる前から名前が叫ばれる,家、投票用紙に既に彼女の名前が印刷されているとジョークになってしまうメリル ストリープ。「イントウー ザ ウッズ」では猛々しい魔女をかなりオーバー演技でぎんぎんに楽しんで怪演しています。何を手がけても賞レベルに引き上げる力はさすがですが,50歳代以上の興味深い女性の役を一手に引き受けているようで,その女優としての欲望の深さには脱帽です。子供が大きくなって手がかからない分,さらなるパワーが出て来たのでしょうか。他の同年代の女優たちが渇き飢えているのに,どんどん映画に出ては,「一番欲しいのはバカンス!」などとのたもうてます。
オスカー賞は3回受賞,その他の賞は合計162回受賞,候補としては240回と物凄い記録を成しています。
「何回受賞しても始めてのときと同じように嬉しい!」と当人は繰り返しております。
エミー賞だかの評に,1回受賞した俳優には次回は辞退してもらわないと、同じ俳優ばかりが受賞して,不公平ではないか、とありましたが、テレビのエミー賞は連続番組が多く,毎年同じ顔ぶれが並ぶので余計にこのアイデアが活きますがさて映画では難しいでしょう。
女優助演賞のレースは男優程に狭き門ではありません。それほど素晴らしい役が無いからでしょう。毎年男優が評価される役は山のようにありますが,女優が張り切って挑戦するような役は,主演でも助演でも相も変わらず,ずっと少ないのです。
俳優名鑑などは男優のページが優に女優の2倍と言う事実が何となく寂しいではありませんか。
シェフや政治家,企業主,重役,などの職業と同じで,男性がしっかりハバを利かせているのです。
今年の助演女優候補の中でもっとも光っているのは,キーラ ナイトリーでしょうか。「イミテーション ゲーム」(14)で主役のベネデイクト カンバーバッチを優しく支えるクロスワードパズルの達人,臨時に彼の妻となったり,最後まで親切に,同性愛の為に犯罪者となった天才数学者を心配している1940年代の英国人女性をしっとりと演じています。今までは,その彫りの深い美貌とスリムな体を活かしての、どちらかというとわがままな貴族の女性や取っ付きにくい深窓の令嬢の様な高慢さが前面に出る役が多かったのですが今回は,あくまで助演の控え目な演技が効果的に画面に反映されてます。
エミリー ブラントも賞のシーズンになると名前が上がって来ますが,オスカー賞はまだまだでした。「イントウー ザ ウッズ」(14)のエミリーは美しい声ももちろん,ミュージカルに大事な華とスピードがあって,パン屋の女房役の場面は彼女の独壇場になってます。実際は妊娠初期で,少しづつ出てきたお腹を木の陰に回ったり,家具の後ろに立ったりして隠しているそうですが,明朗に,楽しそうに唄って踊っているエミリーのそう言う配慮は全く感じられません。
パトリシア アーケットも強い候補です。12年かけて作られた「ボーイフッド」(14)の母親を時に重荷にうちひしがれ、心配そうに,哀しそうに,そして思いっきり子供たちと幸せそうに抱き合ったり,貧しい家庭の現実感をヴィヴィッドに見せてます。もともと感情表現の豊かな女優ですから今回はそれが100パーセント活きています。ロザンナ,デイヴィッドなどの姉弟,両親も然りの俳優一家の出身ですから,流れる血に演技の成分が含まれているに違いありません。
ジェシカ チャステインも体の底から女優と言う女優魂の固まりのようなタイプです。「モスト ヴァイオレント イヤー」(14)はシドニー ルメット監督の再来と評価されている J.C. チャンダーの映画です。彼は去年ロバート レッドフォードの独り航海を描いた「オール イズ ロスト」で巨大な反響を投げかけた監督です。
1981年のニユーヨークが史上もっとも殺人数が多かったとかで,この年に野望に溢れた事業家(オスカー アイザック)が暴力的な圧力と戦いながら,自分のテリトリーを広げて行くストーリーで,ジェシカはマフィアの親分の娘にして,オスカーの妻役を冷静に,力強く演じています。オスカーとはジュリアードで同級だったそうで,ふたりの丁々発止の演技が見ものになってます。どんな役もものにしてしまうカメレオンのようなジェシカの人気は急上昇中。そして品の良い,憂いを含んだ人となりがとびきりエレガントなのです。
そして新鮮な若手の登場がエマ ストーンです。「バードマン」の主役マイケル キートンの娘役を嫌味にならない程度に,生意気で,訳知りで,ドラッグのリハビリを出たばかりの芸能界の裏を知り尽くした(と勝手に思っている)若い女の子を熱演。無言で居てももおしゃべりに見えてしまう派手な顔立ちとモデル並の細い体が演技派と言うタイプに見せないのが難点ですが、人気アクション映画のスパイダーガールも死んでしまって,これからが勝負の見せ所でしょう。目下ブロードウエイの舞台で「キャバレー」の主役,サリー ボウルズを演じています。前回のサリー役を演じたミシェル ウイリアムスよりずっと若く,性的パワーにかけているようですが評判は上々と聞いてます。
そして賞レースが始まる前から名前が叫ばれる,家、投票用紙に既に彼女の名前が印刷されているとジョークになってしまうメリル ストリープ。「イントウー ザ ウッズ」では猛々しい魔女をかなりオーバー演技でぎんぎんに楽しんで怪演しています。何を手がけても賞レベルに引き上げる力はさすがですが,50歳代以上の興味深い女性の役を一手に引き受けているようで,その女優としての欲望の深さには脱帽です。子供が大きくなって手がかからない分,さらなるパワーが出て来たのでしょうか。他の同年代の女優たちが渇き飢えているのに,どんどん映画に出ては,「一番欲しいのはバカンス!」などとのたもうてます。
オスカー賞は3回受賞,その他の賞は合計162回受賞,候補としては240回と物凄い記録を成しています。
「何回受賞しても始めてのときと同じように嬉しい!」と当人は繰り返しております。
エミー賞だかの評に,1回受賞した俳優には次回は辞退してもらわないと、同じ俳優ばかりが受賞して,不公平ではないか、とありましたが、テレビのエミー賞は連続番組が多く,毎年同じ顔ぶれが並ぶので余計にこのアイデアが活きますがさて映画では難しいでしょう。
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ご存知 賞レースの常連,メリル ストリープ |
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