CATHERINE     DENEUVE


  
世界で最も美しいと言われた女優,カトリーヌ ドヌーヴ
には5回ほど会いました。最初は「インドシナ」(92)でヴェトナムのゴム果樹園の女主人を毅然と演じてもろもろの賞を獲った時。大体 “インドシナ”と言う響きが懐かしいです。ハリウッドは余りお好きではないらしく,いつも居心地の悪そうな表情を浮かべてます。

一応スペイン語もイタリー語もドイツ語も英語も話せると書いてありますが,こと英語になると注意して話すのではなく
何となく雑に話すのです。それがエレガンスの極みのシンボルの彼女にそぐわず,煙草を吸う手つきや口元はセクシーで
蠱惑的なだけにちょっと気になりました。
「年を取る前に演じたい役は,エヴァ ペロンとアンナ カレリーナね。」
等と言ってましたが,実現せず残念。マドンナのエヴァ ペロン,新作のキイラ ナイトリーのアンナ カレリーナより
カトリーヌのほうが遥かにイメージ的にも,時代劇の女主人公にふさわしい古典の麗しさがありますものね。
フランス人の記者が「写真撮影がある時など、彼女は皮膚の
皺なり,でこぼこを細いブラシでしっかり埋めていき,まず3時間はメークにかける。」と言ってましたが、なるほど
完璧なまでにスムースで調和した色の肌でした。

次に会ったのは「ヴァンドーム広場」(98)で,既に55歳でしたが,魔性の女性と言うか,どこか魔法がかかっているような超現実的な雰囲気が漂っていました。公共の席から自宅に戻ると狐になってしまうような。
1992 「インドシナ」

長いことドレスをデザインして来たイヴ サン ローランが
いかに自分の長所と短所を知った上でのデザインをしてくれるか,美しいものを身につけるとより美しい気分になるのよ!などと天下の美女ならではの豪華なご自慢は,何かと言うとTシャツにジーパンが大好きと繰り返すハリウッドスターの似非庶民モットーの中でオリジナル性が高くてさすがと思いました。

「シェルブールの雨傘」(64)や「ロシュフォールの恋人たち」(66)等のロマンドラマより私めは「昼顔」(66)とか「ハンガー」(83)のようなホラー要素がある映画の方が彼女のちと猟奇的な, 妖女性が活きていると思うのですが。

「私が好きなのはマリリン モンロー。ほとんどの彼女の映画が好きだけど特に「荒馬と女」(61)が好き。」
などとも言ってたのです。
ななんと「マジソン群の橋」(95)のオーデイシヨンを受けたとか。もちろんこの役はメリル ストリープが演じましたが,フランス訛りの中西部に住む主婦だったら,クリント
イーストウッド演じるカメラマンのアプローチは変わっていたでしょうね。こう言うキャストの変更を考えると楽しいですよね。

一番最近会ったのは「しあわせの雨傘」(10)の時。ロスアンジェルスにある余り知られていないひっそりとして庭園のあるホテルで行われたのは彼女がどこでも煙草を吸うからだとか。眼鏡をかけて登場しましたが相変わらず居心地の悪そうな感じで,相変わらず雑な英語で話してました。
「ヨーロッパでたくさん仕事があるのにわざわざハリウッドに来るなんてとんでもない。それに私のアクセントでは役が限られていて,面白い役もないし」
と愛嬌ゼロで話してました。それも媚で売るハリウッドスターと大いに違って痛快でした。

2012年 最新のコメントを紹介しましょう。
2010  「しあわせの雨傘」
「私の母は今年100歳になります。今も独りでパリのアパルトマンに住んでブリッジを楽しんでますのよ。私が綺麗でいられるのは母からの遺伝要素が多大な原因です。母は昔から私たちに太陽を避けること,それから水をたくさん飲むこと,と諭してました。それを真面目に守った私も100歳まで生きるかも。でも煙草を吸うので駄目かも知れませんね」

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