RICHARD   ATTENBOROUGH

童顔で,俳優としては主役より,せっかちな若者役が多かったため,昔の日本での、英語名を覚えやすくするテクニックとしてアッテンボローを「あわてん坊や」と呼んだそうな。

リチャード アッテンボローに初めて会ったのは,チャーリーチャップリンの自伝の映画化「チャーリー」(92)で制作、監督を手がけた時。主演はこの役でアカデミー賞にノミネートされたロバート ダウニー ジュニアでした。動き回らずにはいられないハイパーなチャプリンと同様に激しく動くタイプのロバートの演技はチャプリンがのり移った感じで
かなり怖い程でした。

さて「あわてん坊や」は当時既に69歳,見るからにグッドライフを楽しんでいる赤ら顔で,そばで話したラ,かなり強いニンニクの匂いがしたのを今でも強烈に覚えています。ランチにイタリアンでも食べ,ワインを楽しんだのでしょう。

1923年8月29日,英国のケンブリッジに生まれたリチャードは大学総長の父親,弟デイヴィッドは高名なBBCのプロデューサーにして動物博士と言うエリートの家に育ち,俳優を志してRADA (ロイヤル アカデミー オブ ドラマテイック アーツ、シェイクスピア演劇の名門校)に奨学金で入学,と言うから非常に優秀だったのでしょう。

41年 ユージン オニールの「ああ荒野」で初舞台,同じ年にノエル カワードの 「IN WHICH YOU SERVE」の臆病な水兵役で映画デビュー。

戦争に突入し,リチャードは空軍の映画班に配属され,ジョン ホールでイング監督のドキュメンタリーに出演したりの戦争が終わり,46年復員、

「大脱走」(63)での冷静なリーダー役,「飛べ!フェニックス」(65),「砲艦 サンパブロ」(66)などで準主役を演じて,名前が知られるようになります。

「バタンの鬼軍曹」(64)では英国アカデミー主演男優賞を獲得,監督業には「素晴らしき戦争」(69)でデビューし,「ガンジー」(82)ではアカデミー賞を8部門で受賞と監督としての才能の方ががはるかに有名になったのです。

RADAの会長を始め英国映画,演劇界の重鎮となり、76年にはナイトの称号も得ています。

さて「チャーリー」の原題は「チャップリン」で,この時のリチャードは英国の生んだ最高の喜劇役者についての蘊蓄を並べ,隣に居たジェラルデイン チャプリン(チャップリンの娘)の肩をこずいたり,抱きしめたりとスキンシップが大好きな茶目っ気に溢れ、エリートぶらずに,愛嬌が一杯で,どこのパブに行っても,分け隔てなく会話やジョークを楽しむ美食家、ボンヴィバンにして、人生陽気に生きなければ,何の為の人生!と言う活気が充満していました。

最近は「ジュラシック パーク」(93)での恐竜王国の生みの親の大富豪役,「ラブ アンド ウオー」(96)、「グレイ アウル」(99)などに小さいけれど,その存在感で印象に残る役を,楽しそうに演じています。
1992 「チャーリー」



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