DON'T LET'S GO TO THE DOGS TONIGHT SCREENING
6月21日(土)
DON'T LET'S GO TO THE DOGS TONIGHT 「今夜犬たちの所に行かないで」と言ったような意味の題名はアフリカのピジョン イングリッシュ PIDGEN ENGLISH(現地の口語英語)で、主人公のお転婆娘の行動を示していると同時に、現地 アフリカのローデシア RHODESIA (当時、現在はジンバブエ ZIMBABWE )に住む白人の家族の苦しい生活を表しています。
センチュリーシテイー CENTURY CITY での試写に一緒に行ったのは、ハンスのお友達でドイツ領事館に務めるステファン STEPHEN と彼の14歳になるお嬢さんのニッキ NIKKI でした。次の日にドイツに家族で行くというのに娘にアフリカのドラマを是非見せたいと言うのでわざわざ来てくれました。
この映画の制作、監督、主演を兼ねたエムベス ダヴィッズ EMBETH DAVIDTZ は昔の大作「シンドラーのリスト」SCHINDLER'S LIST でユダヤ人の女性を演じた時にインタヴューして、その後にも再度会見したことのあるアメリカ生まれ、南アフリカ育ちの美しくて、勇敢な女優です。
ずっと自分のアフリカでの思い出をドラマにしたいと思っていたところ、ローデシア生まれのアレキサンドラ フラー ALEXANDRA FULLER の著書(映画の題名と同じです)に出会って、ほとんど同じような状況だったことでぜひとも映画化をと考え、主人公の7歳の娘を演じる子役を探し始め、全く見つからず、あきらめた所に南アフリカのレキシー ヴェンターLEXI VENTER が出現、演技の経験は全くゼロと言うのに恐ろしいほどの存在感と本能的な役作りを見せてエムベスの創作欲を奮い立たせたそうです。
エムベスはレキシー演じるボボ BOBO の地元の警官にしてアル中の母親を演じています。シャワーなど絶対に浴びないボボがまるでホームレスのように汚い格好で近所をのし歩き、使用人の黒人たちから煙たがられているものの、天然の魅力を振りまいて、家事をする手伝いの若い黒人女性に可愛がられ、わがままを言ったり甘ったれてばかりいます。
ローデシアは不安定な政治事情でしばらくして、ジンバブエと国の名前を変えますが黒人たちの抵抗が激しくなり、エムベスは懸命に自分の家を守りますが結局は家を捨てざるを得なくなります。
ボボは社会事情を薄々感じつつも相変わらず、ツンと鼻を尖らせて近所の子供達の親分のように振る舞っていますがやがては両親と家を去ることになります。
車の窓から後ろを振り返ると尽くしてくれた手伝いの黒人の女性がアフリカのお姫様になってボボの目に映ります。
さて試写が済んでレセプションの場所に行くと 1980年の最初の「ショーグン」SHOGUN の時にパラマウントの広報をしていてゴールデングローブのテーブルを取ってくれたりとお手伝いをしてくれたボニー ヴォランド BONNIE VOLAND にばったり。一応まだパブリストの仕事をしているものの、目下、反トランプ運動に精を出して、諸々のストライキやデモに参加している活動的なベテラン女性です。
ニッキは映画がとても良かったとはにかんでいました。
ワタクシ達はずっと前に南アフリカに行った時、バーで黒人女性から「アパルトヘイト時代 APARTHEID のほうが良かった。今は、黒人たち同士の争いが絶えなくて昔よりずっと危険になったから」と衝撃の打ち明け話を聞いた時を思い出したのです。アフリカ大陸の平和はまだまだ遠い先のように感じてしまいました。
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大昔からの友人のベテラン パブリシスト、ボニー ヴォランド |
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今は政治活動に忙しいボニー。 |
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ドイツ領事館に務めるステファンと娘さんのニッキ。 |
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ステファンとニッキは翌日ドイツに旅立ちました。 |
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まだ14歳の可愛いニッキ。 |
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後ろのビルはセンチュリーシティー。 |
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これはかなり過激なポスターです。 |
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ボボを熱演したレキシー ヴェンター |
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ボボの秘密の隠れ家。 |
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映画の中のエムべス。いつもひらひらの服をまとっていて、すぐに裸体が露出します。
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虫のブローチを付けたエムべス。 |
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Zikhona Bali, Lexi Venter, Embeth Davidtz |
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試写会場のエムべス。 |
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オリジナルの本。実物のワイルドな子供の頃のアレックス。 |
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