HARVEY KEITEL

HARVEY  KEITEL

苦み走った男の役にかけてはハーヴィー カイテルの右に出る俳優はないでしょう。
寡黙でじっと座っている(又は立っている)静かな周囲、それでも彼の周りには空恐ろしい、ただならぬ空気が漂っています。
それは映画の中だけでなく、実際のハーヴィーも不穏な雰囲気を醸し出す、ちょっと怖い俳優なのです。

そういう俳優ですから、長いことインタヴューに応じませんでした。初めて会ったのは「スモーク」SMOKE (95)だったと思います。そしてなぜかその時のツーショットは消えてしまいました。インタヴューに出てきた彼はとてつもなく機嫌が悪そうで、無表情。

傲慢などと言うより、自分のことなどくっちゃべるのはバカバカしくてやってられない、という感じで「男は黙って勝負する」と言ったタイプなのでしょう。

2度目に会ったのはそれからずっと経った「」()の時。
歳のせいか、すっかりソフトになって、おしゃべりとは言えないものの、質問には彼なりのドライなユーモアを混ぜて答えてくれました。

それでも、あまり突っ込んだこと、プライバシーのことなどを聞いたりするとやはり、眉根を寄せて「うーむ、そういうことには答えたくないね」とやんわりと拒絶。

1939年5月13日 ニューヨークのブルックリン生まれ、父親はポーランド系、母親はルーマニア系のアシュカナーゼ ユダヤ人、両親は軽食屋を営んでいたようですが、家庭は居心地の悪いところだったらしく、16歳で海兵隊志願、20歳で除隊後、法定速記官で生活費を稼ぎながら、リー ストラスバーグやステラ アドラーなどから演技を学んだそう。独りで生きて来たハーヴィーのぎこちない硬さはこのあたりに由来したのではないかと思われます。

オフ ブロードウェイの舞台に出てから、1967年の WHO'S THAT KNOCKING AT MY DOOR の小さな役で映画デビュー、それから1973年の「ミーン ストリート」MEAN STREET で、マーテイン スコセッシ MARTIN SCOSSESSI 、ロバート デ・ニーロ ROBERT DENIRO と知り合って、以来、何度となく一緒に仕事をして来ました。

イタリー系の女優のロレーン ブラッコ LORRAINE BRACCOと82年から93年まで交際、ステラ STELLA という娘が85年に生まれています。 リサ カーマジン LISA KARMAZIN との間に2001年に男の子が生まれているのですが、2001年にカナダの女優、ダフネ カストナー DAPHNA KASTNER と結婚、二人の間には2004年に生まれた息子が独り、と合計4人の子供がいます。

なんと言ってもハーヴェイーの異色な味が効果を発したのは「ピアノ レッスン」PIANO(93)ではないでしょうか。
もちろんその前に彼のパワー発揮の「バッド ルーテナント」BAD LEUTENANT (92)「レザボア ドッグス」 RESEVOIR DOGS(92)などもありますが。

最近の映画では、イタリアの異才監督、パオロ ソレンテイー PAOLO SORRENTINO による「ユース」YOUTH (15)が老人同士の洒落た生活を描いていて面白いと思います。名指揮者を演じるマイケル ケイン MICHALE CAINE と共演も変わった配役でした。
スコセッシ監督の最新作「ザ アイリッシュ マン」 THE IRISHMAN (19)では久しぶりのデニーロ、アル パチーノ、AL PACINO ジョー ペッシ JOE PESCI と言った、イタリア マフィア組と共演して、息の合ったところを見せてファンたちには大いに受けてました。

今までに合計160本もの映画、テレビに俳優として出演しているもの精力的な働きぶりを見せています。


2015  YOUTH


1972「ミーン ストリート」




1993「ピアノ レッスン」

1967  WHO IS THAT KNOCKING AT MY DOOR       With Zina Bethune

1973  MEAN STREET    DE NIRO, AMY ROBINSON, HARVEY

2015  YOUTH  with Michael Caine



1993 PIANO  with Holly Hunter


2019  THE IRISHMAN  wtih Joe Pesci ( right )


1973 MEAN STREET  with Robert De Niro.

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