MARK RYLANCE

MARK   RYLANCE


英国舞台の重鎮俳優、マーク ライランスが今、テレビシリーズの「ウルフ ホール」(15)に主演中。原作は同題のベストセラー小説で、英国人が大好きなヘンリー八世と忠臣トーマス クロムウエルの国王の離婚、首きり、毒殺、などなど1520年頃の波瀾万丈のストーリーですが、今回はクロムウエルが主人公で、いぶし銀の職人役者、マークが激演しています。
他の宮廷役人達と違って、クロムウエルは鍛冶屋の息子と生まれが卑しく、強靭な意志と努力で弁護士となって頭角を現しただけに、視点が異なり、そこらのぐうたら大臣達と大違い。今回のヘンリー八世はテレビ シリーズ「ホームランド」で一躍人気が出たダミアン ルイスが演じ,もともと赤毛ゆえに、赤ひげの国王が良く似合ってます。

マークを知ったのは、ロンドンに行く度に、もろもろの舞台劇で絶賛され、オリヴィエ賞2回などの栄誉を受けていたこと,そして初めて会ったのはベルリンで撮影中の「もうひとりのシェイクスピア」(11)と言うシェイクスピアの戯曲を書いたは実は文学好きの貴族だった、と言う映画に出演した時でした。
「ウルフ ホール」つまり ‘狼の広間’ と野獣達の集まりを表現しているように宮廷は王の懐を狙う野望が充満し、明日は我が身で首を切られるかもしれないのです。

マークは1960年1月16日、英国のケント州に英語の教授の父と校長の母のもとに生まれ、両親の転勤でミルウオーキー州での生活も経験しています。英国に戻り、王室演劇アカデミーを卒業、古典劇に新しいデイメンションを加えて演劇界に新しい波を投じました、
映画では「プロスペロの本」(91)、「エンジェルとインセクツ」(95)では知性とロマンスを見せたり、「ブーリン家の姉妹」(08)では姉妹の父親役など、控え目に、しかしきらりと光る存在感を見せる達人です。

ロンドンのグローブ劇場の第1回の総監督に選ばれ、95年から05年まで務め、シェイクスピアの劇の人気を更に高める功績を遂げ、多くの評論家や俳優達は現在の舞台俳優のベストとマークを讃えています。

当人は写真でもお分かりの通り、注目とか自分を前にだすことを避け、ひょろりとした枯れ木のような、しかしするめのように味がある(比喩が野蛮ですが)気さくな芸人です。
役と言う仮面をかぶって,全く別人を創り上げる贅沢さを誰よりも心得ているしゃらくさいタイプと言えましょう。

最近のニュースではスピルバーグの映画を断って、グローブ劇場の舞台を手がけると言う彼の情熱と献身を見せていました。
2015 ロンドンで

2015  WOLF  HALL 中央ヘンリー8世(ダミアン ルイス)
2015 THOMAS CROMWELL ( MARK RYLANCE)
2011「もうひとりのシェイクスピア」

2015 ロスアンジェルスの英国領事館のガーデンパーテイー




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