TIMOTHY  DALTON

87年の「007 リビング デイライツ」(「THE LIVING DAYLIGHTS」)と89年の 「007 消されたライセンス」( 「LICENSED TO KILL 」)の007ジェイムス ボンドの4代目テイモシー ダルトンは地味で,オーラがなかったせいですっかり忘れられてしまったよう。

1944年3月21日ウェールズのコルウィンで生まれたテイモシーは両方の祖父がボードビリアンだったとか。
16歳でマクベスの舞台を見て俳優の夢を抱いたそうですがウェールズは非常に文化を愛する土地で,子供たちは古典劇から,コーラス,詩の朗読などを小さい時から,たっぷりさせて,パブの親父も,弁護士もプロ並みに歌を歌ったり,詩クスピアの名台詞を引用したりするとか。

ロンドンの演劇学校に入り,ピーター オトールに愛でられて「冬のライオン」(68)でフランスのフィリップ王の役を得たテイモシーは,クラシックなルックスと妖しい緑色の目の若手俳優として認められます。

「嵐が丘」(70)のヒース役,「クイーン メリー 愛と悲しみの生涯」(「メアリー クイーン オブ スコッツ」)(71)と時代劇で活躍。メアリー女王を演じたヴァネッサ レッドグレーヴと恋に落ち,二人は71年から86年迄一緒に暮らしていますが ここでも醜聞と言うより,俳優同士の愛として受け止められました。

初めて会ったのは最初のボンド映画のメキシコでのセットでした。ていねいで,礼儀正しく,まさに英国紳士でしたが,ボンドに不可欠なプレイボーイのいたずら心がちと欠けていたので,話しをしても全く危険を感じませんでした。

次は2本目のボンドの時で,ここでも同じ。実は余り覚えてなくて,印象が薄いのです。

彼のボンドは次の使命にかけるエネルギーと情熱が全く感じられず,枯れすぎ と言う批判も出ています。



1989 「007 殺しのライセンス」
「スカーレット」(94)と言う「風と共に去りぬ」のテレビ版リメ−クでレット バトラーを演じましたが,ここでもオリジナルの男っぽくて,遊び心に溢れたクラーク ゲーブルとは大違い。

最近、メル ギブソンを家庭内暴力で訴えたロシアの女性,オクサナ グリオエヴァはメルに会う前に何とテイモシーとの間に97年に息子をもうけていたのが発覚して,珍しく彼の名前が浮上しましたが、当人はロンドンで静かに舞台にテレビに出演して,今だに独身を保っています。

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