LESLEY MANVILLE
2022年の映画の中で最も親しみが持てて、楽しく、時に悲しく感じたのは、「ミセス ハリス ゴース トウ パリス」MRS. HARRIS GOES TO PARIS(22)でした。
ミセス ハリスは夫を失くし、目下、出征した息子の安否を心配している家政婦さん。ある日、リッチなマダムがオーダーしたフランスはデイオール DIOR のオートクチュール HAUTE COUTURE のドレスを見て、胸がわくわくし、絶対にこういうドレスを着る!と決意。
競馬に行ったりして、何とかお金を貯めてパリに行きます。
ハウス オブ デイオール HOUSE OF DIOR にたどり着きますがどう見ても家政婦のおばさん、誰も相手にしてくれません。上品な紳士がちょうど自分のゲストの席が空いているからとパリの最高級サロンでモデルたちのショウを眺めて夢見心地。
デイオールのお高いマネージャーを演じるのがフランスきっての名女優、ワタクシの大好きなイザベル ユベール ISABELLE HUPPERT 、エレガンスの極地の黒いスーツ姿に真っ赤なルージュにウェイビーなヘヤースタイル、パリの社交界の「バトラー」のような仕事をテキパキとこなして、優しいけれども誠にダサいミセス ハリスとのコントラストが絶妙です。
体のサイズを図る時に「モデルとほとんど同じ体をしてますね」と言われるミセス ハリスの嬉しそうな表情!ま、普通英国の家政婦といえばかなり腰回り、胸回り、お腹周り、などが太目のはずですがレスリーはスリムで下着姿になっても綺麗でちょっと例外なのです。
パリでの冒険を終えてロンドンに戻ってきたミセス ハリスの後日談がまたスリリングにして、びっくりのプレゼントなども届けられて、夢あり、厳しい現実ありのエピソードが展開。何よりもシニアの女性が小さな夢を実現させるというお話が楽しいので、ぜひご覧下さい。
さてレスリーは1956年3月12日に英国のイースト サセックス EAST SUSSEX のブライトン BRIGHTON にレスリー アン マンヴィル LESLEY ANN MANVILLE として生まれ、父親はタクシーの運転手(英国のタクシーの運転手はそれなりに尊敬されている職業です)バレリーナだった母親のもと、3人娘の一人として育ちました。
8歳からソプラノの歌のレッスンを受け、15歳で、イタリア コンテイ アカデミー オブ シアター アーツ ITALIA CONTI ACADEMY OF THEATRE ARTS で演技を学んで、ロイヤル シェイクスピア カンパニー ROYAL SHAKESPEARE COMPANY の舞台に立つようになり、基本的には舞台女優として活躍してきました。
英国の鬼才監督、マイク リー MIKE LEIGH の映画、「秘密と嘘」SECRETS AND LIES (96)などに続けて出演、「ファンタム スレッド」PHANTOM THREAD(17)の英国のオートクチュール メイカーのダニエル デイ ルイス DANIEL DAY LEWIS の姉の役でアカデミー助演賞候補になってます。お店を仕切るキリリとした姉上役はレスリーにぴったりでした。
TVシリーズ「キング シンダー」KING CINDER(77)で共演した俳優のピート ダンカン PETE DUNCAN(1954年生まれ)と80年代に恋人同士になり、1987年から90年までは、ゲイリー オールドマン GARY OLDMAN と結婚、アルフィー ALFIE という息子が88年に生まれています。
2000年にジャマイカ系のジョー デイクソン JOE DIXON(1965年10月10日 バーミンガム BIRMINGHAM 生まれ)という俳優と結婚、04年に離婚、とロマンス歴はかなり華麗で、美しい顔に少しばかり傲慢さと柔らかさが同居したセクシーな人となりには女性でも惹かれてしまうはず。
2021年にはウイリアム皇太子からCBE COMMANDER OF THE ORDER OF BRITISH EMPIRE の勲章を授かりました。
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