GINA LOLLOBRIGIDA 1927-2023





GINA  LOLLOBRIGIDA   1927-2023


1月16日、ローマで大好きなジーナ ロロブリジータ が 95歳で亡くなりました。

1度しか会ったことがなく、既にかなり萎んでいた時だったのですが、メークもバッチリ、華麗なドレスに身を包んで、「ゴージャス」にかける情熱にはびっくりしたものです。

次の文章は2018年にキネマ旬報に書いたジーナの記事、お時間がありましたらぜひ御覧下さい。






「空中ブランコ」(56)このウェストのくびれ! バート ランカスター           (左)とトニー カーテイス









世界で一番美しいとも言われました。










1964「わらの女」ショーン コネリーと。






「わらの女」ショーン コネリー


 



ジーナ ロロブリジータは私めの少女時代の憧れの大スター!「空中ぶらんこ」(56)でぴちぴちのタイツ姿のトニー カーテイスとバート ランカスターと一緒にテントの天井で恋の三つ巴を展開した、性的欲望飽和の場面、「ソロモンとシバの女王」(59)ではユル ブリナーを相手に半裸の衣装で誘惑したり、子供ながらに女体パワーを目の当たりにし、彫刻の様な顔に見とれていたものだった。

どこか泥臭いソフィア ローレンより千倍も好きだった。


その憧れのジーナをインタヴューするチャンスがやって来たのは2月1日,ハリウッド大通りのウオーク オブ フェイムにジーナの星が埋め込まれるセレモニーの後であった。

90歳のジーナは思っていたよりずっと美しく、威厳に満ちて,輝いていた。水色に金の縫い取りのドレスはアラビアン ナイトの衣装のようでもあったが豪華絢爛が彼女のトレードマークである。ちょっと老人性の前屈み気味だが頭を上げると大きな目がらんらんと光って,好奇心に溢れた表情から頭の冴えが伝わってくる。


ー半世紀以上も前にハリウッドで大活躍してやっと今ウオーク オブ フェイムの星を受けた事について。

「大昔の私を覚えていてくれて感動しています。まだ愛されているなんて信じられませんもの!あんまり興奮して酔っぱらった気分ね。今は彫刻に情熱を燃やしていますがこうやって認められるまであと300年はかかるでしょう(笑い)映画は私の人生の1部分に過ぎないのですよ。でも映画で成功したからこそ今のアーテイストの自分がいるのですから感謝しなくてはね」

はっきりとした滑舌で驚く程上手な英語を使う。言葉を探したりせず,一定速度で話しが続く。


ー今までで一番自分が有名だと感じたときの事を。

「アルゼンチンに行った時、ペロンが招待してくれたのだけれど空港にあんまり人がいて飛行機が壊れるからと違うところに着陸して、いざ街に行くと6万人のファンが集まっていて疲れ果てていたものの、私は懸命に手を振って答えました。イタリアのプレスには国にこの写真を送らないで、こんなに異国で人気があると後で何を言われるか分からないからと頼み,翌日劇場に行ったら30人が逮捕され、9人が負傷するという大騒ぎになって

身の危険を感じました。私があと1週間、この国にいたらエヴァ ペロンと同じ目に会いそうだと本気で思ったのですよ。

ペロンは親切な紳士でしたが後で彼と一緒の写真が修整されて私がヌードで誘惑していると言うセンセーショナルな記事になって、大騒ぎでした。イタリー大使に相談したら「忘れなさい、下らないジョークですから」となだめられたり。本当にアルゼンチンでの人気は今でも忘れられない嬉しくも危険なものでした」


ーハリウッドで最も印象に残っている人々について。

「まずハワード ヒューズでしょうね。私の人生で彼が最も忍耐強く私を得ようと試みた人ですから。本当に私を狂った様に求めてロケ地に行く旅にも彼の弁護士が契約書を持って後を付けて来たし、12年間も私を追い求めていたのですよ。これほどにまで女性を求めるって本当に深刻ですよね。でもクレイジーだったけれど(笑い)

私に契約を迫った時、百万ドルと言えばあきらめると思ったらすんなり通ってしまうし。豪華なホテルの部屋を提供してくれて、自家用機まで使わせてくれましたが彼とのデートは車の中での粗末な食事とかルームサービスのみ。おまけによれよれの服で出て来るし。

1度はあなたの財産を全てどこかに寄付して身ひとつになったら結婚しても良いって言ったのですが思った通り、そこまでは犠牲を払いませんでしたね(笑い)


それからロック ハドソンは本当に美しくて良い人でした。ゲイだゲイだと騒がないで下さいね(笑い)彼と2度共演しましたがラブシーンのときはしっかり反応して来たのですから(笑い)経験豊富な私がそう言うのでしすから本当の話。混乱している男性にスタジオがカバーアップしようと秘書みたい女性をあてがったのが間違い。エリザベス テイラーと彼は凄く仲が良かったし,愛しあっていたから、もしエリザベスとか、私と結婚したらまともな男性になっていたかも。本当にそう言う事ってあるのよ!彼は普通の男性でした。彼には助けが必要だったけれど間違った助けを施されてしまったのね。だから皆さんゲイだと決めつけては駄目。


マリリン モンロー。ハリウッドに来る度に彼女のお墓を訪れて花束を上げるのよ。今回も昨日お参りしてきました。親しい友人同士でしたが,何と言ってもマリリンは弱い女性なの。男性に愛されたい一心で、その他の何も欲しくないタイプなのだけれど不運にも彼女は人気者だったでしょう。人気者と言う立場はとっても難しいのよ。男性は嫉妬し、所有欲に狂って来る。マリリンは繊細で脆くて、どんどんと壊れて行ってしまった。私も人気ものにつきもののトラブルを良く知っているもの。でも私は正反対。自分で自分の道を切り開いて、言いたい事を言って,したい事をする」


ー常に比較されるソフィア ローレン とのライバル争いについて。

「あれは全てソフィア側のマネージャー達が創り上げたプレス用のトリック。でも私の方がおっぱいが大きい,とか、ソフィアは田舎っぺの役しか出来ないけれど、私は淑女の役もやれる、とか、私が世界一の美女、だとか反抗したと言うコメントも全てあちら側のでっち上げ。そうやって注目を引いて私を悪者に仕立ててソフィアの人気を煽るわけ。

何と言ってもソフィアはデビュー以来PRの権化のプロデユーサーのハズバンドが全てを仕切って来たのですから。私はエージェントなど1度も雇った事が無いし、全部一人でやって来たのよ。だから恐いもの無し。どう言われようとわたしは私。

ある時、35人の絵描きが私の肖像を描くと言うイベントがあって、私はそれぞれのテクニックをじっくりと観察していたの。いつか自分でも絵を再開しようと考えていたから。そして女優業がスローダウンしてからは世界中を旅して,自分が映されるのに飽き飽きしていたから、今度はカメラの後ろ側にまわろうと決めて、チャンスがあって会えた国の党首などの要人から農家の老人などなど、色々な被写体を撮っては写真家としての腕を磨いたの。それから肖像画を始めて、今は彫刻に凝っているの。東西の名画家や彫刻家達から誉められいるけれど、だからって鼻を高くしたりしていません。芸術の深さを良ーく理解していますから。

田舎に彫刻用のアトリエを作ってそこで無心に作品を仕上げて行く時間はとっても大事です。美しいものを創作するって自分を磨く事につながると信じていますし。

今まで会った思い出の人々の肖像画が40枚ほどあって、年と共に上手になって来た様なきがします。

いつかロスアンジェルスの広いゲテイー美術館で私の作品を展示してくれると良いのですがね」


ジーナの美術にかける才能は本物で実際、奨学金を得てローマの美術学校に通っている時にスカウトされたのである。最初は拒んでいたもののギャラを不可能な程に吊り上げて(後にヒューズやその他の言い寄る男性に使ったと思われるテクニック)断って来ると思ったらそれでもオーケーと受け入れられて女優の道を歩み出したと言う。

イタリーでは,こう唱われているそうだ。

「適当な芸術家はごまんといるがロロブリジータは地球にたった一人の絶世の美女。美術学生を世紀のスターにしたこのスカウトに我々は巨大な感謝の気持ちを抱かねばならない!」


ー「ソロモンとシバの女王」の撮影中に主役のタイロン パワーが急死したことについて。

「マンマ ミーア!スペインでの撮影でした。結局全部撮り直しとなったのですよ!あと10日で私とのラブシーンの撮影、それで終わりと言う日にタイロンが亡くなってしまったの。私がセットに来るとタイロンはジョージ サンダースとの決闘のシーンを撮影していて、突然倒れてしまった。彼のトレイラーが私の隣だったので近寄ると「鎧が」って呟いてから「息が出来ない」って言って首をかきむしっていたわ。

人々が車が無い、と叫んでいたので私が「私の車を使って!」とみんなで彼を車に運んでもうその時には死にかかっていたようだった。本当に哀しい光景で一生忘れられません。タイロンは素晴らしい俳優だった。彼が薬をしょっちゅう飲んでいたのには気がついていたけれどそんなに悪かったなんて全く知らなかったから、もうショックでしたね。それからユル ブリナーが彼の役を演じる事になったのだけれど再撮影はほんとうに苦しかった」


ー今までの人生で得た最も大事なことについて。

「人生は神からの愛、レガロ デイ デイオ!です。自分の人生を愛さねばなりません。私は常にポジテイブに生きてきました。ネガテイブに考えると悪いことが起きるのですよ。自分にも他人に対しても良い事に積極的に取り組む事。運の悪い事に今の世の中、特に政治家達はどこでも最低ですね。話す事に注意しないと!この辺で止めておかないと危険な状態に陥るかもしれませんからね。ともかくも、ユーモアのセンスを持って生きて行くこと!」


ーロマンスについて。

「あー、私は大勢の男性に恋を囁かれたけれども実は一度も灼熱の恋など味わったことが無いのです。友情関係がほとんど。自分を忘れて男性ものとに走る役はたくさん演じましたが私は始終冷静なのです。人気が出た後は特にこの男は私を利用しているのじゃないか、私に全く財産がなかったら寄って来ないに違いない、と常に猜疑的になりますしね。恋より仕事です。自分のコントロールが届く範囲で大いに冒険をしましたし。男性はそう言う私を見ると余計征服したくなるようですが。

今まで妥協をしたことが無いのですよ。いつも独立心を持ち、いつも独りでいます。私の強さは自由な精神から、そして大きなイメージを抱いて強靭さと生きる力を養っているのです。私のロマンスは私自身から沸き起こる創作欲と言えましょうか」


ー毎日の過ごし方について。

「朝6時きっかりに起きてその日の仕事の段取りを考えます。働いていると光りが感じられるから。出来れば仕事をしている最中に死にたいわね。仕事をしていないと気分がだるくなるのです。だからバケーションなんて行きたくもないのよ。夏のバケーション中は誰もいなくなるから仕事がはかどるし。独りで思う存分創作の仕事をしていると本当に幸せです。

仕事に没頭してしまうので食べるのを忘れてしまうのも体型を保つためには良いと思ってるし。そう、余り食べることに興味が無いのです。

美容?そう言うことには全く興味が無いわね。美容整形なんてちゃんちゃらおかしい程時間とお金の無駄。私は絵描きだから自分でメークをするのが上手だし。自分の美容のための人手など全く必要ありません」


過去に婚約などをした男性のほとんどを一言のもとに金目当てと犯人扱いし、実の息子に至っては馬鹿者どもに洗脳され,下らない入れ知恵をされて、今は考えたくもない存在と言い放つトーンに全く悲痛さなど無く、ユーモラスでドライな皮肉のみのあっけらかんとした姿勢が小気味良い怪傑ロロブリジータなのでありました。




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