風と共にハリウッド

November 11, 2020

DOMINIC WEST

目下、英国でスキャンダルの嵐の真っ只中にいるドミニック　ウエスト。

日本ではあまりおなじみではないでしょうが「ザ　ワイヤー」THE WIRE （０２−０８）というTVシリーズでアメリカの刑事を演じて評判になり、「ザ　アフェアー」THE AFFAIR （１４-１９）の毎回披露してくれる、ほとんどヌードのベッドシーンで注目を浴びた英国の俳優です。

リリー　ジェイムス LILY JAMES と共演した後も、ローマやら、ロンドンで熱々の抱擁やらキッスを交わして、１０年前に結婚した妻から「もうダメ、別れます」と宣言されたと思ったら、数日後には妻と一緒に仲良くしている写真を公開、そのうち、又リリーとの熱い抱擁シーンを撮られ、再び、妻と一緒に二人が住んでいる豪勢なお城の周りをジョッギングしている写真が出て来たりと、他人の情事などどうでも良いことなのですが、スキャンダル誌には絶好のターゲットになっているのです。

おまけにリリーはアーミー　ハマー ARMIE HAMMER のページに書いたように彼にもちょっかいを出したようですし、クリス　エヴァンズ CHRIS EVANS と短いロマンスを繰り広げたり、結婚破壊スターと言うイメージが濃くなって、「レベッカ」REBECCA のプロモーションを片っ端からキャンセル。

さてドミニックは１９６９年１０月１５日、英国はヨークシャー YORKSHIRE のシェフィールド SHEFIELD に、ドミニック　フランシス　イーグルトン　ウエスト

DOMINIC FRANCIS EAGLETON WEST として、プラステイック会社社長の父親と女優の母親のもとに産まれました。

裕福なアイリッシュ　カトリック教信者の家庭に育ち、英国トップの名門、イートン　カレッジ ETON COLLEGE からアイルランドのダブリンにあるトリニテイー　カレッジ TORINITY COLLEGE で英文学を専攻して９３年に卒業、次はロンドンのギルドホール演劇学校に通って９５年に卒業、となだらかな教育プロセスを経て、もろもろの舞台にたちます。

当時から女性にモテモテのようで９８年にはポリー　アスターPOLLY ASTOR という女性との間に女の子が生まれ、彼女とは別れて、数人の女性を交際してから２０１０年６月にキャサリン　フィッツジェラルド CATHERINE FITZGERALD という貴族の家柄に生まれた女性と結婚、たちまち４人の子供が授かりました。

キャサリンの家はダーハム侯爵 EARL OF DURHAM の系統だそうですが、男の子が生まれず、貴族の称号は受け継がれませんでしたが、アイルランドにある、１７８０年に建てられた「グリン　キャッスル」GLIN CASTLE という美しく荘厳なお城を継いだのです。

一時は売りに出したそうですが買い手がつかず、ドミニックとキャサリンが何とか資金繰りをし、維持費捻出のためにパーテイーやイベント、ベッド　アンド　ブレックファスト　に貸し出しているとか。

ふたりはロンドンのシェパードブッシュ SHEPARD BUSH にある家とグリン　キャッスルを行き来して暮らしているという羨ましい生活を送ってきましたが、さて、これからどのような展開を見せるでしょうか。

「ワイヤー」ではアメリカのアクセントがあまり上手なのでアメリカ人だと思われたそうですし、「ザ　アフェアー」でも、ノア　ソロウェイと言うアメリカ人のライターを演じています。

TVシリーズ「ザ　アワー」THE HOUR （１１-１２），「プライド」PRIDE （１４）でのゲイの社会活動家、TVシリーズ「レ　ミゼラブル」LES MISERABLE （１８-１９）では主人公のジャン　ヴァルジャン JEAN VALJEAN 役などなどが知られていますし、舞台では「マイ　フェア　レデイー」MY FAIR LADY （１２−１３）の主人公ヘンリー　ヒギンズHENRY HIGGINS 教授役、「デンジャラス　リエゾンス」LES LIAISONS DANGEREUSES（２０１５−１６）ではジェーン　マクテイアー JANE MCTEAR　と共演、とカラフルな役を演じてきました。

そして最新作、そのタイトルもふさわしく「パースート　オブ　ラヴ」PURSUIT OF LOVE （愛の追求）（２１）で共演したリリーとのロマンスがどのように発展するかもファンたちとパパラッチの追求の標的となっているようです。

エデイー　レッドメイン EDDIE REDMAYNE 、トム　ヒドルストン TOM HIDDLESTON 、ヒュー　ローリー HUGH LAURIE などもイートン校出身ですが、彼らに共通なのはエリート校出身ということを絶対に口にしたり、説明したりしないこと。質問されたら、丁寧に簡潔に答えますが、あくまでも朝食を食べたかと聞かれたように、自然に、軽く返事をしてきます。勿体ぶったり、自慢気に話したりなどは、非常に恥ずべきことで、反対に、自己謙遜、自己軽視こそがジェントルマンのマナーと心得ているからです。

学校とか、貴族のタイトルなどをひけらかすタイプはいつも低級な行為とみなされる習慣はそれでもだんだんと世界中から消えていくような気もします。

ドミニックに「イートン校のクラスメートには政治家やら偉い人がたくさんいるでしょうがそういう意味で役に立ちますか？」と質問したのですが

「居るだろうけれど、役に立つかどうかなんて考えたこともない」

と軽くかわされてしまいました。

ちょっとワイルドなルックスと筋肉質のバデイー、そして何事も気にしないリラックスした態度がドミニックの魅力でしたが、これからはここに、スキャンダルをものともしない度胸が加わってさらなる幅のある俳優になること間違いナシ　でしょう。