JIM BROADBENT
JIM BROADBENT 名前からも大きそうな印象を受けますが,ジム ブロードベントは身長190センチ、加えて巾ががっしりと厚く、顔も巨大、おまけにびっくりマナコで鼻もまん丸の陣取るとあたりの酸素が薄くなるような、のしかかって来る存在の俳優です。 日本では「ムーラン ルージュ」(01)のクラブのマネージャー兼舞台の司会役が一番知られているでしょう。あの映画はオーストラリアのダンスが大好きな監督、バズ ルーマンの情熱を込めたミュージカルでしたから、主演のニコール キッドマンとユワン マグレガーのロマンスよりも、めまいがしそうなスピードと色彩のダンス ナンバーとその中で巨体をめまぐるしく動かして、踊り、走り、歌い、忙しそうに駈け回っていたジムのパワーは忘れ難いものでした。 その少し前に「トプシー、タービー」(99)と言うミュージカルの創作者コンビ、アーサー サリヴァンとW。S。ギルバートを描いた映画があって、これも又、めまぐるしく、忙しく、サリヴァンを演じたアラン クードナーとギルバートを演じたジムがお互いに大きくて、画面からはみ出しそうだった印象があるのです。 ジムは1949年5月24日、英国リンカーン州のリンカーンに家具屋の父親と彫刻家の母親のものに生まれ、まずはクエーカー教の寄宿学校に送られ、その後に演技熱が目覚め、両親のクリエイテイヴな才能の遺伝もあったのでしょう、演劇校に行っても良いと言われて、ここで頭角を表しいます。1972年に卒業すると直ぐに、もろもろの舞台に出て,経験を積み、「タイム バンデイット」(81)と言うテリー ギリアム監督の珍妙な映画に出て、注目されたのでした。奇才マイク リー監督のレギュラーになり「ライフ イズ スウイート」(90)や「リトル ヴォイス」(99)などの家族の悲哀を描いた小作品に出たり、ニール ジョーダン監督の話題作「クライング ゲーム」(92)にも出ました。 ウデイー アレン監督の「ブロードウエイの銃弾」(94)でも巨体を活かして、顔を出しています。 ジュデイー デンチがアイリス マードックと言う高名な文学者を演じ、彼女が徐々にアルツハイマーにおかされて行く「アイリス」(01)と言う秀作では,やはり文学者であるアイリスの夫を毅然として演じました。95年に自信の母御をアルツハイマーで亡くしただけに、この