ANTHONY ANDREWS

ANTHONY   ANDREWS


アンソニー アンドリューズは、当時としては圧倒的豪華な英国産テレビシリーズだった「ブライズス ヘッド」(81)で貴族の家に生まれ,オックスフォード大で遊び呆け、遊蕩息子の限りを尽くしたロード セバステイアン フライトをこの俳優を置いて他に無し!と言う程にヴィヴィッドに演じたイギリスの俳優です。
エヴェリン ウオーの原作の偉大な戦争と呼ばれる第1次大戦後の崩壊して行く貴族社会の華麗にして,悲劇的なストーリーは大河ドラマに持って来いでした。
主役のチャールズ ライダーはタイトルも財産も無いアッパーミドルクラスの息子で,その時は水も滴る美男子のジェレミー アイアンズが凛々しく演じてます。彼の父親は格調だけは凄いジョン ギールグッドが演じ、セバステイアンの女たらしの父親,ブライズス ヘッドの公爵はローレンス オリヴィエ,その夫人でカトリック教の熱狂的支持者(屋敷の中にチャペルがあるほど)をクレア ブルームが演じ、と書いているだけでも仰天の豪華キャストでした。
1981「BRIDES HEAD REVISITED 」   Lord Sebastian Flyte





1992「ザ ジュエルス」アネット オトウールと。
今のアンソニー アンドリューズ

「おそらく英国テレビ史上最高の予算を使ったと思う。今では考えられないスケールで2年間もかけて撮影をしたのだから」
とアンソニーは後に述懐しています。

1948年1月12日にロンドン生まれたアンソニーは,BBCの指揮者の父親とダンサーの母親のものに生まれ,8歳からダンスを習うという文化的な家庭だったようです。あの炭坑夫の父親に隠れてバレーを習う「ビリー エリオット」と大違い!
非常に内気な少年だったのがとある教師に舞台を勧められ,別人になると何でもはっきりものが言えるという発見をし、演劇のレッスンに励むのでした。
1968年に「フォーテイー イヤーズ」と言う舞台劇でジョン ギールグッドが教頭,アンソニーは20人の生徒の一人に選ばれ,彼の舞台熱が高まります。
「ロミオとジュリエット」などの古典劇に出て,マギー スミスと共演したり,テレビでは持ち前の貴族的容貌を活かした役,サー ウオルター ローリーなどなどを演じ,例の「ブライズス。。」では最初主役のチャールズの役をオファーされたそうですが,どうしてもセバステイアンを演じたいと頼んだそうですが、今見てもアンソニーの甘ったれた顔つきがぴったりで、同時にジェレミーにとってもチャールズの役から人気が出たわけでふたりにとっては,ベストのキャステイングだったと言えます。
翌年の82年にはテレビドラマ「レミングトン ステイール」の主役が舞い込みますが,アンソニーは断り,ピアーズ ブロスナンが演じて,この役から彼はジェイムス ボンドへと進展するというラーッキーなものになったのです。
アンソニーはあまりハングリーなタイプではないようで。
「スカーレット ピンパネル」(紅はこべ...道ばたに咲く質素な花の名を付けると言うウイット)の衣装ばかり派手な,英国貴族が隠れて,金持ちから盗んだ金や宝石を貧しい人に上げるという主人公や,甘いロマンスドラマ「ジュエルス」(92)でのアメリカ人の女性(アネット オトウール)と恋に落ちる英国の公爵,などと言う少女漫画の貴公子のような役ばかり手がけますがこれも又誰にでも出来る役ではありません。チャールズ ブロンソンが紅はこべなど演じたら,妙なコメデイーになってしまうでしょうし。

乗馬が趣味と言うアンソニーはロンドンのピカデリーにある大デパート,シンプソンズの跡取り娘と結婚し,3人の子供をもうけ,アン王女と親交が会ったり,もろもろのチャリテイーに忙しいと言うエレガントな暮らしをしているようです。

前に紹介したテレビシリーズ「ケンブリッジ スパイズ」(2003)では国王ジョージ6世を演じ,最近では「英国王のスピーチ」(2010)でのスタンリー ボールドウィン首相と相変わらず,ノーブルなアッパー クラスの紳士役を楽しんでいる様子。

俳優としてあくせくする道を選ばず,鷹揚に,格調高い生活を送るアンソニーの生き方も又素敵ではありませんか。

Comments

Popular posts from this blog

IGGY POP

DEVON AOKI

ADAM LAMBERT