DIANE LANE 2015
DIANE LANE 2015
とびきり美人なのにどことなく悲劇的と言うのか,悲しさが漂うのがダイアン レーンではないでしょうか。他にも,先日紹介したジャクリーン ビセット,とか、シャーロット ランプリング,ジェニファー コネリー などなど。目のあたりに哀愁がこもっています。
ジェニファー ロペスなどと言った大胆不敵,勝ち組女番長たちとは180度の向こう側にいる寂しい美女たちです。
キネマ旬報に毎号,50歳以上のスター達を紹介して,もう263回目になりますが、6月下旬号(6月5日発売)にこの1月に50歳になったダイアンが登場します。
20回以上もインタヴューをして来たために、キネマ旬報に書いたのは,87年の「ビッグ タウン」の時のまだ22歳と若くて,なんでもしゃべっていた頃の話のみで紙面がつきてしまいました。
と言う訳で割愛した話をちょっぴり書きます。
1965年1月22日ニユーヨークに演劇コーチの父と「プレイボーイ」誌1957年の「ミス オクトーバー」になったモデル・女優の母のもとに一人っ子として生まれ,生後3週間で両親は別れてしまい,その後は夏休みの間合計7年間も世界中を回る旅劇団の子役として世にも稀な経験をしたり,劇団運営を止めた父が始めたタクシー運転手の助手席で勉強したり,小さい時から独立精神豊かに育ったのでした。
「リトル ロマンス」(79)ではローレンス オリヴィエと共演して,将来はグレース ケリーの様になるだろうと言われたり,「コットン クラブ」(84)と「運命の女」(02)と「最後の初恋」(08)で3本共演したリチャード ギア との変らない友情など幸せそうなエピソードもたくさんですが、
「ひとりでいる時間がないとバランスが取れない」せいか、
男性運には余り恵まれてません。
「私は本当に父親っ子で,どんな時でも父のドライで現実的な助言に励まされてきました。父はジョン カサベテスと一緒に演劇学校を初めて,父の周りには才能のある,優秀なアーテイストが大勢集まって,それは面白い環境でした。テニスボールが目に当たって,女優業を辞めなければならないかと憂えた時には「じゃあタクシーの仕事を交代でしようじゃないか,ウエイトレスだったて、けっこう面白い仕事だし」と全く、あわてたりしないのよ」
「プリテイー ウーマン」(90)ではリチャードと又もやの共演の筈がスケジュールの都合で断念,代わってジュリア ロバーツが役を演じ,彼女はその後歴史的スター街道を歩んだのです。
わたくしが大好きな動物映画,まずは「マイ ドッグ スキップ」(00)では優しい母親役で,小さい時から一緒に育った息子が大学に行ってしまい、代わりにジャック ラッセルのスキップの世話をして,ある時,老犬になったスキップが息子のベッドにジャンプして乗れなくなったのを助けるシーン,静かに眠るように死んで行くスキップを看取る時など今思い出しても涙が込み上げて来ます。夫役がケビン ベーコンで足が悪い為に色々とトラブルが連続の家庭で,チアリーダーのようなスキップとダイアンの母親の静けさが心に沁み渡る映画でした。
もうひとつは「セクレタリアート」(10)。1973年の全米競馬のトリプル クラウンとして有名なサラブレッドの当時としては珍しい女性オーナーを熱演してます。
「小さい時から馬だけは特別に好きだった。誇り高くて,人間の恐怖や不安をいち早く察知して,「馬のセラピー」があるって聞いたけれど,愛する馬と一緒にいると本当に気分が落ち着いて,癒されるのよ。
セクレタリアートがベルモント競馬場で見事に三冠を獲った時,地球が止まったと言われている程に全世界に人々がそれまでしていた事を止めて,固唾を飲んでレースを見つめたそう。私がはっきり覚えているのは,スポーツ イラストレイテッド誌の史上最も偉大な50人のアスレートの中に非人間として,たった一人,いえ1頭だけ選ばれた事。
私が演じた実在の女性にも会ったけれど,サラブレッドの家族の努力は大変なもので,「ファースト マンデー オブ メイ」と言うドキュメンタリーを見るとケンタッキー ダービーに出場する馬を巡っての家族やサポートシステムが見事に描かれています。
初めて乗った馬は私が4歳のときで,凄く背が高い馬だった。17ハンズも身長があったのよ。シャンペーンと言う名前で私の最初の恋人だったわ。
私は自然が大好き。ジョッシュ(ブローリン,当時の夫)は大の馬好きで,チーフと言う名の馬を持ってます。アメリカのクオーターホースで充分,サラブレッドになど乗れません。サドルの下でロケット発射するような馬達ですもの」
「運命の女」(02)でアカデミー賞にノミネートされたのを一番喜んでくれたのは父親だったと言ってました。
「私は父の商品だったと言ったら良いかしら。愛情と鞭と栄養をたっぷり与えてくれて、質の良い女優になるように育ててくれたから,アカデミー賞は最高の報酬だったのね。私も父の期待に添いたいと夢中で働いて来たのですもの」
最近はスーパーマンの育ての母親役(父親はケビン コスナー)など、成熟した,優しい女性の役が多くなって、ダイアンの表情もソフトな輪郭を見せて来ました。
まもなく「トロンボ」(15)と言う映画で1940年代にハリウッドの「アカ」と言うレッテルが付いて村八部にされたダルトン トロンボの妻の役を演じます。ダルトン役はブライアン クランストン。何となく期待出来そうなハリウッド内幕ドラマになりそう。
とびきり美人なのにどことなく悲劇的と言うのか,悲しさが漂うのがダイアン レーンではないでしょうか。他にも,先日紹介したジャクリーン ビセット,とか、シャーロット ランプリング,ジェニファー コネリー などなど。目のあたりに哀愁がこもっています。
ジェニファー ロペスなどと言った大胆不敵,勝ち組女番長たちとは180度の向こう側にいる寂しい美女たちです。
キネマ旬報に毎号,50歳以上のスター達を紹介して,もう263回目になりますが、6月下旬号(6月5日発売)にこの1月に50歳になったダイアンが登場します。
20回以上もインタヴューをして来たために、キネマ旬報に書いたのは,87年の「ビッグ タウン」の時のまだ22歳と若くて,なんでもしゃべっていた頃の話のみで紙面がつきてしまいました。
と言う訳で割愛した話をちょっぴり書きます。
1965年1月22日ニユーヨークに演劇コーチの父と「プレイボーイ」誌1957年の「ミス オクトーバー」になったモデル・女優の母のもとに一人っ子として生まれ,生後3週間で両親は別れてしまい,その後は夏休みの間合計7年間も世界中を回る旅劇団の子役として世にも稀な経験をしたり,劇団運営を止めた父が始めたタクシー運転手の助手席で勉強したり,小さい時から独立精神豊かに育ったのでした。
「リトル ロマンス」(79)ではローレンス オリヴィエと共演して,将来はグレース ケリーの様になるだろうと言われたり,「コットン クラブ」(84)と「運命の女」(02)と「最後の初恋」(08)で3本共演したリチャード ギア との変らない友情など幸せそうなエピソードもたくさんですが、
「ひとりでいる時間がないとバランスが取れない」せいか、
男性運には余り恵まれてません。
「私は本当に父親っ子で,どんな時でも父のドライで現実的な助言に励まされてきました。父はジョン カサベテスと一緒に演劇学校を初めて,父の周りには才能のある,優秀なアーテイストが大勢集まって,それは面白い環境でした。テニスボールが目に当たって,女優業を辞めなければならないかと憂えた時には「じゃあタクシーの仕事を交代でしようじゃないか,ウエイトレスだったて、けっこう面白い仕事だし」と全く、あわてたりしないのよ」
「プリテイー ウーマン」(90)ではリチャードと又もやの共演の筈がスケジュールの都合で断念,代わってジュリア ロバーツが役を演じ,彼女はその後歴史的スター街道を歩んだのです。
わたくしが大好きな動物映画,まずは「マイ ドッグ スキップ」(00)では優しい母親役で,小さい時から一緒に育った息子が大学に行ってしまい、代わりにジャック ラッセルのスキップの世話をして,ある時,老犬になったスキップが息子のベッドにジャンプして乗れなくなったのを助けるシーン,静かに眠るように死んで行くスキップを看取る時など今思い出しても涙が込み上げて来ます。夫役がケビン ベーコンで足が悪い為に色々とトラブルが連続の家庭で,チアリーダーのようなスキップとダイアンの母親の静けさが心に沁み渡る映画でした。
もうひとつは「セクレタリアート」(10)。1973年の全米競馬のトリプル クラウンとして有名なサラブレッドの当時としては珍しい女性オーナーを熱演してます。
「小さい時から馬だけは特別に好きだった。誇り高くて,人間の恐怖や不安をいち早く察知して,「馬のセラピー」があるって聞いたけれど,愛する馬と一緒にいると本当に気分が落ち着いて,癒されるのよ。
セクレタリアートがベルモント競馬場で見事に三冠を獲った時,地球が止まったと言われている程に全世界に人々がそれまでしていた事を止めて,固唾を飲んでレースを見つめたそう。私がはっきり覚えているのは,スポーツ イラストレイテッド誌の史上最も偉大な50人のアスレートの中に非人間として,たった一人,いえ1頭だけ選ばれた事。
私が演じた実在の女性にも会ったけれど,サラブレッドの家族の努力は大変なもので,「ファースト マンデー オブ メイ」と言うドキュメンタリーを見るとケンタッキー ダービーに出場する馬を巡っての家族やサポートシステムが見事に描かれています。
初めて乗った馬は私が4歳のときで,凄く背が高い馬だった。17ハンズも身長があったのよ。シャンペーンと言う名前で私の最初の恋人だったわ。
私は自然が大好き。ジョッシュ(ブローリン,当時の夫)は大の馬好きで,チーフと言う名の馬を持ってます。アメリカのクオーターホースで充分,サラブレッドになど乗れません。サドルの下でロケット発射するような馬達ですもの」
「運命の女」(02)でアカデミー賞にノミネートされたのを一番喜んでくれたのは父親だったと言ってました。
「私は父の商品だったと言ったら良いかしら。愛情と鞭と栄養をたっぷり与えてくれて、質の良い女優になるように育ててくれたから,アカデミー賞は最高の報酬だったのね。私も父の期待に添いたいと夢中で働いて来たのですもの」
最近はスーパーマンの育ての母親役(父親はケビン コスナー)など、成熟した,優しい女性の役が多くなって、ダイアンの表情もソフトな輪郭を見せて来ました。
まもなく「トロンボ」(15)と言う映画で1940年代にハリウッドの「アカ」と言うレッテルが付いて村八部にされたダルトン トロンボの妻の役を演じます。ダルトン役はブライアン クランストン。何となく期待出来そうなハリウッド内幕ドラマになりそう。
2002「運命の女」 |
「マイ ドッグ スキップ」(2000)父親役のケビン ベーコンと |
2010 「セクレタリアート」 |
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