TAITUS WELLIVER

December 19, 2015

TITUS WELLIVER

タイタス　ウエリヴァー。全く名前を聞いた事がないでしょう。実は私も初めて耳にし,　最近初めて会ったちょっとひねくれた（その分，味わいのある）ベテラン俳優です。
ロスアンジェルスをアジトにLAPDの刑事として、執拗に犯人を追うハリー　ボッシュ　シリーズが終に「ボッシュ」と言う題名のテレビ映画となって、その役を演じる事になった俳優です。
原作者はマイケル　コナリー、私がほとんど全て読破した娯楽ベストセラーの小説家で、彼自身　ロスアンジェルス　タイムスの犯罪記者として活躍し，その為にヴィヴィッドで、リアルな描写でファンがたくさんいます。

ハリー　ボッシュの本名はヒロニマスと言って、有名なオランダの画家と同じ名前（Hieronymus Bosch )ですが誰もこの不思議な名前で呼ばす，ハリーで通っています。この画家のもの凄く細かい構図の絵を見ると何となく原作者コナリーの悪戯心が覗けます。オランダの画家（１４５０年ー１５１６年）の方は、そのファナテイックな想像画で有名で、一応刑事ボッシュの母親が彼の絵から息子の名前を取ったと言う背景もあるのです。

ハリーは上司の言う事なぞ全く聞かない俗に言う（と言うフレーズがおぞましいですが、一匹狼で，しばしばバッジを取り上げられたり，停職になったり，警察組織の汚職を摘発してうとまれたり、のパターンを繰り返して、前妻と娘との軋轢も絶えません。

さて演じる役者もタイタスと言うローマの皇帝の様な珍しい名前で
「僕の芸名かって？　こんな変な名前自分では付けませんよ!　親父がアーテイストなもので、僕の承認無しに勝手に付けてしまって。役者になってからは覚えられていると言うプラス要素はあるけれど」
と本人は至極ドライに話していました。
タイタスは長いこと脇役を手がけて来た俳優独特の白けた雰囲気とシニカルなコメントが多いいだけに，演じるハリーと似た所が多分にあると見ました。

原作の愛読者でしたから、同じく愛読者のパートナーと時どき、どうしてこれほどのベストセラーが映画にならないのだろうと疑問に思ったり，ハリーを演じるのはハリソン　フォードぐらいかしらね，ちょっと歳を取りすぎているけれど。などと勝手な配役をしていたものですが、やはり原作者の厳しいお眼鏡にかなうチャンスがなく、やっとテレビシリーズとして企画がパスし、演じる俳優も無名のベテランが良いと言う訳で、タイタスになったそうです。

タイタスは１９６１年３月１２日コネチカット州のニューヘヴンに風景画家の父親二ール　ウエリヴァーとファッション　イラストレイターのノーマ　クリップスとの間に生まれ、血筋は争えないものでまずは画家を目指します。ニユーク大では演劇を学び、現在も画家と俳優を両立させています。
映画では「モブスター」（９１）でアル　カポーネ役、「ゴーン　ベイビー　ゴーン」（０７）ではライオネル　コネリーと言う役など、テレビでも数々の脇役を演じて来てますが今回のハリー　ボッシュが初めての主役。
写真でご覧の通り，顔をちょっと斜めに構えるクセがあって,　これがハリーの曲者っぽさを強調していますが、住んでいる家が映画化の権利を売って稼いだ資金で建てた、と説明されているものの，余りにゴーカで，これはちょっと私たちのイメージと違います。まあ映像にする時にゴーカな方が見た目に良いという効果を狙ったのでしょうが。

私生活では現在の奥方が４番目だそうで，かなりのワイルドさも見せてますが、それぞれ違う妻との間に３人の子供もいる父親でもあります。