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Showing posts from February, 2016

SON OF SAUL

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SON   OF   SAUL 「サウルの息子」は昨日のオスカー外国映画賞を受賞したハンガリーの映画です。アウシュビッツ収容所の死体処理と清掃係のサウルがある日、生き別れの息子、または息子にそっくりな少年を見かけて、彼にユダヤ教にのっとった葬式の儀式をしたいという強迫観念に取りつかれて、ラバイ(ユダヤ教の司祭)を探し出したりとあらゆる努力をするというなんとも凄惨なドラマなのです。ナチの軍人に仕え、肩書きは偉そうな「ゾンダーコマンダー」(特別司令官)ですが、ユダヤ人の同胞をガス室に誘導する役目を背負い、今のところ、収容所の手伝いをしているために処刑されませんが、いつかはその他大勢のユダヤ人と同様に殺される宿命ですから、サウルはもう死んでもともとと息子の葬儀に闇雲に走り回るのです。 映像はほとんどがサウルのストレスに溢れた、パニックの表情のクローズアップで、彼の背後の山のような死体などはぼやっと見えるだけに、見るものの想像力がかきたてられ、帰って恐怖感を募る効果を上げてます。 昨年9月のトロント映画祭で公開されてから、ありとあらゆる映画賞で受賞し続け、晴れてオスカー賞も受賞しました。 右がサウル。 今年の私の予想は、考えすぎのせいでレオ以外ほとんど外れてしまいましたが「サウルの息子」はしっかり当たって、ほっと一息です。 ハンガリー人の記者によるとノーベル賞を最も受賞しているのがハンガリー国だそうで、何しろ頭脳優秀な人が多いい国だそうです。 「サウルの息子」の監督、ラザロ ネメス (Laszlo Nemes)はまだ39歳の若さでこの映画を作りました。金髪の貴公子のような外見ですが、話を始めると英語も完璧で、低予算でいかに収容所の恐怖を見せるかを工夫した話など、内容たっぷりに紹介してくれました。 主演を務めたガザ ローリッグ (Gaza Rohrig)はがっしりとした鼻が特徴の性格俳優で、大変に深い哲学を持った学者肌の人です。 重い映画ですが、第2次大戦中のハンガリーのユダヤ人の歴史を見るためにも、もちろん監督たちの信念の映画作りを見るためにも、機会があったらぜひご覧になって頂きたい外国映画です。 2015「サウルの息子」左が主演のガザ ローリッグ、右は監督のラザロ ネメス。

TOGO-JI FEB 21 2016

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TOGO-JI    FEB  21   2016 毋の3周忌の2月21日は,燦々と暖かい太陽が顔を出して、まるで毋が雲の上からわたくしの名前でもある太陽を押し出してくれたようでした。 多摩霊園の駅の近くには競艇に行くおっさんたちがバスを待ってたむろっている風景が人間臭いほかは、がらーんと空いてます。 約1年ぶりの東郷寺はもちろん名物しだれ桜にはほど遠く、全てが枯れ草色で、それはそれで風情がありました。 大広間の東郷平八郎元帥の写真を見て、明治の軍人たちの勇ましさを想い、英国のネルソン提督に比べても良いのではと思ったり、元帥と提督の違いは?などと考えているうちにお経の時間が来てしまいました。 この日は若いお坊さんでうぐいす色の袈裟が華やかで、声も張りがあってとても爽やかでした。毋が大好きな冬のみかんとアーモンドチョコとアメリカから持って来た巨大なスイスのチョコレート(お坊さん用)がお供えです。 新しいお卒塔婆を頂いたものの,母のお墓にはこれを建てる大版傘立てのようなものがなく,良く考えたら,母はこの卒塔婆が嫌いで今まで拒否して来た様な記憶がよみがえって来ました。古い卒塔婆の集合体はみすぼらしくて,少し不気味でもあります。立てるところがないのでお墓の裏に横にして置いて来ましたが、そのうちお寺から通知が来るかもしれません。 帰りに喫茶店でビールを飲んだ程,暖かい日和でした。 東郷寺の前庭 お寺の前には紅梅が。 東郷元帥 大広間には元帥の筆跡があちこちにあります。

OSCAR DAY FEB 28 2016

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OSCAR   DAY    FEB  28  2016 2月28日、朝届いた新聞も、つけたテレビもオスカーの洪水! 約8日間日本に行って、昨日帰ってきただけに新鮮と言えば新鮮ですが、やはり長く居たロスアンジェルスの世界的行事の扱いに過剰を感じてしまいます。 オスカー予想は数時間ごとに変わりますし、やれオスカー シェフのウルフガング プックのメニューの紹介、スターが着るドレスの予想、ゲストの紹介からポストオスカー パーテイーのリストなどなど、もうこれでもか!のオンパレードなのでした。 司会者のクリス ロックが黒人として、どの程度までデンジャラスなジョークを言うかという期待が目下のところの予想できない一番の楽しみでしょう。 日本の寒さにすっかり風邪をひいてしまい、まだ咳が突発的に出るので、今日はテレビの前でゆっくりと観戦します。 レオ デイカプリオが露出過剰なので、彼を省いて、好きな4人の写真を載せます。予想ではありませんから。 サーシャ ローナン 「ブルックリン」主演女優賞候補 「マッドマックス」のジョージ ミラー 監督 「レヴェナント」のトム ハーデイー 「キャロル」のケイト ブランシェット

JAPAN FEB 20 - 27 2016

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JAPAN   FEB   20  -  27   2016 2年前の大雪の日に亡くなった母の三周忌のために昨日から日本に来ています。 19日にロスを出た時はカルフォルニアの快晴の天気、20日の午後に成田に到着したら、暗い灰色のどんよりとした雨でした。 時差で今日21日は午前2時からバッチリと目が覚めて、これからの行動予定や、お寺に持っていくもの、諸々の義務を確認したりと一人娘の孝行を果たしています。 誰かが書いてましたが、苔のむした、湿度が高そうで、虫が好きそうな墓地に埋められるより、自分で石を求めて、デザインし好きな場所を選べたらどんなに良いだろうと。 母が88歳で亡くなる1年前頃の写真 東郷寺の有名な黒門 私もお寺のお墓のオドロオドロお化けイメージが恐ろしいので、すでに遺書で灰を大西洋に撒いて欲しい、娘にもその旨を伝えています。 小さい時から法事とかお墓詣りとかお坊さんなどが出てくる行事が好きではなかったので、死んだら自由に灰と一緒に飛んで行ってしまって、たまに思い出して貰えば充分だと信じています。 というわけで今日は母のために頑張って行ってきます。

RYAN REYNOLDS 2016

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RYAN   REYNOLDS    2016 目下全米で驚異的なヒットを飛ばしている「デッドプール」で主役のヒーローを怪演中のライアン レイノルズ。 かかりつけの歯科医のアシスタントの女性が彼の大ファンで、「キュートでスウイートで、セクシー。何もかもが好き!」とべた誉めなのですが、こちとらとしては、今いち、そうかなーと頭を振りざるを得ません。 いつも驚くのは彼がスカーレット ヨハンセンと結婚し、さらに離婚して、今はやはりブロンド美人のブレーク ライブリーと結婚して、女の子まで生んだというスターとの結婚歴です。美女はどちらかというと野獣っぽい男性に惹かれるといいますし、並んで立った時に自分を光らせてくれるという利用価値もありますが、このハリウッドの2大美女スターがライアンに参ってしまって、結婚までしてしまうと言う大原因が不可解極まりないのであります。 他人の勝手、好みなどどうでも良いぐらい心得ていますが、 記者仲間が集まると往々にして出てくる疑問ですから、(男性の場合はあくまでやっかみ、が理由でしょうが)、多くの人も首をひねっているはず。 「デッドプール」は皮膚がただれる疫病にかかった男がスーパーパワーを得て、今まで意地悪してきた人々を懲らしめるといったようなストーリーで、マーヴェル コミックスという漫画の一人なのです。ですから、普通のスーパーヒーローと違って、セックス大好き、悪口雑言を吐き、なんでもおちょくるという今のヤングの典型な行動をして、それが大いに受けたのでしょう。 ライアンはこの企画を実に11年間も映画化したいと暖め、制作側にも加わって、予算も切り詰めての「レイボア オブ ラヴ」(血と汗の結晶)の完成となったために、今回の会見は思い切り興奮して、はしゃいでいました。 まるで主人公になりきったように、ギリギリでの危ないジョークを連発、例えば 「ブレークが大好きだから、カナダのアップルパイをお土産に買って、さて国境に着いて、ほら、僕は映画スターだろ?検査官はすぐにパイの中に強力なドラッグとか隠しているんじゃないかと疑ってくるのじゃないかと気が気じゃなかった。だから真面目に純粋なアップルパイですと白状したんだ。わざわざ申告する必要のない食べ物なんだけどね。かえって注目を引いて、パイにナイフをズブズブ入れられるんじゃないかってやきもきした

HELEN MIRREN 2016

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HELEN   MIRREN   2016 ヘレン ミレン、昨年暮れの「トロンボ」(15)でハリウッドのゴシップ コラムニスト、ヘッダ ホッパー役を怪演した時の会見には前夜東京映画祭から戻ったばかりというのに生き生きとしていましたし、今年のゴールデングローブ賞では、この役で助演賞、「黄金のアデール」(15)では、ナチに奪われた家宝を取り戻そうとするユダヤ人の女性を演じて、主演女優とダブル ノミネーションの大活躍でした。 残念ながらどちらの受賞も逃しましたが、70歳にして映画にテレビに舞台に忙しく出演するエネルギーにはいつも仰天です。 今年に入ってすぐに「アイ イン ザ スカイ」(16)の会見があり、この前夜だかにパームスプリング映画祭か、他の授賞式に出席してきたばかりというあいかわらずの多忙ぶり、にもかかわらず、しっとりとした肌の美しく、艶やかなたたずまい、加えて、焦ったり、イライラしたりしない、バランスのある言動に感心させられます。 「アイ。。。」では英国軍人の役を威厳と自信と部下に対する責任と愛情をたっぷりと見せて、久しぶりの制服姿も凛々しく、シャープな体の動きも、あたかもずっと昔からキャリア軍人だったかのようでした。 最近亡くなったアラン リックマンが上司の大将の役をしていますが、残念なことに二人一緒の場での共演はなく、すべて電話でのやり取りばかり。 「アランとは大昔に「アントニーとクレオパトラ」の舞台で共演したけれど、とっても面白いジョークを連発するわ、モノマネは上手だし、独特のタイミングで会話を進めるし、なんといってもあのバリトンの声でしょう。誰でも彼に恋をしてしまう。英国人ならではのひねくれたドライなユーモアは最高にシャープでした。今回の映画で一緒になるチャンスがあるかと思っていたのに、なんとも残念で寂しい」 と悲しそうな表情を見せてました。 間もなく「コラテラル ビューテイー」(17年公開予定)という映画でウイル スミス、ケイト ウインスレット、キーラ ナイトリーというスター達と共演、面白そうな映画になりそうで、楽しみです。 英国の誇る、女性版騎士の勲章、デイムのタイトルがついた最高峰の女優陣、マギー スミス、ジュデイー デンチ、ヴァネッサ レッドグレーヴ(彼女は女王に勲章をもらうなどまっぴらと断っていますが)より、年齢で

RALPH FIENNES 2016

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RALPH   FIENNES    2016 明日は聖ヴァレンタイン デイ です。すでに昨日近所のスーパーでサーモン ピンク色のバラを買いました。ほとんどの人は真紅のバラを買ってますが、濃い赤色ってインテリアを暗くするし、あまりに凡庸で求めたことはまずありません。 さて今年のヴァレンタインは一時はアイドルぐらいのスターでしたが、今はすっかり髪も後退して渋い中年の魅力が滲み出てきたレイフ ファインズ としましょう。 1997 OSCAR AND LUCINDA 誠に妙なヘヤースタイルで現れました。 1999 THE  END OF AFFAIRS 「ことの終わり」ハイウエストのズボンに注目 2002   MAID IN MANHATTAN 1995 STRANGE DAYS コーエン兄弟の新作「ヘイル シーザー」(16)は1950年代のハリウッドの豪華スターたちとその取り巻きたちのエピソードを綴った愉快で華麗な喜劇映画です。 往年のヴィクター マチュアーをパロデイーにしたジョージ クルーニーが大スターで目下ローマ軍人の役を演じているうちに、共産主義のグループに誘拐されるます。 エスター ウイリアムズもどきのスカーレット ヨハンセンは人魚の衣装が独身のくせに妊娠したためにきつくてたまらないとタバコをプカプカ吸いながら文句を言い、プロデユーサーのジョッシュ ブローリンがスキャンダルを阻止するべく、夫用の男性探しに奔走したり、 ヘッダ ホッパーのようなゴシップコラムニストが実は双子でそれぞれにスクープを狙う光景もテイルダ スウィントンが演じるとシャープさが増します。 ここでレイフはエレガントで女性っぽい、俗に言うドローイングルーム(絵画室、一種の応接間)ドラマ(豪華な室内で豪華な服のハイソの人々の会話で進行する劇)専門の監督をとびきり愉快に演じています。その手の舞台劇の戯曲家で名高いのはノエル カワードでしょう。 2015  GOLDEN GLOBE AWARDS 2013  INVISIBLE WOMAN 1993 SCHINDLER'S LIST 投げ縄が上手で馬に飛び乗って歌を歌う西部劇のスターのロイ ロジャースなどをパロデイーにした人気スターをアルデン イーレンリッチ