CHRIS ROCK 2024

 CHRIS  ROCK  2024


2022年のオスカー受賞式で、3回目の司会をしたクリス ロック。ウイル スミス WILL SMITH からばーんとビンタを受けて、会場も視聴者も大ショック。忘れられない場面です。その後、クリスはずっと司会役を断って来ていますし、大きなイベントでの司会役を引き受ける大物コメディアンは、今、ほとんど居ないという困った状況になってしまいました。

さて、この2月7日に59歳になったクリスの新作、「ラステイン」RUSTIN (23)は、マーテイン ルーサー キング牧師 MARTIN LUTHER KING のブレーンの一人、バヤード ラステイン BAYARD RUSTIN が1963年の黒人市民権を得るためのマーチを成功させた実話に基づくドラマで、ロイ ウイルキンズ ROY WILKINS (1901−1981)という社会活動家の役を演じています。髪もひげも真っ白にして出て来ますが顔のメークが薄いせいか、何となくしっくりこない、おかしな存在だなあと思ってしまいました。
本人は歴史的な黒人のドラマに参加したかったのでしょう。クリスの人気も映画製作で必要だったのでしょう。出演者や制作者をサポートする気概もあったのでしょう。

クリスが登場した場面ではちょっとびっくり。コメデイーっぽい空気が身に付いていて、他の観客も息を呑んでいました。しばらく見ていると、ああ、これはシリアスな演技をしているのだな、と分かってきますが。

このラステインを演じているコールマン ドミンゴ COLMAN DOMINGO (1969年11月28日 フィラデルフィア生まれ)が素晴らしくて、この映画のレベルをぐんと上げています。舞台俳優でもあるコールマンはこの役で初めて、今年のオスカー主演男優候補に選ばれました。

もう一人、今年のオスカー候補 (「アメリカン フィクション」AMERICAN FICTION(23)という映画の主役で)の俳優、ジェフリー ライト JEFFREY WRIGHT も顔を出していて、彼が危機の際の駆け引きの場面を鋭く締めています。

どれも黒人がメインの作品で、とびきり興味深い内容ですから、機会があったらぜひご覧下さい。









2023  RUSTIN での老けメークのクリス ロック。




2023 コールマン ドミンゴ

クリス少年時代。


若いときのクリス。


クリスと母上。

クリス小学校のグループ写真

クリスと家族。

2022年オスカー、ウイル スミス がクリス を引っ叩いているところ。




2015年のページから。

小さい頃からリチャード プライヤーやエデイー マーフィーなどの黒人喜劇スターに憧れて、彼らの真似をし、もともと他人を喜ばすのが何よりも好きという生まれつきの性格もあって、学校の人気者から、プロの世界へスピーデイーに出世し、テレビ喜劇番組の登龍門「サタデー ナイト ライヴ」のレギュラーとして75年から3年間、お茶の間を笑わせ、映画のデビューは「ビバリーヒルズ コップ 2」(87)でした。
昨年(14年)は「トップ ファイヴ」と言うロマンテイック喜劇映画を製作、脚本,監督、主演という挑戦をし、それなりにヒットしましたし,批評家賞にノミネートされてます。

1965年2月7日 サウス カロライナ州のアンドリューズにトラックの運転手の父親とハンデイキャップの生徒の先生を母親に生まれましたが、育ったのはニューヨークのブルックリンです。クリスは牧師の祖父を見てコミカルなパーフォーマンスを覚えたと言ってます。

ちょうど賞シーズンなのでクリスの事を12月20日発売のキネマ旬報1月上旬号に書きましたし、次の号の為に今度はゴールデン ブローグ賞の司会4度目のリッキー ジャーヴェイの紹介をする予定です。
オスカー賞はアメリカ人をターゲットにしていますから、クリスの際どいジョークが受けますし、喜ばれますがゴールデン グローブ賞は外人記者の団体ですので、コミカルな味がちと違って,よりドライで、ほとんど痛い様なジョークを連発するリッキーの方がグループの温度にあって居ると言えましょうか。

クリスの強みは黒人ですからわざと黒人をネタにした痛烈なジョークを弾丸のように放っては、自己虐待の効果を狙うのです。
と言う訳でキネマ旬報でクリスの記事をお読み頂けると嬉しいです。


2014年のページから。

クリス ロックが制作,脚本,監督,主演した「トップ ファイヴ」(14)は,アクションスターから脱皮しようと深刻なドラマに主演する俳優の話で,もちろんクリスが主人公を演じるのですが,ほとんど彼自身の半生に近いストーリーです。
黒人喜劇映画を劇場で見ると黒人の観客が大声で,足を踏みならしてスクリーンの登場人物達に声援を送ったり,危ない状況に差し掛かると「気をつけろ!」などと呼びかけたり,セクシーなシーンになると「ウオー!俺らもやりたいー!」などとやっかんだり,映画と合体して凄い騒音を立てて見るのです。今回も一般の観客(と言っても特別に招待された)を一緒に見て,激しく応援してました。

クリスはアカデミー賞授賞式の司会(2005年,第77回,この時彼が調子に乗ってオハコの人種差別の毒舌を言い過ぎるのではないかと懸念されました)を手がけた数少ない黒人コメデイアンで、機関銃のように発射されるダーテイー トークで人気があります。リチャード プライヤーやエデイー マーフィーに続くベテラン。
1965年2月7日にサウス キャロライナ州のアンドリュースにジュリアス クリストファー ロック3世として生まれ,父親はトラックの運転手,母親は精神問題児の学校の先生,生まれて間もなくたってニユーヨークのブルックリンに移ったそう。

コメデイアンとして頭角を現した頃は
「マンハッタンでタクシーを捕まえるのは不可能だった。だから自分で運転して仕事に行ったものだった。今は歳を取って安全な黒人に見えるからか,タクシーの運転手が平等精神を持ち始めたのか,タクシーが停まってくれる。
この映画で主人公のアルコール中毒が大きな障害になるが,実は弟がアル中で死んでいるんだ。喜劇のもとは悲劇、と言うが痛みを感じてこそ,笑いがつのる。
僕だってアカデミー賞級の映画に出たい。「それでも夜は明ける」(13)の主人公の奴隷役なんてやりたかったし,今年の「フォックスキャッチャー」のステイーヴ カレルはどうだい!喜劇スターなのに凄いメークでおっかない金持ちの男を激演しているだろう。僕も深刻なドラマに出たいよー! 僕の映画でもっとも成功したのはアニメの「マダガスカル」の声の出演なのだから」


と大泣きするふりをするのが,何ともおかしく,それでいて、クリスの痛恨の本音が痛い程感じられました。

彼の選ぶ5大喜劇映画は
「ナッテイー プロフェッサー」96(エデイー マーフィー)
「ブロードウエイ ダニー ローズ」84
「スーパーダッド」07
「サウス パーク」08
「ボーラット」06
とハチャメチャで不思議な嗜好を見せてます。





2014  TOP FIVE









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