RICKY GERVAIS

September 30, 2014

RICKY GERVAIS

ハリネズミの様な刺のある毒舌の持ち主，リッキー　ジャーヴェイはゴールデン　グローブ授賞式の司会を２年連続（２０１０，２０１１）手がけました。並み居るスター達の最も痛いところを突ついて，例えばジョニー　デップとアンジェリーナ　ジョリーと言うスーパースターの共演作「ツーリスト」が，スターパワーだけで受賞の候補になったに違いないとか，年寄りが多い会員達に当てつけて，トイレで立ちがるのを手伝わないと、とふざけたり,　ほとんどがユダヤ系の業界重要人物をおちょくったり（次回はヒットラーの格好をして出て，完璧な物真似をしたいなど）、それを英国はコックニー訛りでしゃべる為に、妙にウイットが増したように聞こえたり，お世辞にうんざりしているスター達も追従に飽いた取り巻き族もワハワハと笑ってしまうのでした。

１９６１年６月２５日英国はバークシャー郡のレデイングにケベック人の父親と英国人の母親のもと，４人姉弟のひとりとして生まれ，ロンドン大では生物学と哲学を専攻、とここまでは完全に普通のミドルクラスの生活を過ごしています。
大学３年の時，バンドを結成，不思議なきっかけでこのバンドはフィリッピンで人気が出て（８３年），当時のステイール写真のリッキーはデイヴィッド　ボウイ　もどきの華麗ないでたちで唄っていたのです。
その後は英国バンド「スエード」のマネージャーとして世界中を巡業，この時にスタンダップ　コメデイーを修行，次はラジオの仕事に人気が出て（９８年，そしてユニークなテレビシリーズ「オフィス」（０１−０３）の脚本と主演を手がけ，製紙会社の嫌われ者の底抜けに自己中心の課長（？）は世界中で注目されました。
アメリカ版の「オフィス」（０４）の制作も手がけ，ハリウッドの乗り出します。
「エキストラズ」（０５−０７）というスターを自然体で見せる、おふざけ番組の制作など、リッキーのドライで，周囲をどきりとさせる喜劇スタイルがもてはやされ、映画の主演も果たしたのでした。
「ゴースト　タウン」（０８）と言う映画で全くヒットしなかったのですが，全く懲りずに翌年「ザ　インヴェンション　オブ　ライイング」（０９）の脚本，制作，主演と欲張りました。これもヒットせず。
わたくしが最も笑ったテレビシリーズは「ライフ　イズ　トウー　ショート」（１１）と言う小人のスター，ワーウイック　デイヴスを主演にし，リッキーが脇役に徹しての「ショート＝小人」をテーマにした番組で，小人がハンデイキャップかどうか定かではありませんが，小人を手加減せずに虐待するエピソードが何とも痛くておかしいのです。
そして再び，今度は頭の働きの速度が遅い老人ホームのヘルパーを「デレック」（１３−）で怪演中なのです。とんでもない事ばかりする老人達とゆっくり，親切なデレックの馬鹿げた行動がまたまた痛くておかしいのです。
アングルがかなりホラーじみているときもあり，その強烈な攻撃が新鮮で，ショッキングで，こう言うコメデイーがもっと増えて、かなり石器化しているハリウッドの厚い壁に，ドーンと風穴を開けて欲しいものです。

２０１４「デレック」

1983 SEONA DANCING　フィリッピンでスターになった時。