COLIN FIRTH IN KINGSMAN THE SECRET SERVICE

COLIN   FIRTH   IN   KINGSMAN  THE  SECRET  SERVICE


「英国王のスピーチ」(11)でアカデミー賞を獲ったコリン ファースは良く混同されるコリン ファレルと違って、いつもきりりとスーツを着こなし、英国紳士のシンボルのような存在です。ルックスも端正で,身長もあって、足が長いプロポーションと全てが英国紳士服のモデルの様でもあります。つまりジェイムス ボンドの資質を完備している訳で、これを利用しての007パロデイーに、しっかり真面目に主演しているのが,新作「キングスマン ザ シークレット サーヴィス」。
共演が又、背広を着ると映える体型のマイケル ケインにマーク ストロングとベテランが生真面目な顔でトップ スパイを軽妙に演じています。
その昔、ショーン コネリーがボンド役に抜擢された時、スコットランドの労働者階級のショーンをオックスブリッジのアクセントで、ビスポークのスーツを着こなし、エレガントに動く英国ジェントルマンに、いかに仕立て上げたかという記録があって、それを読み返して、この映画のアイデアが出た次第。男性版「マイ フェア レイデイー」とも言えましょう。
そしてヒギンズ教授の立場になるのがコリンで、英国の秘密結社の「キングスマン」のトップ エージェントとして、新人をリクルートします。
この結社のヘッドクオーターがロンドンの最高級紳士服店が並ぶサヴィル ロウで、中でももっとも由緒があると言う「ハンツマン ショップ」の中にあると言う設定ですから、背中から腰にかけてうっとりするような曲線を描くスーツを着るのは当然。コリンは取っ替え引っ替え,体にぴったりフィットして、それでいてアクションをしても、着崩れない、ため息が出るようなスーツ姿で活躍するのです。

ハー バーダッシャリー haberdashery と呼ばれる紳士用小物の老舗、シャツのタンブル Turnbull 、ネクタイのドレイク Drake、鞄のスウェイン アデニー  ビッグス Swaine Adeney Briggs、時計のブレモント Bremont、靴のジョージ クレヴァーリー George Cleverly などなどのファッションに凝る殿方たちの垂涎の的の名前が並びます。

リクルートされて集まった若者たちが又、オックスフォードやケンブリッジのエリート達で、彼らの服装が、英国の保守的高級スタイルで、ハンテイング ジャケットなども多く,まるでタウン アンド カントリーと言った雑誌のページから出て来たようでした。
もちろんコリンが訓練する若者は、ロンドンの低所得者の住む貧しいアパートに住み,ひどいコックニー訛りで話す、無教育な若者で、実は彼の父親が元エージェントだったこと、コリンが責任感を感じていることなどの為に、コリンが特別に目をかけるのです。薄汚いヒップホップ風の洋服から、ビスポークのスーツに着替えるシーンは、誰でもほーっとため息を付く筈。馬子にも衣装 の典型的場面です。

荒唐無稽のパロデイー喜劇で、英国紳士の過剰なスノッブぶりが笑わせますが,後半から、かなりおふざけが過ぎることと,アメリカ人のサミュエル ジャクソンが演じる世界制覇を企むテクノ企業の王者の妙なリスプ(口先だけで、はっきり発音しない)などの工夫が全く面白くないので、少々白けてきます。ま、完全な喜劇などまず出て来ないので、大昔のショーン コネリーの変身を想像しながら眺めている分には充分でしょう。

コリン自身は最初から大変な乗り気だったようで,着こなしはもちろん、大アクション場面でも54歳とは思えないしなやかな動きを披露してくれます。
「アナザー カントリー」(84)でケンブリッジ スパイの学生時代を美しく演じ(当時主役のルパート エヴァレットがコリンに恋したものの、即、拒絶されて,かなり傷ついたと言う話しもあります。全員が美少年の不思議な映画でした)、「裏切りのサーカス」(11)でその延長の大人になって、祖国を裏切るスパイを演じただけに、コリンのボンド振りは思わず拍手をしたくなる程、かっこ良いのです。

2011「英国王のスピーチ




マーク ストロング

コリン ファースとタロン エガートン

マイケル ケイン と タロン エガートン
2008「マンマ ミーア!」
常にダッシングなコリン。

サヴィル ロウを闊歩するコリン ファースとタロン エガートン。

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