2002 「レッド ドラゴン」
EDWARD   NORTON




「真実の行方」(96)の証人台に立った聖歌隊の若者風 転じて残酷な殺人鬼の役で映画デビュー。ドラマもショックでしたが 無名の新人 エドワード ノートンの精神異常者の演技もショッキングでした。オーデイシヨンで話せもしない南部訛りを出来ると豪語し
受かると「歌え!ロレッタ愛のために」(80)というシシー スペイシックがロレッタ
リンを演じでオスカー賞をとった映画を何10回も見て訛りをマスターし、あの強烈な役をやってのけ 初めての映画で即 アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたのです。


この時25歳だったエドは 痩せてボーイッシュな顔の17歳ぐらいにしか見えませんでしたが会見の時はさすがに東部エスタブリッシュメントの裕福な家庭に育ちエリート教育(イェール大、コロンビア 演劇センター(6歳から14歳)などなど)を受けた英才らしく 正統派英語を使って 賢い青年の側面を見せていました。


“ ベビーシッターに劇場に行ってとせがんで 5歳頃から地元の舞台を何度も見て それを見た親はコロンビア センター フォア アーツという演劇スクールに僕が6歳の時に入れてくれた。初舞台は8歳の時でデイナー シアターでの「アニー ゲッツ ユア ガン」だった。それからピーターパンなども演じたが10代になって自意識が出始め
大学に入ってから 再び演劇熱が戻って歴史を専攻しつつ 演劇科にも加わり 日本語の学科にも入ってね。”


という訳でエドは “おーさかで祖父の仕事を手伝いつつ 大好きなマーシャルアーツにも励んだ” 経験があり “ おーきに!”などと関西弁を流暢に操るのでした。


その祖父はジェイムス ラウスといって タイム誌の表紙を飾ったほどのディベロッパー
の名士で 父親は連邦検事 後に環境保護弁護士、母親は教師、後に基金事業の理事、
親類縁者もすべて 高所得 高等教育のエリートたちのせいか エドは有名になることを
異常なまでに嫌がって このあとの諸々の会見から プライヴァシー ゼロ作戦を始めたのです。




「ラリー フリント」(96)で共演したロック歌手のコートニー ラヴ (カート コベイン未亡人でもあります。)との2年間の交際が始まり 彼女の「ホール」というバンドでギターを弾いて歌を歌ったりしてました。
この時の会見では マスコミなど見るのもおぞましいといった表情で ハリウッドでは
バッド ニユースも宣伝の一つ と見る売らんかな主義に必死で反逆してました。
その時の笑顔など死んでも見せるか という顔のツーショットを探してみましょう。




さていろいろな話題作に出るたびに 一応会見に義理堅く出てきては 役作りについては
理論的に 情熱を込めて話してくれるのですが 相変わらず 私生活に関しての話は
ゼロ、それどころか この頃から日本語さえ しゃべらず 自身の恵まれた家庭生活もひた隠しにする傾向が出てきました。


メキシコの女優 セルマ ハイヤックとのロマンスが始まり (99−2003)彼女が
どこでもオープンに “ エドがこうしてくれた、ああしてくれた、「フリーダ」では脚本から セットのことから 配役までたくさん助けてくれました。” 等と公に言うたびに
かたわらで しかめつらをしていたのがおかしかったというか 愉快なコンビだなという印象を得ました。


“ 毎回違った役に自分を投じて異なった人間になるのが楽しい。そのためにも 個人の生活を披露するのは 観客にとって 映画にのめり込む邪魔になると信じている。僕のことなど全く知らずに 役の上だけからドラマを堪能して欲しい。”


という信条を繰り返しています。 彼の言葉にも一理も二理もあるとは分かりますが
なんたって あの鋭い鼻と細い顔なので 厳しいコメントを吐くと必要以上に 辛口の味になってしまうのです。エドがマット デーモンみたいにソフトな顔の秀才だったら
同じ事を言っても ニュアンスが変わって聞こえるのでしょうが。

セルマはエドと別れる前に
“ 真実の愛が何かをエドは教えてくれました。彼は私に世界中の色々なことを教えてくれて 私はとてもラッキーだと思います。”
 
と優しく 寛容な彼の人柄を語っていました。
「アメリカン ヒストリーX 」(98)でのネオ ナチ 凶暴男の役で再びオスカー主演男優賞の候補に。
「キングダム オブ ヘヴン」(05)では仮面をかぶったままの王の役をして あとからあれはエドが演じたと分かって さすが! と苦笑いをした人も大勢いるはず。
どちらかと言うと 繊細な顔の作りなので 非情の王 の役は仮面で大いに効果を上げたと言えましょう。


最近では 「ムーンライズ キングダム」(12)のイーグルスカウトの隊長役を規律にばか忠実に、少年たちのリーダーとしてあくまでも正義感に燃えて とコミカルに手がけ、
「ボーン レガシー」(12)では 主人公のジェレミー レナーと昔はともに任務を決行した仲、今はスパイを操る謎の機関の冷酷無比なリーダーの役と全く異なる役をそれぞれ 素晴らしい演技力で演じています。


そしてかたくなだったマスコミに対する姿勢も少し雪解けで 私めにふざけて “ おおきに! ” といってくれました。
1998「ラウンダーズ」
最も日本の原子力発電については 知りすぎた人の用心深さからでしょう、“ 言葉を控えたい。” と無念そうに答えていました。


こうやって写真を並べると いつもスマイル エドですが もっと前のは ほんとにうんざり顔をしているのです。でも一般的なスターのように相手の体に手を回したりしないのが 彼の基本的 “距離を置く信念” を見せていると思います。うんざりエドを今度探して早めにポストしなくては。


2012 「ボーン レガシー」

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