BARBARA HERSHEY
バーバラ ハーシーと言う名前がチョコレートと同じで視覚的に甘い味がにじんできます。
初めて会ったのは,おそらく「フォエヴァー フレンズ」(「BEACHES」)(88)でベット ミドラーが独立心に溢れる貧しい女性を演じ,バーバラはリッチな社交界の女性で,二人の生活は異なっても,親友同士と言うメロドラマでした。監督はメロドラマがお得意なゲーリー マーシャル。
豊かな黒髪に真っ白な肌,深紅の口紅に官能的な表情のバーバラは,白雪姫が40歳になったらこうなるかも,と言う艶やかな美しい女優でした。正直で言いたいことをはっきり言う姿勢からは,知性と自信が感じられました。
1948年2月5日 カリフォルニアのハリウッド生まれですから,65歳になったばかり。ハンガリー系のユダヤ人の両親を持ち,本名は HERZSTEIN (心臓と石と言うドイツ語です),父親は競馬のコラムニストだったそう。
小さい時から女優になりたかったバーバラはハリウッド高校時代はチアリーダーでポンポンを振り回し、ちらほらと仕事も得て,17歳の時に テレビシリーズ「ギジェット」(サリー フィールド主演)に出たりします。
「フォエヴァー フレンズ」の他にもっも有名なのはウッデイー アレン監督の「ハンナとその姉妹」(86)でしょう。当時のニユーヨークの文化的,排他的な知識階級の狭い空間が鮮やかに描かれています。
最も悪名高かったのは「明日に処刑を」(「ボックスカー バーサ」)(72)と言うスコセシの映画で,共演のデヴィッド キャラダインと撮影用のセックスを本当にオコナッタ,と言う噂が出て,当時のスキャンダルとなったよう。キャラダインと以後一緒に暮らし,(1969−75)フリーと言う息子まで生まれました。もちろんむすこ殿は後で名前をトムと平凡なものに変えたとか。キャラダインは,変人中の変人で,タイのホテルで性的興奮を得る為に首を絞めたまま亡くなっています。
1972年には「プレイボーイ」誌にセミヌードの大胆なポーズの写真が載って騒がれたりもしました。
「危険な関係」(87)のグレン クローズの役,「氷の微笑」(92)のシャロン ストーンの役 などを蹴ったほどですから,当時のバーバラの性的魅力がお分かりでしょう。
どの俳優の話でも役を拒否したと言う情報はあくまでインサイドのもので,外には漏れないようにしているようですが,結局は誰かが噂をし、出て来てしまうようです。
「最後の誘惑」(88)もスコセシ監督の作品で,バーバラはマグダラのマリアの役を演じ,キリストを冒瀆しただのと当時は発禁になったりもしました。
1988 [ BEACHES ] |
「ある貴婦人の肖像」(96)はニコール キッドマンとジョン マルコビッチ主演の映画ですが,オールスターキャストの割に,冗長で,退屈な映画と酷評されたものの、バーバラはアカデミー賞女演賞にノミネートされたのです。
「慣れてしまう事が怖いから,実際はやりたくないのだけれど,難しい役を選ぶようにしている。褒められても,絶対に自分を褒めたり出来ないわね。それどころか,バーバラ!そんな事で調子に乗っては駄目,と叱ってしまう」
「ランタナ」(01)はオーストラリアの不思議な雰囲気のユニークな映画で、アンソニー ラパリアとジョフリー ラッシュ(二人ともオーストラリア出身)と絡む女性の役を妖演,そして最近は「ブラック スワン」(10)でナタリー ポートマン扮するプリマ バレリーナのしごきママの役をいかにも昔バレリーナだった中年女性と言う体の動きを見せて好演していました。
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