EVA  GREEN

エキゾテイックでミステリアスなエヴァ グリーンは1980年,パリ生まれ。父親はスウエーデン人の歯医者,母親は有名なフランス人の女優,マルレーヌ ジョベール (「雨の訪問者」(69))、エヴァより2分前に生まれた双子の姉のジョイが家族。

女優に等絶対にならないで!と言う母親の忠告を全く無視して,パリの演劇学校から,ロンドンの演劇学校に行ったエヴァをイタリアの巨匠,ベルナルド ベルトルッチが発見。

「ザ ドリーマーズ」(03)が彼女の映画デビューとなります。パリの60年代を背景にパリジェンヌのエヴァを巡ってふたりのアメリカ人の若者とのデカダンな日々,一日中ヌードで,トロア メナージ(3人でのセックス)等にうつつを抜かす内容は,ベルトルッチお得意の新人女優を自由に操縦する手管が功を奏し、けだるい性生活が淡々と展開、かなりの評判になりました。最初はジェイク ギレンホールが若者の役を手がける筈があまりに気軽なセックス描写に恐れをなして,マイケル ピットがピンチヒッターに。

バスタブに全裸の3人が入って彼女の恥毛がゆらゆらするシーンが印象に残っています。

次はリドリー スコットの「キングダム オブ ヘヴン」(05)での王の妹の役。エドワード ノートンがライ病の為に仮面をかぶった王を怪演、鍛冶屋のオーランド ブルームに魅かれると言う役どころでしたが,彼女の活躍した場面はほとんどカッテイング フロアーに,と言う不満の残った映画になったようです。

「007/カジノ ロワイヤル」(06)でピアース ブロスナンから継いだダニエル クレイグのジェイムス ボンドとベッドインだけでなく,心も通じる仲になる英国大蔵省のエージェント,ヴェスパー リンド役を獲得。
初めてのブロンド髪のボンドとのコントラストを見せる為にこの時のボンドガールには、黒髪豊かなアンジェリーナ ジョリーの名前も上がっていたそうな。

豊満なボデイーとは言えなくとも,知性と魔女的な魅力を持つエヴァはいつものボンドガール以上の存在感を見せました。
翌年の07年「ライラの冒険・黄金の羅針盤」では魔女の役を手がけて,一緒のシーンこそありませんでしたが,ダニエル クレイグが主演のおとぎ話の映画化でした。

「良い俳優になるより有名になる方が重要だと言うハリウッドの風潮は嫌い」
「フォトシュートが大好き。ピンアップの写真はドラマテイックな自分を演出出来るから。だから自然なメークで自然なポーズの撮影は面白くないわ」
と言うエヴァはモデルとしてもランコムやデイオールの広告に出ている一流レベルなのです。
「多くの映画が俳優達を無視して、風景に焦点を向けるけれど、もっと俳優達を見せるべき。監督も演劇学校に通うと色々学ぶと思うわ」
などとストレートにものを言うあたりにフランス人の理屈っぽさが覗いています。
2007「ライラの冒険/黄金の羅針盤」
最近ではジョニー デップ主演の「ダーク シャドウ」(12)で彼を吸血鬼にしてしまう復讐に燃える恋人を激演しています。
2003年のデビューしたときの写真を探さないと。ダークな女、悪女のイメージがこびりついてきた現在ですが,当時はまだイノセントな表情が残っていて貴重なショットですから。

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