ADAM BEACH

ADAM    BEACH


カナダのインデイアン,正確にはソートー族(Saulteaux)と言うマニトバ郡周辺に住むネイテイヴ アメリカンのアダム ビーチは人当たりが良くて,チャーミングで,ハンサムな俳優です。
初めて会ったのは「ウインドトーカーズ」(02)と言う第2次大戦で暗号用にインデイアンの言葉を使うと言う作戦を描いた,ニコラス ケイジ主演の戦争ドラマの時。わざわざ首都ワシントンまで我々は招待され,当時のブッシュ大統領から勲章を受ける退役軍人のセレモニーに出席しました。大勢のインデイアンやアジア人の老いたヴェテランたちが誇らしげな表情を浮かべていて,胸が詰まったのを覚えています。このあとレセプシヨンがあり,胸を反らして,カナダのインデイアンの誇りを見せるアダムに会ったのです。ニコラスもニコニコとご機嫌でした。映画の会見でのアダムは,凄まじい環境に育ったものの,それを乗り越えて俳優になリ、今ここで自分の一族を代表する役を得て,嬉しくてならないともらい泣きをしてたのが印象に残っています。
1998 インデイアンの若者たちの面白いドラマ
感情の起伏が豊かなのも,アダムがアメリカの先住民でありながら,野蛮な原住民と虐げられて来た先祖を想う余りなのでしょう。
2002 「WINDTALKERS」


1972年11月11日カナダはマニトバのアシャーンと言うインデイアン居留地で生まれたアダムは、8歳の時に妊娠8ヶ月の母親を酔っぱらい運転の事故で亡くし,その直ぐあとアル中の父親が溺死(事故か自殺か不明なのですと)と不幸が相次ぎ,祖母のもとに引き取られ,居留地の学校に通います。ご存知の方も多いでしょうが,インデイアンのアル中率は非常に高く,居留地の周辺では事故が頻繁に発生するので,人々は非常に気をつけて運転するのですよ。

高校に入ってから演劇に興味がわいたアダムはもろもろの舞台に出て自分の進路を見出し,テレビのコマーシャルなどの仕事が入るようになります。

クリント イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」(06)でインデイアンの兵士,アイラ ヘイズ役を熱演,ハリウッドでも認識されて,アダムは民族の伝統を事ある毎に無知なアメリカ人に伝える事を使命に感じるとこの時の会見では殊勝に話してました。

「僕にはいつも先祖のスピリットが着いていて,守ってくれる。いつかマニトバのファースト ネイシヨンのリーダーになりたい」
とコメント。
ファースト ネーシヨンと言うのはカナダの原住民の呼び名だそうで,イヌイットとマテースを除くインデイアン種だとも知りました。

その後も「BURY MY HEART A WOUNDED KNEE」(07)と言ったインデイアンのドラマで活躍。カナダのテレビシリーズ「アークテイック エアー」(12)では北カナダのイエロウナイフ(黄色のナイフ)を中心に飛ぶ森林警備パイロットの役で頑張っているそう。
やはりインデイアンの役が多いのは,彼の意志もあるでしょうが,ハリウッドのタイプキャステイングのせいでもあるでしょう。


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