RICHARD HARRIS IN JUGGERNAUTS
先日、8月24日にリチャード ハリスの息子 JARED HARRIS のお誕生日があってフェースブックに彼の写真を載せましたら、父御のリチャードの映画で一番印象に残っているのは「ジャガーノーツ」JUGGERNAUTS とあって、早速古いDVDを取り出してきて、ゆっくりと鑑賞。
74年制作ですから映画のエネルギーがもっと粗野で、ワイルド、豪華客船に仕掛けられた数個の爆弾を爆弾専門家のリチャード ハリスとその仲間がいかに解決するか!!血湧き肉躍る、スリルとサスペンスにあふれた作品でした。
「ジャガーノート」という言葉は日本語の訳になく、「絶対的な力」と言った意味で、この映画では爆弾を仕掛けた男の「コードネーム」にも使われています。
船長は「アラビアのローレンス」LAWRENCE OF ARABIA(62)「ドクタージバゴ」DOCTOR ZHIVAGO (65)のオマー シャリフ OMAR SHARIF、自分の部屋にセクシーな女性(シャリー ナイト SHIRLEY KNIGHT)を連れ込んだりして、かなりいい加減な航海の雰囲気から始まって、次はおなじみの嵐に見舞われ、お客様がげーげーする場面、そして、爆弾男、ジャガーノーツからの電話で行楽気分は一転、スコットランドヤードやら政府の高官がロンドンで話し合うのですが、特別刑事役に若々しいアンソニー ホプキンズ ANTHONY HOPKINS が登場してたり、イアン ホルム IAN HOLM などと懐かしい顔が出てきます。
リチャードのチームは飛行機からパラシュートで海に落下してから船に乗り込み、休む間もなく、爆弾に向かい、ロンドンのエキスパートと会話を続けながら細かい作業を続け、カメラワークから察したとおり、相棒のデイヴィッド ヘミングス DAVID HEMMINGS が木っ端微塵に吹き飛ばされ、リチャードはやけ酒をラッパ飲み。
シャリフ船長が色々となだめます。
こういう荒削りなプロットがいかにも当時の大人の男たちの生態を見せてくれて、何やらホッとしたり、苦笑いをしたり。
数秒を争う爆弾トラブルだと言うのにリチャードは悪漢に金を払って解決しろ! などロンドンの高官たちに吠えまくるのも愉快な限り。
ともかく、実生活でアル中で暴言を吐くので悪名高かったリチャードがこの役を演じるとリアル度が相乗効果で上がって、うーむ、凄い配役だ!と感心してしまうのでした。
リチャード ハリスは2度結婚していますがどちらも大美人でこういうヤクザっぽい態度のニヒルなハンサムはモテるのだなあとこれも感心。
最初の奥方はエリザベス リース ハリス ELIZABETH REESE HARRIS (結婚期間57−69)、貴族の家柄の出身、2番目はアン ターケル ANN TURKEL というアメリカ人のモデルにして女優で1974年から82年まで結婚していました。
エリザベスはリチャードと離婚後 英国スター「セクシー レクシー」SEXY REXY と呼ばれたレックス ハリソン REX HARRISON と再婚しています。
どうでも良い横道のお話、リチャードの弟、ダーモット ハリス DERMOT HARRIS はカサンドラ CASSANDRA というオーストラリア出身の美女と結婚、離婚後にカサンドラは007スターのピアース ブロスナン PIERCE BROSNANNと結婚(80)しますが、ガンのために91年に43歳の若さでなくなっています。
リチャードには3人の息子、ダミアン DAMIAN(58年生まれ)、ジャレッド JARED(61年生まれ)、ジェイミー JAMIE (63年生まれ)がいて、それぞれ、どの程度まで父親の性格やら、レガシーをついでいるかも興味深いリサーチになりそう。
ジャレッドのことはこのブログにも書いていますのでお読みになりたい方は検索して下さい。
「ハリポタ」(01)のダンブルドーア DUMBLEDORE の役を親友のピーター オトール PETER O'TOOL に継いで欲しいというリクエストはオトールの健康もあと、数回の続編が終わるまで持ちそうもないと心配され、マイケル ガンボン MICHAEL GAMBON が継いだといういきさつも加えておきましょう。
以前にリチャードのことを書いたページを載せておきます。
RICHARD HARRIS
“ 姪や甥っ子の為にこの役を受けたのですよ。原作?そんなもの読みません。脚本だけで充分です。”「ハリーポッター」第一弾 「賢者の石」(01)で魔法学校の校長先生の役(みんな変な名前で 覚えていられません)を得た時に会う機会があって 既に71歳だったリチャード ハリスは “がきの本など読めるか” と言うトーンでしらばくれていました。この会見はロンドンのサヴォイホテルで行われ ハリスはここのレジデンス ウィングに住んでいて 毎晩となりのバーでぐびぐびしていたそうな。
何しろアイルランドのライムリックに30年に生まれ ラグビーの名選手だったハリスは同じアイルランド出身のピーター オツールと同様 血管にアルコールが流れているような人生飲まずにしてやっていけるか!と言う古き良き時代の役者 いやアイリッシュ メン全員のパブ ライフこそ命と言う生活を送ったと言えましょう。
“ このあいだトム クルーズを見かけたが まあその小さい事!大男のボデイーガードに囲まれて まさに小人だったね。コミカルな光景だったよ。いやだね。ボデイーガードを連れていなければ 外に行けないなんて。その昔 ジェイムス キャグニーは一人で荷物を持って駅にたどり着いて 迎えにいった僕とそのままパブに直行してやんやと愉快なときを持った。最近の役者ではラッセル クロウがいいね。何度か一緒に飲んだがラグビーの話から人生観までいや 話がうまくて 色々良く知っている。”
とまるで私たちもパブに同席しているような気分にしてくれたものです。
「孤独の報酬」(63)原題は 「THIS SPORTING LIFE」では北アイルランドを舞台に頑固なラグビー選手を演じて アカデミー賞の候補になり 初主演の快挙、それからも独特の反抗的な表情とセクシーな外見で英国映画にとどまらず ハリウッドでも人気スターとなって 「ダンデイー少佐」(65)(前にチャールトン ヘストンのページで紹介しました。)や「カサンドラクロス」(76)「許されざるもの」(92)などなどたくさんの映画に出ています。「キャメロット」(67)では歌と言うより モノローグのような歌い方で王様役を手がけ 前に書いたようにテレンススタンプは あんなのなら俺の方がまし と歌手ではないから役を退いた事を悔いてました。この映画の主役陣、ヴァネッサ レッドグレーヴ、フランコ ネロなどみんな歌が大した事がなく それでもミュージカル映画というあたりがおかしいです。
「ザ フィールド」(90)は1930年頃のアイルランドの土地への執着をぶつける(又もやの!)頑固じじいの役で激演。監督はジム シェリダンですから アイリッシュの血がむんむん たぎるギリシャ悲劇のような映画でした。
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2001 「ハリーポッター 第1巻 賢者の石」 |
「ハリポタ」のすぐ後 2002年10月25日 悪性リンパ腫のためロンドンで亡くなりましたが息子のジャレッドは目下ハリウッドでちょっとひねくれたタイプの性格俳優として親父の延長をたどっています。
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この人を喰ったような顔つきが曲者です。 |
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ワイフのエリザベス とおそらく長男のダミアンと次男のジャレッド。 |
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「ジャガーノーツ」David Hemmings と奮闘中。 |
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パラシュートで降りて、船によじ登る時。 |
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Jared and Richard Harris |
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同じアイリッシュで大の親友のピーター オトール と。 |
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ツーショットなど嫌だねー!という表情です。 |
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3人の息子たち、右端がジャレッド |
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爆弾に挑戦しているリチャード |
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2番目のワイフ、アン ターケル と。 |
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「ハリポタ」の子供たちと。ルパート グリント、エマ ワトソン、ダニエル ラドクリフ |
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2番目のワイフ、アン |
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「ジャガーノート」からお得意の表情です。 |
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2番目のワイフのアン。 |
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クリスマスか何かの時の家族風景 |
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「ジャガーノート」船長のオマー シャリフ と。 |
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毎日100回ぐらいしていたかと思われる乾杯。 |
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ハリス3兄弟、左から、ジャレッド、ジエイミー、ダミアン |
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「ジャガーノート」の若々しいアンソニー ホプキンズ |
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