TOMMY LEE JONES

May 05, 2020

TOMMY LEE JONES

じゃがいもルックスにハーバード大卒優等生の頭脳の持ち主、トミー　リー　ジョーンズ　の事をこのブログに全く書いてないという仰天の発見！

日本ではコーヒーだか、清涼飲料のコマーシャルに毎度顔を出してため、そのど真面目な表情とコミカルなタイミングで、親しめそうな俳優として評判のようですが、ここ、アメリカでは「インテリにして、ニヒルなベテラン俳優」としてかなり距離を置いて、遠くから畏敬の念を抱いて眺めています。

「メン　イン　ブラック」MEN IN BLACK（９７）のとぼけた刑事役を除いて、トミー（と呼ぶのも恐れ多い気になりますが）の演じる役はオーソリテイーに溢れた大声で命令する　てなものばかり。
「逃亡者」THE FUGITIVE （９３）で無実の罪で逃げ回るハリソン　フォード HARRISON FORD を執拗に追う刑事の役こそ、彼のおはこの役柄の真骨頂でしょう。明確な滑舌で立て続けに命令を出し、部下たちを叱咤激励して、常に頭脳の焦点が定まっている親分、犯罪者に対する憎悪、ルールを守らない無いものに対する徹底的な仕打ち、職場でのもろもろの欲求不満、ハンサムなハリソンに対する嫉妬心も底にはある筈、このドラマは「ああ無情」とそっくりですから、トミーの刑事は、あの、ジャベール JAVERT と言えましょう。

何度もインタヴューしてきましたがお察しの通り、自分のことをくちゃくちゃ話すなど全くもって下らない、という態度で横柄ではないのですが、頑固な無口といいましょうか。

それでも時たま見せる優しい笑顔がとびきり可愛くて（こんな形容詞を見たら蹴っ飛ばされそうですが）女性たちはマッチョで、頭が切れて、判断力が鋭くて、ときおり見せるスマイルに魅了されるに違いありません。

代表作と言えば、前述の「逃亡者」に加えて「JFK」（９１）「タイ　カップ」COBB（９５），「スペース　カウボーイ」SPACE COWBOYS （００），処女映画監督（兼主演）作品の「メルキアデス　エストラーダの３度の埋葬」
THE THREE BURIALS OF MELQUIADES ESTRADA （０５）、「ノーカントリー」NO COUNTRY FOR OLD MEN（０７），そして最近は
ブラッド　ピットの父親を演じた「アド　アストラ」
AD ASTRA（１９）などなど。

１９４６年９月１５日　テキサス州サン　サバ SAN SABA に、石油業の父親と教師、婦警、美容院経営の母親のもとに生まれ、チェロキー　インディアン CHEROKEE INDIAN の血が混じっているそう。
成績優秀で名門高校に奨学金で入り、ハーバード大では有名な話ですが後の副大統領、アル　ゴア AL GORE とルームメイトで、最優秀の成績で卒業、在学中はアメフットでもガードとして活躍し、１９６８年の対エール大学戦では１６点の差をリカバーして逆転勝ち。
「アイビーリーグのスポーツ史上　最高の試合だった」と
トミーは後に自慢しています。
演劇部でも活躍、卒業して舞台へ、とテキサスの優等生としては珍しい道を進みます。

趣味は馬競技のポロと非常にハイソサエテイーで、現在はテキサスのテレルヒルズに３０００エーカーの牧場を持ち、他にも牧場がある他、ポロの馬用にアルゼンチンのブエノスアイレスにも牧場を持っているという趣味と不動産の実益を兼ねているスマートさ。ちなみにスペイン語はペラペラ。

現在の奥方は３度目で２００１年に結婚、元女優だったドーン　ローレル DAWN LAUREL 、
「妻が贅沢好きだから、稼いでも稼いでも追い付かないのだよ。妻の趣味はショッピングなのだから」
と彼らしい妻への「のろけ」など最近口走っていました。

インタヴュー場に彼が登場すると周りの空気が緊張して、ピリピリとしてきます。そういうパワーを持った人物の存在は貴重だなあ、とつくづく思うこの頃でした。