HAMILTON
HAMILTON
今でこそ「ハミルトン」は画期的なヒットのミュージカルとして、有名ですが5年前に初めてブロードウェイの舞台の登場した頃は「えー、ほとんど黒人の俳優たちがアメリカ建国の政治家などをラップ音楽で歌って、踊っての舞台!」
とびっくりするやら、疑心暗鬼の目で見たものでした。
すぐに大人気を博し、切符にプレミアが付いて何百ドルも払ったり、コネを通して買うしかない、などと「ハミルトン」を観劇するのは「巨大な特権」となって、私達はただただ遠くから、いつ見ることが出来るのだろうかなあ、とあきらめの気分だったのです。
そして遂に映画化の運びとなりました。
最初は2021年の10月15日に公開予定でしたがコロナ菌に苦しんでいる人々へのプレゼントとしてデイズニーはケーブルテレビでの放映を決めて、今年の7月3日に全国で放送されたのです。
ちょうど7月4日の独立記念日を祝うタイミングに合わせるという絶妙のアイデアでした。
それからしばらくは、いつでも「ハミルトン」が見られると他の映画やらテレビばかりを見て、やっと数日前に鑑賞。
いやあ、そのダイナミックな踊りと速いスピードの展開、ラップと言うのか、ヒップホップの曲の言葉をみんな、しっかりと発音するので、何を言っているのかよく分かりますし(今、流行っているヒップホップの歌は何を言っているのかほとんど分かりません)、時たま、ロマンティックなバラード曲も入って、目まぐるしくも、心に訴えるユニークなミュージカルと発見しました。
実際の舞台を見たらさらなる迫力があったでしょうが、クローズアップがある映像ですと頻繁にツバキが飛ぶ買う場面が見られて、これもまた凄い迫力なのです。
アレキサンダー ハミルトン ALEXANDER HAMILTON は 1755年または57年生まれ、弁護士を経て政治家へ、初代大統領、ジョージ ワシントン GEORGE WASHINGTON 等と一緒にアメリカ建国の父達のひとり、1804年 47歳、または49歳の時に決闘で銃弾を受けて翌日亡くなりました。人々の話では、ハミルトンは空に向けてピストルを発射、しかし決闘相手の副大統領のアーロン バー AARON BURR はしっかりと相手の胸を撃ち抜いたそう。
出ずっぱりの主演、脚本、作曲、作詞を手がけたリン マニュエル ミランダ
LIN MANUEL MIRANDA には何度かインタヴューしましたがこの舞台を見て改めて彼の才能に仰天、実際に会うと全く「オーラ」のない、普通の人なのに、これだけの作品を自分で創作してしまう意欲とエネルギーに脱帽。
リンは6年間かけて「ハミルトン」を創作、2013年にニューヨークの名門大学、ヴァッサー カレッジVASSAR COLLEGE で初上演、15年2月17日ににオフ ブロードウェイの舞台へ、同年の8月6日にオン ブロードウェイに進出、翌年のトニー賞では16部門でノミネート、11個受賞、という快挙を成し遂げました。
映画上映が「ブラック ライヴス マター」というスローガンの黒人運動とぶつかったため、リンは「当時の奴隷制度をどう思うか?」などとちょっと突き上げられましたが
彼は冷静に
「僕は6年間以上かけてアメリカ史からこのドラマを有色人種で演じるというアイデアを作り上げてきた。これだけでも僕の黒人に対する意識が通じると信じている」
と答えていました。
ラファイエット公爵 MARQUESS DE LAFAYETTE を演じているデーヴィード デイッグス DAVEED DIGGS にも数回インタヴューしていますが「ハミルトン」でトニー賞からグラミー賞にノミネートされて、ちょっと歌を披露して下さいと頼んだ時に、「いや、僕は歌手ではないから」と拒絶されてちょっと鼻白んだ経験も思い出したり。
ハミルトンの妻を演じる中国系のフィリッパ スー
PHILLIPA SOO の美しいソプラノ(以前にミュージカル「アメリ」AMELIE (16)で主演した時に観劇して舞台裏で会ったことがあります)、英国王ジョージ3世役のジョナサン グラッフ JONATHAN GRUFF のコミカルな歌と動き、レスリー オドムス ジュニア LESLIE ODOM JUNIOR のシャープなタイミングと存在感、登場人物全員の熱血パーフォーマンス。
加えて華麗な衣装に人物を活かした舞台装置と最初から最後まで2時間半の上演(上映)を楽しみました。
主役のハミルトンを演じる リン マヌエル ミランダ ミセス ハミルトンを演じるフィリッパ スー
レスリー オドム ジュニア |
リン マヌエル ミランダ と国王役のジョナサン グラフ |
ダヴィード デイッグス |
ハミルトン夫妻。 |
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ダヴィード デイッグス |
ダヴィード デイッグス |
ダヴィード デイッグス |
リン マヌエル ミランダ |
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