BILL MURRAY

 BILL  MURRAY


ビル　マレーはハリウッド　ナンバーワンの奇人と言っても良いでしょう。

映画の上からもかなり彼のユニークなお人柄が覗いて見えると思いますがまあ、会うとその他人を気にしない、ルールを無視する、名高いデッドパンDEADPAN（無表情のおかしさ、バスター　キートン BUSTER KEATON のおはこ）の効果、マイペース振りにびっくりすること請け合いです。

なにかに気をとらわれると、目前の義務はそっちのけでそのことばかりを真面目な顔でおかしく喋りだして、インタヴューの時間はなくなるわ、

スタジオの係は真っ青になるわ、

忙しい記者たちは「またやっている、いつまで続くビルの勝手気ままなパーフォーマンス！全く記事にならない！」とぼやくのでした。


最近のインタヴューではデスクの上のキャンデイーを数え出し、はい、あなたには３つあげましょう、なんておままごとのようなことを始めてましたし。


共演者は彼に「マリケーン」MURRICANE というニックネームを付けたそうです。ハリケーン HURRYCANE の嵐のように次の動きが全く予測できず、彼のムードがアップになったり、ダウンになったりと、その感覚と幅が広くて、面白い相手だけれど手こずることも多い、という意味合いなのです。


１９５０年９月２１日、イリノイ ILLINOI 州のエヴァンストン

EVANSTON に生まれ、父親は材木業、母親は郵便局に勤めていました。

アイリッシュ系でカトリック信徒の両親だったので、ビルは９人姉弟のひとり。

医師を目指してコロラド州の医大に進んだものの、読まねばならぬ本の量、ハードワークの勉強に圧倒されて両親のもとに戻ってしまった、という素直というのか、勝手な性格がよく分かります。


兄上がメンバーだったシカゴの喜劇団、セカンド　シテイー

SECOND CITY に入団、子供の頃から人を笑わせるのが大好きだったビルは本領を発揮、生涯の友となるダン　アクロイド

DAN AYKROYD と出会ったのです。


７７年から土曜日夜のTV生番組「サタデー　ナイト　ライブ」SATURDAY NIGHT LIVE に出演して人気を博し、ここから多くのスターが巣立ったようにビルも映画に移行。

「ゴーストバスターズ」GHOST BUSTERS（８４）では先のダンと組んで大ヒットとなり、「ゴーストバスターズ２」（８９）と続きました。


サマーセット　モーム SOMERSET MAUGHAM が１９４４年に原作を出版、１９４６年に映画化の運びとなってタイロン　パワー TYRON POWER が主演した「レイザーズ　エッジ」RAZOR'S EDGE のリメークにビルは挑戦、それが「剃刀の刃」（８４）で、自ら、脚本も書き、企画、制作、主演を手がけたパッション　プロジェクト （情熱を注ぐ企画）となりました。資金繰りのために「ゴースト・バスターズ」に主演するという契約もして、「ゴースト」は大ヒット、「剃刀」は全く売れずという事態に。

すっかりハリウッドに失望したビルはフランスのパリに移住してソルボンヌ大学で哲学を学んだり、家族との時間を大事にしたりしていました。この彼の行動は「剃刀」の主人公をなぞったものでもあります。


通常のタレントはパブリシスト PUBLICIST やら、マネージャー、エージェントなどを雇って連絡係の任務に当たらせますが、ビルはそういう人を雇わず、全て自分で取り締まるため、長期の休暇などに出ていると全く連絡が取れず、しかし当人は全く気にしないというパターンで知られています。


最近はやはりエキセントリックな監督、ウエス　アンダーソンWES ANDERSON のレギュラーとなって「ザ　ロイヤル　タネンバウムズ」THE ROYAL TANENBAUMS （０１），「ムーンライズ　キングダム」MOONRISE  KINGDOM（１２）

「ザ　グランド　ブタペスト　ホテル」THE GRAND BUDAPEST HOTEL （１４）などなどに顔を出しています。


ソフィア　コッポラ SOFIA COPPOLA が日本でゲリラ撮影をした「ロスト　イン　トランスレーション」LOST IN TRANSLATION （０３）では、まだ駆け出しのスカーレット　ヨハンセン SCARLETT JOHANSON を相手にベテランで仕事に飽いた俳優を好演。

東京でウイスキーのコマーシャル撮りに出ている時のビルが表情はもう最高です。売れなくなったベテラン俳優が、コマーシャルからの収入を得るためにはるばる日本まで来て、無念なるかな！の顔。

ゆとりのリッチな紳士がウイスキーを楽しむ至福の時！という演技が又、これまで実際にコマーシャルに出て来た俳優たちを彷彿とさせておかしいやら、片腹痛いやら。


１９８１年にマーガレット　ケリー MARGARET KELLY と結婚、ふたりの息子が生まれますが９６年に浮気が原因で離婚、９７年、その浮気の相手、ジェニファー　バトラー

JENNIFER BUTLER と再婚して、４人の息子を設けますが、またもやの他の女性との浮気、ドラッグ、などなどが理由で０８年に離婚しています。

敬虔なカトリック教の家に育って、浮気した相手と再婚したり、合計６人息子ばかり、というのも何となく周囲の思惑など、どこへやらのビルらしいではないですか。


ロスアンジェルス、マーサズ　ヴィネヤード MARTHA'S VINEYARD （マサチューセッツ州）、チャールストン

CHARLESTON （サウス　カロライナ州）パリセーズ（

PALISADES ニューヨーク州）と全米の美しい４箇所に家を持って、シカゴのプロチーム（特に大リーグのカブス CUBS

の熱狂的ファンで映画の契約書にカブスの大試合がある時は仕事を休んで試合の現地に行く、と要求する条項を入れるそう）、などなど自分の好きなことを自由奔放にやってしまうそう。

おまけにゴルフ狂で、色々なプロアマトーナメントなどに出場してはコミカルな行動をとったり、おなじみのデッドパンの表情を浮かべて自分のボールの行方など眺めています。


最近はますます奇人度が増して、インタヴューをしてもまともに答えてくれず、聴いている時は楽しくとも、後で原稿にする時には四苦八苦、これがビジュアルなテレビ用なら娯楽要素たっぷりでヨロシイのですが。




　
若い頃のビル。
最近のビル



上のツーショットとちょっと違う表情をしています。

キャンディーをいちいち数えて、ワタクシにくれました。

２度目の夫人、ジェニファーと。


９３「恋はデジャブ」

２００３「ロスト　イン　トランスレーション」のウイスキーのCMのシーン

２００１「ロイヤル　タネンバウムズ」

２０１２　フランクリン　ルーズベルト大統領役

１９８４「剃刀の刃」キャサリン　ヒックス　と。

ワタクシの大好きな「ザ　グランド　ブタペスト　ホテル「

１９９３「恋はデジャブ」お天気アナウンサー役

１９８９

２０１４「グランド　ブタペスト　ホテル」

２００３

２００３「ロスト　イン　トランスレーション」CM 撮影シーン

１９８４「剃刀の刃」

１９９３「恋はデジャブ」

２００３「ロスト。。」スカーレット　ジョハンセン　と。

１９８４






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