JANET MCTEER 2018

October 10, 2018

JANET MCTEER 2018

ジャネット　マックテイア　のことをすでにこのブログで書いていると思ったら、何とまだでした。

大好きな英国女優、威厳のある長身と、知的な小さな顔、でイギリスにしては珍しく１８４センチ、１０頭身のプロポーションの演技派です。
ケイト　ウインスレット、エマ　トンプソン、エミー　ワトソンといった中堅女優はほとんどしっかりとした太い骨格の持ち主、重鎮のマギー　スミス、ジュデイー　デンチ、ヘレン　ミレン　なども１０頭身には程遠い体つきですし。

大柄な人に有り勝ちな、控えめで、ほとんどシャイな性格を持っていますが、いざ、役を得ると爆弾のようなエネルギーを発揮して、スクリーンを圧倒するのです。

さてジャネットの出演作で最も衝撃的だったのは、グレン　クローズと共演した「アルバート　　ノッブス」ALBERT NOBBS（１１）でしょう。グレンもジャネットも女性の体を持ちながら、男性の感情と心理を持つタイプで、二人とも胸にサラシなど巻きながら、常に男装です。特にジャネットの荒っぽい男性的な姿が何ともセクシーで、さながらロバート　ミッチャムのようでした。

頭角を現したのは「タンブルウイーズ」（９９）回転草と呼ぶのでしょうか、あの、西部劇によく出てくる枯れ草とイバラの枝がくっつきあって球状になって風にコロコロ転がってゆく殺風景の枕詞のようなものです。TUBLEWEEDS
では、一人娘と一緒に根性だけで生き抜いていく股旅物の母親役でした。その迫力の演技力でアカデミー賞の候補になってます。
お次は「ソングキャッチャー」（００） SONGCATCHERでしょう。アパラチア山脈の自然を背景に、大学で教授の座を男性に取られてしまったリリー（ジャネット）が山里に残るスコットランドやアイルランドのバラードを見つけて、それを記録に残すという作業に情熱を見出すという、安らかな雰囲気の映画です。共演はアイダン　クイン、地味でしたが、心に残る秀作でした。

「ハナ　アーレンド」（１２）HANNAH ARENDT　も良い映画でした。バーバラ　スコヴァ　がユダヤ人にしてドイツ生まれのハナ　アーレンドを熱演。１９６１年、ユダヤ人虐殺を計画したアドルフ　アイヒマンの裁判を雑誌ニューヨーカーに、アイヒマンはモンスターではない、戦争の悪の利用者に過ぎないとレポート、世界中のユダヤ人の批判を浴びて、話題になった当時の状況を描いた実話ドラマで、ジャネットは実在のニューヨークのパワフルな作家にして、社会運動家のメアリー　マッカーシー（映画「グループ（６６）」の原作者）を演じています。

エレガントで、背が高いので、しばしばエリート女性の役をおはこに演じてすが、最近はリッチな母親役が増えてきました。「世界一キライなあなたに」（１６） ME BOFORE YOU　では、地元の裕福な旧家の息子（サム　クラフリン）の母親役、などなど。

残念だったのは、ブロードウェイの舞台「デンジャラス　リエゾンズ」（２０１６）（危険な関係）を見に行けなかったこと。彼女と背が釣り合うリエフ　シュライバーと共演でしたから、そのステージの迫力が想像できます。宣伝写真の豪華にして、巨大な二人のダイナミックなポーズにまず感動したほどでした。

今年は人気テレビシリーズ「オザーク」（１７−）でハイパワーの弁護士を、例によって、高級仕立てのスーツに長身を包んで好演しています。

１９６１年８月５日、英国はニューキャッスル　オン　タインに生まれ、女優を目指して、劇場のウエイトレスをしている時に、ゲイリー　オールドマンにRADA 王室演劇学校を受けたらと言われて、見事に合格したというエピソードがあります。
若い時は「アマゾネス」というニックネームをつけられて、のっぽの女優として注目されました。

現在は米国の東部で、アメリカ人のアーテイスト、ジョー　コールマンと結婚して、それぞれのキャリアを選びつつ、安定した生活をしているようです。

2018「オザーク」の撮影セット訪問、アトランタにて。ジャネットの顔の小ささと背の高さ！