CHRISTIAN BALE 2023

January 13, 2023

CHRISTIAN BALE 2023

クリスチャン　ベイルの新作「ザ　ペール　ブルー　アイ」ーTHE PALE BLUE EYE（２３）を観ました。１８３０年頃の刑事役で　ニューヨーク州のウエストポイント WEST POINT にある陸軍士官学校で起こった残虐な殺人事件を捜査するためにやって来たのですが、まず背景の季節が雪が積もり、凍った川の真冬の東部で、観ているだけでもブルブルしてしまいます。

この時　士官学校に通っていたエドガー　アラン　ポー EDGAR ALLAN POE が捜査を手伝うのですが実在の当人にそっくりな上にものすごく演技が上手な英国人俳優、ハリー　メリング HARRY MELLING が演じていて、クリスチャンの張り切りようが覗けました。英国曲者俳優が名前を並べて、テイモシー　スポール TIMOTHY SPALL が士官学校の教頭、トビー　ジョーンズ TOBY JONES が医師の役、サイモン　マックバーニー SIMON MCBURNEY がキャプテン、登場する女性たちもルーシー　ボイトン　LUCY BOYTON、シャーロット　　ゲインスバーグ　（ロンドン生まれ、フランス育ちですが）CHARLOTTE GAINSBOURG が好演、と又もや、英国パワーがアメリカ人の役を乗っ取っています。

ま、クリスチャンもウェールズ人ですから現場はさぞ色々な英国のお国訛りが飛びかったことでしょう。

ウエストポイント陸軍士官学校には特別な思い出があります。フットボールの雑誌記者をしていた時に米国では特に騒がれる「アーミー・ネイビー戦」の前取材としてニューヨークから運転してウエストポイントまで行き、ここで、素晴らしく友好的な広報係に会えて、フットボールチームはもちろん士官候補生の生活に触れることが出来ました。

見渡す限り学生の波が見える広大な「メス　ホール」MESS HALL （大食堂）で若くて、スマートな彼らと同じテーブルで昼食を食べ、その後は全寮制の生活を見るために建物の内部、個人の部屋まで入ってきちんと整理されていることに、さすがは未来の将校と感心、はたまた、制服まで着せてもらうと言う大サービス。制服はぶかぶかで何とも滑稽でしたが帽子を被るとちゃんと士官候補生の末端に見えなくもありませんでした。写真を撮りましたがもちろん倉庫の箱の中、いつかご覧に入れましょう。

アメリカの広報ビジネスはこのように、素晴らしくオープンでサービス精神に富んでいます。もちろん秘密があるところは絶対に見せませんがどの企業でもスポーツ球団でもハリウッドのスターでもPRの重要性を肝に銘じてジャーナリストたちを歓待してくれて、より良い記事を書かせるようにお膳立てしてくれるのです。ワタクシが若かった頃の日本はまだまだ中年の男性が威張っていて女性記者など相手にしてくれない風潮がありました。

話が横道にそれましたが、かなりエクセントリックな俳優のクリスチャンは、物凄い食べ方をして異常に太っての役作りをした、元副大統領デイック　チェイニー DICK CHENEY を演じた「バイス」VICE　（１８）、異常な減量をしての役が又多くて「マシニスト」MACHINIST （０４），「ザ　ファイター」THE FIGHTER（１０）などなど、そして今回の「ザ　ペール　ブルー　アイズ」でも頬がこけて、げっそりとしていますし、今年のもう１本「アムステルダム」AMSTERDAM （２２）では片目が時々落っこちる奇妙なアメリカ人を怪演、この役もひょろひょろの滑稽なタイプで、彼は嬉々として演じています。

ごく普通の家庭の優しいサラリーマンの夫役など演じてもとても信じられません。次の場面では連続殺人事件などに巻き込まれて、異常なドラマが展開すると誰もが思ってしまいます。

お次は「ザ　チャーチ　オブ　リビング　デンジャラスリー」THE CHURCH OF LIVING DAGEROUSLY という映画で、メガチャーチの人気牧師の「異常な生活」を描いたもの。興味が湧いてきますよね。

若い時はかなり難しい雰囲気でインタヴューに臨んでいましたが、最近の素顔のクリスチャンは気さくで、冗談を飛ばす楽しい人なのです。次の続き写真をご覧いただくとお分かりになるはず。