EVA MARIE SAINT

EVA   MARIE   SAINT


「波止場」(54)でのエヴァ マリー セイントは,初々しさと清潔感に溢れる若い美女でした。名前が又,セイント/聖人のイメージがあって、野卑で下品で野蛮な人々がうごめく港町のまさに掃き溜めの鶴,いや聖女のようでした。

1924年7月4日,アメリカの独立記念日にニユージャージー州のニユーアークに生まれたエヴァは先生になるのが夢だったそう。まだ大恐慌前のアメリカでしたから何となく分かりますよね。ボウリング グリーン大に入学したものの演劇に興味が湧き,まずはしっかり卒業し(ここがしっかり者のエヴァです)それからニユーヨークのアクターズ スタジオへ。46年テレビ初出演,これから7年間 NBCを根拠ににテレビのゴールデンエイジの波に乗ります。

ブロードウエイの舞台「バウンテイフルヘの旅」で名女優,リリアン ギッシュと共演して喝さいを博し,その2週間後にエリア カザン監督の「波止場」で映画デビュー。

粗野なマーロン ブランドに魅かれる娘の役でいきなりアカデミー賞助演賞を得ます。

ブロンド美人で楚々としてエレガントと言うアルフレッド ヒッチコック好みですから,「北北西に進路を取れ」(59)で,ケリー グラントと共演,一挙にスターに。

「ヒッチはとてつもなく暖かくて,俳優を尊敬し,ユーモラスで素晴らしい監督でした。もちろん大勢の人達がそれなりの意見を持っているでしょうけれど,私には映画の大先輩として,「エヴァ,映画を見に来る人たちは,エヴァがエプロンをかけて台所の流しで一日中皿洗いなどしている姿を見たくはないのですよ。美しく着飾って,エレガントな暮らしをしているエヴァを見たいのですから」とアドヴァイスしてくれたり。以来私はヒッチの貴重な言葉を忘れません」













と話しています。
オットー プレミンジャー監督の意欲作「栄光への脱出」(60)は,第2次大戦後のイスラエル建国をテーマにしたストリーで、ポール ニユーマンと共演、手に汗握るスリリングなドラマでした。

「いそしぎ」(65)ではエリザベス テイラーと共演。
「スーパーマン リターンズ」(06)ではスーパーマンの養母役,マーサ ケントとして出演,コンピューターのマジックで登場した故マーロン ブランドとの懐かしの再会(?)を見せたのです。

この時の会見では、
「ハリウッドがいぎたなくなってきて,あまり好きではありません。世の中が余りに変わってきたせいもあるでしょうが。暴力とセックスと悪事がはびこる映画など全く観る気が起きませんね」
と静かに話してました。既に82歳でしたが,口舌ははっきりして,自分の意見をはっきり主張していました。しわしわなのも美容整形などに煩わされないエヴァらしく,素晴らしい姿勢だと感心したものです。

1951年にテレビのプロデユーサー(「77サンセットストリップ」や「ビーバーちゃん」など)のジェフリー ヘイドンと結婚し二人の子供をもうけ,62年後の現在も仲良く生活していると言う安定した状況が,エヴァの清潔で,凛々しい生き方の原因のひとつでしょうが,やはりセイントと言う名前に多少の影響を受けたのではないか,と勘ぐってみたいのです。

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