MARION  COTTILARD




「エデイット ピアフ 愛の賛歌」(「ラ ヴィ アン ローズ」)(07)の ピアフの役でオスカー主演女優賞を獲ったマリオン コテイヤールは実はとても大柄な体で
あの栄養失調で未発達のようなピアフを演じるために体重を落とし いつも体をかがめて小さくなっているような姿勢で演じたのです。大きなフィリップ セイモア ホフマンがオスカーを獲った小男のトルーマン カポーテイーの役と同じように上手な俳優達は体のサイズまで変えてしまうのですね。


レッド カーペットでは常に注目を浴びる豪華ドレスを着こなすマリオンですが 会見などには がっかりするほど センスのない洋服を着て来ます.不思議です。前に書いたジュリエット ビノシェも頂けないセンスでしたし あの偉大なるカトリーヌ ドヌーヴ(今度書きます)さえどこか外れたファシヨンで現れます.シックなフランスのテイストはどうしたのやら。
2007「エデイット ピアフ・愛の賛歌」


パリの近くのオーリアンと言う街に両親とも俳優と言う家庭に生まれ 彼女の他に双子の兄弟がいて その二人はともに彫刻家と画家と言う芸術一家に育ったのです。
16才の時 パリに移りテレビなどに出るチャンスを得て ルック ベッソンの「タキシー」(98)と言うコメデイーでのレースカードライヴァーのガールフレンドと言う役でブレーク。
アメリカでのデビューはテイム バートン監督の「ビッグ フィッシュ」(03)でユワン マグレガーやアルバート フィニーと共演、彼女の役はビリー クルーダップの妻でした。このあと英語を学びにマリオンは英国に渡ります。


最近のフランス女優はほどんど英語が堪能ですが男優のほうはまだまだ頑固にフランスで頑張っているのがおかしいですが。


そしてピアフの役の出現です。何百人と言われた候補者の中から選ばれ


“ 世界中に知られているピアフを演じる責任は巨大でしたが ずっと前から私はピアフをぜひ演じたいと言う執念をも持ってました。役作りの途中からピアフが私の体の中に侵入して来ました。夢の中で彼女と何回もミーテイングをしました。7ヶ月の撮影期間は私の人生の中で最高の楽しいときでもありました。これほど仕事から喜びを得られたなんて。女優になって本当に良かった!”


と会見で話していました。まだ英語はたどたどしかったのですが このあと見る見るうちに上手になったのです。
アカデミー賞を獲ったあとマスコミに “9/11の攻撃は政府の陰謀ではないかしら。
あんなに大きなビルが2個も崩壊するなんてどこかおかしい!” と言ったフランス人らしいかなり反米的なコメントを吐いて もの凄い勢いで糾弾されたのです。 特にアメリカの右翼サイドはこれをさかなに愛国キャンペーンを強調し,マリオンは急いで謝罪し しばらく彼女はフランスで静かにしていました。


「パブリック エネミーズ」(09)では悪名高き銀行強盗のジョン デリンジャー(ジョニー デップ)の妻を演じてしっかりアメリカン アクセントの英語の台詞をきめてました。この時の会見ではジョニーのフランス語が上手だけど ちょっとおかしい
でなことを披露したり アメリカの食べ物が好きともらしたり けっこうサービス精神に富んだ人気スターぶりを見せて ハリウッド参加の準備万端。


同じ年のミュージカル映画「ナイン」ではダニエル デイ ルイスの没頭役作りの凄さとジュデイー デンチの優しさと今だにセクシーに踊って歌う芸の高さに仰天したと
首を振り振り話してました。ゼスチュアが激しいタイプでもあります。


「ナイン」はフェデリコ フェリーニの「8 2/1」と言う63年の映画のタイトルの延長(?)でフェリーニがたくさんの女性に囲まれて
大いに困ると言うエピソードをコミカルに舞台劇にした作品を映画化したもので
ブロードウェイの舞台ではアントニオ バンデラスが、映画ではデイ ルイスが
フェリーニの役を手がけたのです。舞台も見ましたがバンデラスの方がラテン男の
悩んでいるものの どこか陽気な感じが出ていて あの超深刻なデイ ルイス
ではシェイクスピア悲劇のようで 大体そんなに大勢の女性に気軽に手を出すタイプに見えなかったと思いました。


「インセプシヨン」(10)では主役のレオナルド デイカプリオの妻と言う役でひっそりとした姿を見せてましたが SFスリラーのストーリーがよく分からず 彼女の存在も実はあまり印象に残りませんでした。会見ではほとんど訛りのない完璧なアメリカ英語で話してました。ヴォキャブラリーも豊富で時々 もっと適した言葉を探すために
2010「インセプシヨン」
つまづくのも彼女らしい完璧度を求める姿勢を見せてました。普通のアメリカ人ですと簡単な言葉でいい加減に済ませるのですが。





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