STEPHEN FRY



STEPHEN   FRY

英国俳優の中でも、私が最も好きな俳優・詩人・司会者・雄弁家のステイーヴン フライ はほとんど彼の信望するオスカー ワイルドに近づきつつあります。
実際に「ワイルド」(97)という映画でワイルド自身を演じて、絶賛を博しました。巨大な頭、長身にして太め、大きな造作の顔、同性愛者、豊かな想像力、知性、教養、哀愁を帯びた表情、などが二人の共通点で、同性愛が当時は犯罪だったヴィクトリア朝の英国で刑に処せられたワイルドにフライは強烈な共同体を感じているのです。

「ワイルド」は豪華絢爛なキャストで、ジュード ロウがワイルドの激しい愛情の対象になるアルフレッド ダグラス卿(ニックネームはボージー)を美しく演じ、二人の関係を妨げようとする貴族の父をトム ウイルキンソン、他にヴァネッサ レッドグレーヴ、オーランド ブルーム、ジェニファー イールなどが出演、監督はブライアン ギルバートでした。

フライはその傑出した才能を母校のケンブリッジ大の舞台や新聞で見せ、人気テレビシリーズの「ブラック アダー」(86−89)のレギュラーに、そして最も有名になったのは「ジーヴス アンド ウースター」(90−93)というテレビシリーズで、ヒュー ロウリー扮する貴族のドラ息子(バーニー ウースター)の面倒を見る執事のジーヴスを演じた時でしょう。お人好しでおっちょこちょいのウースターがトラブルに巻き込まれつ度に、頭が良くて、優しい大男のジーヴスが機転を利かせて助けるのです。
ともにケンブリッジ大を出たエリートのローリーとフライの洗練された会話が上流社会のなんとも言えない雰囲気を醸し出していました。

フライは1957年8月24日ロンドンのハムステッドに、科学者で発明家の父親とハンガリーのユダヤ人の両親を持って生まれた母親のもとに生まれ、とんでもない問題児で放校、退学を繰り返し、高校時代にクレジットカードの偽造で3ヶ月の刑務所に入れられるという、かなりクレイジーな若者だったようです。その後、大いに勉強してケンブリッジ大に入ってからは、持ち前の才能を大いに発揮して、エマ トンプソンや、のちに共演するヒュー ロウリーたちと劇団を作ったり,有名な飲みサークル
2015  パートナーのエリオット スペンサーと
に入団したり、カラフルな行動を楽しんだ様子。


そのクレイジーな行動と鬱になる状態からバイオプラー(躁鬱病)と診断され、自分でこの病気のドキュメンタリーを作ったりもしています。

その古典の知識と飽和状態のような想像力と才気で、英国のアカデミー賞のBAFTA授賞式ではすっと司会役を努めてますし、色々なイベントなどで観客を大いに楽しませたり、仰天させたりしています。

長いことパートナーだったと云うコメでイアンのエリオット スペンサーと2016年に同性婚をしました。フライ58歳、エリオット28歳です。
ちょうど昨日の3月18日にロスアンジェルス空港に降り立った二人の姿をパパラッチが撮影、しばらく前から考えていたロス移住を決行したそうです。と言ってもロンドンとノーフォークの自宅もあるので、行ったり来たりの生活でしょう。二人のこれからの行動に注目しましょう。

2016年3月18日ロスアンジェルスに到着したフライとスペンサー、自分は全く荷物を持ってないところが彼らしいではありませんか。


1997「ワイルド」

「ジーヴス アンド ウースター」右がヒュー ロウリー

毎年英国のオスカー賞と言われるBAFTA授賞式で司会を務めてます。





「ジーヴス アンド ウースター」左がいつもおバカな顔をするヒュー ロウリー。

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