PETER    SARSGAARD


さてマギー ギレンホールの後は,やはり夫君のピーター サースガードにしないと。

結構な男前なのに,リーデイングマン(二枚目の主役)を手がけないところが彼の知恵と信念なのでしょう。大体殆どの2枚目役は薄っぺらで,非現実的な男ばかりです。男前の主役を引き立て,ドラマを盛り上げていく脇役こそ,演技力の見せ場と言えましょう。

映画デビューは「デッドマン ウオーキング」(95),ショーン ペンが死刑囚,スーザン サランドンが尼僧になってのデスロウ(死の廊下)ドラマです。

ベビーフエイスと妙にソフトな声の持ち主だったピーターは
その変人ぶりがジョン マルコビッチに似ていると言う理由で「仮面の男」(98)ではマルコビッチの息子役,「ボーイズ ドント クライ」(99)では,男の格好をしたヒラリー スワンクを脅す凶暴な犯罪者,「愛についてのキンゼイ リポート」(04)ではリアム ニーセン扮するキンゼイ博士の同性愛の恋人役をして,二人で真裸になってベッドの上で飛び跳ねていたシーンは面白かったし,「17歳の肖像」(09)では高校生のケリー マリガンを誘惑する謎の紳士役をブリテイッシュアクセントで熱演。

「僕のところにはまず,へテロで勇敢で,良心的な男の役はこない。ちょっといびつな性格,ゲイの男,疑わしい行動をとる変人等ばかり舞い込んでくる。ともかく僕のハリウッドでの立場はスターがやりたくないと言って蹴っとばした役を拾って,自分なりに工夫してやると言う時も多い。どちらにしろ,僕は演技が大好きだから,あらゆる役に挑戦したいね」

と意地を張ってない姿勢が爽快ではありませんか。

ブロードウェイで「私はかもめ」の女主人公をクリステイン スコット トーマスが艶然と演じ,彼女の相手役をピーターがした舞台を観ましたが,ここでもイングリッシュ アクセントを行使し、自信と存在感に溢れるトーマスに怖じける様子もなく,リズムに乗って演じてました。
2005 「ジャーヘッド」

1971年3月7日,イリノイ州ベルビルに空軍の技術者の父と教育者の母親のもとに生まれ,大学では仲間と劇団を結成,卒業後はニユーヨークでアクターズ スタジオで磨きをかけたと言う生粋の俳優志願の道を歩んでいています。サースガードと言う名前は,ひい祖父のデンマークの苗字だそうな。
2004 「愛についてのキンゼイ レポート」

当人はひょうきんで,シニカルなユーモアを絶好のタイミングでのたもうシャープな人です。

生まれてからずっとカトリック信者で,天国と地獄の存在や裏切り者を許す教えには良いものがあると言ってるのも,余り宗教の事を語りたがらないハリウッドでは新鮮です。

マギー ギレンホールの母親はユダヤ系で、この家族は夕食時に滔々と政治的意見を交換しては,議論に強くなり,自分の考えている事を言葉にだす能力を高めるのだそうで,ここにピーターが加わるとかなり方向が変わって来るのではないかなと勝手に想像してほくそ笑んでしまいます。

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