BRENDAN GLEESON
BRENDAN GLEESON
昨日11月9日はブレンダン グリーソンの66歳のお誕生日。アイルランドのダブリン生まれです。
アイルランドの訛りでは「ドブリン」となりますが、1955年11月9日に生を受け、ロンドンの王立演劇学校に学び、故郷に戻って教師になりましたが34歳の時にオーデイションに挑戦、俳優としては非常にレイトブルーマー(遅咲き)なのでした。
1982年にメアリー MARY と結婚、4人の息子が生まれ、そのうち二人が俳優になってます。ドーナル DOMHNALL とブライアン BRIAN 、どちらも活躍中。
彼の主演作の中では「ヒットマンズ レクイエム」IN BRUGES(08)が最高です。コリン ファレル COLIN FARRELL と組んでの軽量悪漢二人組みがベルギーの観光地、ブルージュでおバカな騒ぎを繰り広げ、ロンドンのボスのレイフ ファインズRALPH FIENNES に電話でこっぴどく怒鳴られるのですが、いつもは紳士のレイフがこれ以上汚い言葉はないというボキャブラリーを行使して、猛スピードでまくしたてるのが何ともおかしくて全員の演技も巧みで笑い転げてしまいます。
最近は「ヒトラーへの285枚の葉書」ALONE IN BERLIN(16)でエマ トンプソン EMMA THOMPSON と夫婦役、ベルリンで密かにナチスに抵抗する普通のおじさんを熱演。
マンドリンとフィドルがプロはだし、サッカーは「アストン ヴィラ」ASTON VILLA のファンだそうで、40年近くも結婚生活が続いているメアリーとの安定した暮らしぶりが覗けて暖かい気持ちになります。
次の文は雑誌に書いた記事の一部。彼の性格が少しお分か頂けるでしょう。
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アイルランドのじゃがいも飢饉がアメリカへの大移民の原因だったそうだが、ブレンダン グリーソンは、無骨そうで、酒好き、女好き、パブでのスケベ話、アイルランドの詩や歌、潮風、羊の匂いにギネスに,ドブリン訛り、あの緑の島の全てに目がない典型的アイリッシュ、その上ルックスもじゃがいもそっくりと来ている。彼の地の人々は、ダブリンをドブリンとはちおんし、いくら卒業したとしても、オックスブリッジなどと言う英国エリートのアクセントを間違っても使わない分際に誇りを持っているのだ。
さておじゃがブレンダンに初めて会ったのは,忘れもしない「ザ ジェネラル」(98)と言う彼がアイルランドの実在の義賊、マーテイン ケイヒルを激演し、ジャンバルジャンを追うジャベールのごとくに複雑な心境を抱える刑事の役をアメリカ人のジョン ヴォイドがものにした時。
ハリウッドのインタヴユーは処女だと言うブレンダンに常に先輩風を吹かしたがる(こう言う点でも娘のアンジェリーナ ジョリーが距離を置くのが何となく分かるのであるが)おせっかいなヴォイドも同伴し、思い出し笑いに満ちた,一風変わった会見であった。
ー「ジェネラル」(大将)と呼ばれたケイヒルを演じたいと思ったいきさつについて。
「あれは87年に彼が記者と交わしたインタヴューの内容に仰天した時以来、彼の豪胆にして、愉快な性格に妙に魅かれてね。長いこと捕まらなかった彼が実は毎週木曜日に失業手当と年金を本名で受けていたばか入りか2件も家を持って平然と生活していたと言うと言う警察のみっともなさを暴露したり、街頭で彼を発見した記者がパンチを食らうか、脅迫されるかと身構えていたら、ケイヒルはただ立ったまま、手で顔を隠したと言う。そのポーズがポスターになったのだけれどね。そして約1時間余りも記者と話しを続け、ユーモアがたぎって、記者も笑いをこらえられずに大笑いしたりのまさにカリスマ性の溢れる性格を見せていた。その凄まじい生き方におののいたり,同時に魅了されたりした。厳重な警備の要塞から国宝級の宝石を盗んでしまう腕とそれを喜んでみる庶民の反応も現代版ロビン フッドの面があるだろう。
それからジョン ボアーマンが映画化したいが出ないかと聞いて来て、最初はちとたじろいだが、英国人でありながらアイルランドに30年も住んでいるジョンの吸引力にたぐり寄せられてしまった。予想通り、ケイヒルのパワーはもの凄くて、役を演じていると言うより、催眠術にかかって、彼になりきってしまい、撮影が終わってもなかなか剥ぎ捨てることが出来なかった。凄い影響力を持った男だったね」
「Deliverance、脱出」(72)でボアーマン監督と一緒に仕事をしたヴォイドが口を挟む。
「ジョンとは親しいからアイルランドの彼の家をよく訪れたものだが、アイリッシュを演じると聞いて発奮したね。最初に日に制服を着込んで自分なりのアクセントを使ったらブレンダンがそれはアイスランド訛りか?なんて言いやがって、それからパブに通い詰めて、完璧な程にアイルランド語をマスターしたのだよ。撮影の最後の日がケイヒルと刑事の「真昼の決闘」とでも言える対決の瞬間で、僕の弾丸で彼は死んだと受け止めようかと言った途端に僕らふたりとも同時に手で顔を覆って、偶然にも同じ反応をしてしまった。失われた瞬間を実感したからだ。完成版には残らなかったが、これが僕らの最後のテイクの本能的な動作だった。運命的な何かを感じるじゃないか」
ここで今度はブレンダンが口を挟む。
「アイルランド人は非常によそ者に対して排他的で批判的なのだが、第1日目のジョンの有様はまさに喜劇だったものの、実際にケイヒルに対処した警官と親しくなって,アクセントどころか,肩の下げ方とか体の動かし方,体質までものにして、さすが名優だと感心したね。めったに褒めない地元の人間も褒めそやしていたし」
ーアイルランドの映画産業について。
「僕の最初のハリウッド映画は「ブレーブハート」(95)だったが、スコットランドの英雄をメル ギブソンが監督して演じたのだが,アイルランドの方が予算がかからないと言うのでアイルランドで撮影したという皮肉な結果になったのがおかしかったね。僕は住むのも働くのもドブリンと言うのが最高の条件だが、「静かなる男」(52、ジョン ウエイン主演)ばかりを撮っている訳にはいかないしね(笑い)もちろん世界中を旅するのも非常に楽しいがアイルランドの映画ビジネスはクルーのレベルも評価されているし、栄えて欲しいものだが,何と言っても雨が多いいから、これだけはどうにもならない」
1998「ジェネラル」ジョン ヴォイド と。 |
2003「コールド マウンテン」映画の中でフィドルを弾きます。 |
ボス役のレイフ ファインズの顔が見えます。 |
奥方のメアリーと |
メアリーと。 |
コリン ファレルと。 |
ナチスへのはがき 現物 |
息子たち、ドーナルとブライアン |
98「ジェネラル」顔を隠しています。 |
息子たち、ブライアンとドーナル |
2011「ザ ガード」ドン チードル と。 |
最近はブレンダンより人気の息子、ドーナル と。 |
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