STEVE CARELL 2018

STEVE   CARELL    2018

ステーヴ カレルが実在のプロテニス選手、ボビー リッグスの扮して、テニス界の女王、ビリー ジーン キングに挑戦する「バトル オブ ザ セックセズ」(17)が今、日本で公開中のようです。

何しろ器用な俳優で、喜劇にもドラマにも、するりと入って、見事な役作りを見せてしまう演技巧者、その割にはルックスが地味(鼻だけがやけに大きくて高いけれど)で、役柄がハンサムな2枚目というわけではないので、あまり知られていませんが。業界では大変に尊敬されている「ゴー ツー
ガイ」(なんでも上手にこなしてしまう便利屋さん)の存在です。

もっともショッキングな役は「フォックスキャッチャー」FOXCATCHER(14)でしょう。実在の大金持ちジョン デユポン(あのプラステイック製造王の財閥ファミリー)がオリンピック候補のレスリング兄弟のスポンサーになって、やりたい放題をして挙げ句の果てに兄弟を悲劇に追い込んでしまうという衝撃のドラマでした。

1988年ソウル五輪に向けて貧乏な兄弟(マークとデイヴ
シュルツ、マーク ラッファローとチャニング テイタムが熱演)を自分の邸宅に招き、自らコーチとなって彼らを訓練しては満足するリッチなジョン デユポンを、すでに大きな鼻をさらに大きくして、グロテスクなキャラクターでありながら、実在感たっぷりに怪演、アカデミー主演賞を筆頭に多くの映画賞の候補となりました。

ステーヴの人気はほとんど喜劇映画ですが、この作品でダークで、複雑な、常識はずれの中年御曹司を演じてさらなる尊敬を得たのです。

何度もインタヴューしてきましたが、常に「普通の人」という謙虚な姿勢を保って、ハリウッドの生活は特殊で、その場限り、架空のスペースと理解している頭の良い人、バランス配分の上手な俳優と言えましょう。

1962年8月16日、マサチューセッツ州のコンコルド生まれ、父御は電気技師、母御は精神科病院の看護婦、4人兄弟と育ちました。イタリー系の父御の名前は CAROSELLI
だったのを、短く、アングロ風の CARELL に変えたそうです。
オハイオ州のデニソン大では演劇に興味を持ったものの、ホッケー部のゴーリーとしても大活躍、運動神経が発達しているのは喜劇俳優の必須条件。転んだり、尻もちついたり、
ずっこけるタイミングが命ですから。

シカゴで喜劇の脚本など担当してから、05年の「40歳の童貞男」で初主役、英国産テレビシリーズのアメリカ版「ザ オフィス」(05)も大ヒットしました。

1995年に「サタデー ナイト ライブ」でインターンだった知的な美人女優のナンシーと結婚、現在息子と娘の二人の子供がいて、まるで保険会社の広告(陳腐ですが)のように幸せそうな家族に恵まれています。



ゴールデングローブ授賞式でナンシー夫人と。
アカデミー授賞式でナンシー夫人と。


最近の家族写真。



今年は「ビューテイフル ボーイ」BEAUTIFUL BOY        (18)という映画で、まさに旬の美少年のテイモテー シャラメ(「君の名前で僕を呼んで」)と父子を演じますが、ドラッグ中毒の息子との葛藤ドラマで、かなりヘビーな内容のよう。
その他にも5本ぐらい主演作が並んでいるという売れっ子であります。



2014「フォックスキャッチャー」ジョン デユポン 役                     大きな鼻をますます大きくしてグロテスクにしています。
2018「ビューテイフル ボーイ」テモテイー シャラメ。
2014「フォックスキャッチャー」チャニング テイタム と。
2014「フォックスキャッチャー」ヒゲの男性がマーク ラッファロ、裸がチャニング テイタム。
2017「バトル オブ セックセズ」ビリー ジーン キング役のエマ ストーンと。
2017 ボビー リッグス役。
2014 デユポン 役
2017「バトル。。。」での得意になっているボビー リッグス役。




2014「フォックスキャッチャー」

2010 「デート ナイト」
2006「リトル ミス サンシャイン」









一番最近のツーショット、2017     BATTLE OF SEXES


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