SAOIRSE RONAN 2020

 SAOIRSE  RONAN  2020

３年前のこのブログで取り上げたサーシャ　ローナン。

難しい発音の名前もものかは、素晴らしい勢いでハリウッドを蹂躙中です。

新作「アンモナイト」AMMONITE（２０）ではベテラン、ケイト　ウインスレット KATE WINSLETT とレズビアンの恋を繰り広げています。

小さい時から鼻っ柱の強い、勝ち気な女の子ばかり演じてましたが　（１３歳でオスカー候補になった「つぐない」ATONEMENT（０７）での嘘つき娘などなど）最近も同じ路線で、女性向上のリーダーめがけて突進している印象を受けますが実際に会うと、かなりしおらしい面も見せてくれます。

アンモナイトとは石器時代から存在する渦巻きの貝で、登場人物は英国の１８４０年頃、１９世紀に生きた女性の同性愛のドラマ。主演二人は演技力で知られてますし、既に来年の映画賞候補と評価されてます。

昨年暮れは「若草物語：ストーリー　オブ」LITTLE WOMEN（１９）で主演のを小説家志望のジョー役を熱演。

「小さい時から、ジョーが大好きだったの。だから映画化の話を聞いてすぐグレタ（ガーウイッグ監督）GRETA GARWIG に絶対に演じたいと強行に要求して、勝ち取った役。演じていてもほとんど私自身を感じていたほどで、女優になって良かったなあと天にも昇る心地だったのよ！」

とインタヴューでも紅潮した表情で話していました。

「メアリー：スコットランドの女王」MARY:QUEEN OF SCOTS（１８）で共演したジャック　ロウデン JACK LOWDEN と親しくなって現在も交際中。

ジャックは１９８０年１月２日、スコットランド生まれ、

サーシャは１９９４年８月１２日　ニューヨーク生まれ（アイルランド育ち）ですからジャックのほうがかなり年上ですが生まれた時から役作りをしてきたようなサーシャにとってはこのくらいの年の差があったほうがスムーズに事が運ぶはず。

お次は「ザ　フレンチ　ディスパッチ」THE FRENCH DISPATCH （２１）というオーススターの女優キャスト、テイルダ　スウィントン TILDA SWINTON 、アンジェリカ　ヒューストン ANGELICA HUSTON 、エリザベス　モス ELIZABETH MOSS、レア　セドウ LEA SEYDOUX 、フランシス　マクダーモンド FRANCES MACDORMAND 、加えてフランス語がペラペラのテイモシー　シャラメ TIMOTHEE CHALAMET、フランス人のマチュー　アマルリック MATHIEU AMALRIC などが勢揃い、フランスに駐在するアメリカ人のジャーナリストたちのストーリーだそうで、カラフルで楽しそうです。

2019  LITTLE WOMEN

２０１９「若草物語」LITTLE WOMEN

　

２０２０「アンモナイト」のケイト　ウインスレットと。

２０２０「アンモナイト」から。左がケイト　ウインスレット

サーシャの成長ぶり

テイモシー　シャラメ　と。

「メアリー：クイーン　オブ　スコットランド」ジャック　ロウデンと。

ジャック　ロウデン　と。

以前に書いたサーシャのページを加えておきましょう。

SAOIRSE   RONAN

何度読んでも書いても，名前の呼び方と綴りを覚えられないアイルランドの名前の新鋭女優，シアーシャ　ローナン。

スペルを見るとサオース，サオイーセ，などなどと読めてしまうトラブルメーキングな名前です。とは言うもののアイルランド語では「自由」と言う意味だそう。

「つぐない」（０７）でキーラ　ナイトリーの妹役を演じて世界中の注目を浴びました。実は金持ちの馬鹿息子（ベネデクト　カンバーバッチ，この頃はこう言う役が多かったのです）が暴行したのを知っているくせに，使用人の息子のジェイムス　マカヴォイに罪をなすりつけて，知らん顔をしている意地の悪い少女役をまことにリアルに演じていました。

それから「ラブリー　ボーン」（０９）「ハンナ」（１１）などで堂々の者役を演じ，さて今年は「ブルックリン」（１５）と言う小さな，しかしキラキラ光る小作で、アイルランドからアメリカのブルックリンに移民して来る若い娘を好演しています。

映画の中では１９５０年代のウエストがきっと締まって、フレヤースカートと言う懐かしい洋服をスリムに着こなしていますが，会見に現れたシアーシャは、ぽっちゃりとした顔にノーメーク，ウエストなど全く見えないズンドー風な体のそこらの女子大生なのです。こう言う時，ああ、やはりハリウッドに染まってなくて新鮮で，自己の自信があって素晴らしいなーと感嘆してしまいます。

同時に同じように活き活きとして可愛かったレネー　ゼルウエッガーがハリウッドの人工汚染におかされて、全く異なった，つまらない顔の美人に変わってしまった悲劇に胸を突かれるのです。

１９９４年４月１２日　ニューヨーク生まれですが育ちはアイルランド、と言うのは父親がポール　ローナンと言う俳優で，色々出張稼ぎをしていたからだそうで「デビル」（９７）に出ていた時，当時３歳のシアーシャを主演のブラッド ピットが面倒を見てくれたという「華麗な子守りのエピソード」を持っているのです。

その父親を凌ぐ演技力と運に恵まれて９歳のときからテレビ シリーズにレギュラーとして出演，１２歳の時に出た「つぐない」でもうアカデミー賞助演賞候補になりました。

さて「ブルックリン」は、アイルランドに住む美しい姉妹がつてがあるブルックリンにひとりだけ，移民出来るという吉報を受け，妹（シアーシャ）がいざアメリカに旅立ちます。３等客船の船旅は見るもおぞましい有様ですが，何とかエリス島にたどり着き，住むところも，仕事も見つかり，イタリー系の若者と恋にも落ち，婚約まで交わします。
移民がいかに生活を築いて行くかの課程が面白いのですが，突然，美しくて，世にも優しい姉が急死，あわててアイルランドに戻り，落ち込んでいる母親を慰めたりしているうちに，昔の仲間と会い，その中でもかなり裕福な家の息子（ドナル　グリーソン，ブレンダンの息子）との淡い恋が芽生えるのです。
近所の店の主の意地悪おばさんが実はシアーシャには婚約者が居ることを知っているのだよ！と故郷で，親友たちと外出したりとすっかり居心地を良くしているシアーシャに嫌味な告げ口をします。
そして彼女は頼り切って居る母親や素敵な恋人に別れを告げて，再びアメリカに向かうのでした。

髪はぼさぼさ，何の変哲もない黒いTシャツ姿のシアーシャは，強いアイルランドのアクセントで，固い意志を見せて話します。
「女性が自分の意志で生きて行く映画に出て，少しでも女性たちの良い見本になって　導いて行きたい。３歳の時にアイルランドに戻って以来，私の故郷はアイルランドと心で確かめています。どちらの男性を私なら選ぶかって？　うーん、そう言う立場になったことが無いから分かりませーん」
と熱い紅茶を啜りながら，涼しい目つきで答えてくれました。