風と共にハリウッド

MAURA  TIERNEY 目下大評判のテレビシリーズ「ジ　アフェアー」（The Affair）で主人公の男性（ドミニック　ウエスト）の妻役で今年のゴールデングローブ　テレビ部門の助演女優賞にノミネートされた　モーラ　テイアニーはあまり有名ではありませんが、かなり長いキャリアのベテラン女優です。 このドラマはタイトル通り「情事」が主役で、登場人物はすべからず情事、浮気をして、最初のめくるめくエクスタシーから、家庭の悲劇、醜い過去、などが露出して、単なるメロドラマでなく、とても味のあるストーリー展開を見せてます。何と言っても主人公の男女、ドミニックと浮気の相手になるルー ス　ウイルソン　の激しいセックスが見もので、二人とも英国人でいながらアメリカ人を演じているのが原因なのか、ヌードなどへいちゃらなのか、毎度全裸で際どいセックスシーンを見せてくれます。 モーラの役はニユーヨークのリッチなワイフで子供が３人と最初は捨てられた妻の役を地味に演じていましたが、回を重ねるにつれ、彼女も夫の友人とこれまた激しいセックスをし、ルースの夫（ジョシュア　ジャクソン）もまた色々な女性とセックスをし、と登場人物全員がまさに裸の劇演を繰り広げるのです。誰もがグッドルッキングな上に、素晴らしい体の持ち主なので、見ている方はただただ見とれてしまうという、裸の美しさに充満したドラマなのです。 実はモーラにこれまで何度か会っているのですが、このテレビド　ラマまではあまり注目してませんでした。一度はワン　オン　ワンのインタヴューを断ったことさえあります。 １９６５年２月３日ボストンの高名な政治家の父親と不動産業の母親の元に３人の兄弟の一番上に生まれ、恵まれた家庭に育ちました。大学在学中ににユーヨークの演劇グループに入団し、舞台やテレビ、ひいては映画に出演するように。 「ライアー、ライアー」（９７）という映画では主人公のジム　キャリーの妻の役を演じています。 同じ俳優のビリー　モリセットと９３年に結婚してますが、０６年に離婚、子供はいません。 育ちの良さがハングリー度を弱めているようで、主演作はまずありませんし、どの写真を見ても、メークは薄め、ドレスもシンプルで上質ですが、全く華やかさを見せないところも彼女の前面にでたがらない人柄を見せているようです。 会話をすると、

LIEV   SCHREIBER   2015 リーヴ　シュライバーは大柄で逞しい肉体派の外見ですが、実際は演技派性格俳優です。 今年のゴールデングローブ賞のテレビ部門、ドラマシリーズ「レイ　ドノヴァン」（２０１３−）で主演賞の候補になりました。 ２０１０「橋からの眺め」ブロードウェイ劇 ２００６「オーメン」 「レイ　ドノヴァン」は、ボストン出身のハイソの便利屋で、セレブのアクシデントがあれば出て行って、マスコミの目から隠す作業をしたりするクールガイです。彼の家族、父親は永遠にワルで刑務所から出ていたばかりのジョン　ヴォイド、ボクシング後遺症で中風になってしまった兄貴を英国の曲者俳優、エデイー　マースデン、頭がちょっと弱い弟をダッシュ　ミホック、そして黒人の末弟（ジョン　ヴォイド扮する父親はブラック　アイリッシュの突然変異と説明してますが）をプーチ　ホール、というとびきりへんちくりんな構成で、現在は全員ロスアンジェルスに住んでいます。 レイは赤毛で勝気な妻と二人の子供と郊外の高級住宅地に住み、高校生の子供たちはしょっちゅうリッチな子供ならではのトラブルに巻き込まれたりで、仕事でも家でもレイは落ち着く余裕なし。頼りになるグッドルックスの持ち主なのでしばしば女性に言い寄られ、しっかりそれに応える一種のプレイボーイでもあります。 今年のリーヴはテレビシリーズの他に映画「スポットライト」のボストングローブ紙のユダヤ系編集長、「完全なるチェックメイト」では、アメリカのボビー　フィッシャーと対決するロシアの世界チェスチャンピオンのボリス　スパスキー、ボクシング映画「クリード」のナレーター役、ともう１本のテレビ出演とおそろしく多忙でした。 それでも自分の映画やテレビのイベントのみならず、 美しいコンパニオンのナオミ　ワッツの出演する映画のプレミアにも、映画スタジオが企画する数々のイベントにも進んで参加する非常に優しい人柄を見せています。 １９６７年１０月４日カリフオルニア州のサンフランシスコに上流家庭のプロテスタント信者の父親とユダヤ系の共産主義者でヒッピーの母親のもとに生まれ、全く異次元の両親の絶えない喧嘩のために、アメリカ各地を転々として育ったそうです。結局離婚した両親でしたが、それでも親権をめぐっての争いが絶えず、ドラマが続く生活を送

EVA    GREEN    2015 怪奇テレビドラマ「ペニー　ドレッドフル」（１４−）で　ゴールデングローブテレビ部門の主演女優賞にノミネートされたエヴァ　グリーンはまことに時代劇の幽閉された王女のような、長年太陽に当たらず、大して食べもせず，古典を読み漁っている様な、ちと風変わりな美人女優です。 「ペニー　ドレッドフル」でも壮絶に血しぶきを浴びながら，平然とした姿を見せる　と言った見せ場のシーンをドラマチックに，華麗に演じてしまいます。 １９８０年７月５日　フランスのパリ生まれ。父御はスウェーデン人の歯医者、母御はフランスの有名な女優のマルレーン　ジョーヴェール、フランスと英国の両方で演劇を学んだというヨーロッパの香りが当然の育ちを経て、ニューヨークでは監督や演出も学びました。 フランスの舞台に出ている時、イタリーの巨匠、ベルナルド　ベルトルッチに見出されて「ドリーマーズ」（０３）で映画初出演。シャイなようでいて、大胆な性格がバスタッブで全裸になったりするところに見られます。 「００７カジノロワイヤル」（０６）では近年のボンドガールとしては初めて、ボンドに本格的に愛される女性を熱演、二人の情愛あふれるシーンが注目されました。 エキゾテイックな美貌とゴシック風のスタイル、スリムな体はファッション界にも評判で、高級ブテイックのモデルなども時々しています。 外見だけ見ているとおっかなそうですが。育ちの良さと教養が慎ましさを人格に備えて、とてもおっとりとした優しい女性でもあります。 私生活をあまり見せないエヴァですが２０１１年頃には一度だけジョニー　デップとデイトしている光景がレポートされてます。二人のゴシック度の波長があったのでしょうか。 「ペニー　ドレッドフル」ではスピリチュアリスト（巫女　とでも訳しましょうか）を演じているのですが、 「私は信心深くないけれど、スーパーナチュラルな現象は信じるわ。この世のどこかに現実を超えたフォース（力）があることは認めています」 と彼女らしいコメントもしていました。 ２００６「００７　カジノ　ロワイヤル」でダニエル　クレイグと。 ２０１４「ペニー　ドレッドフル」昔の００７、テイモシー　ダルトンと ２０１２「ダーク　シャドウ」 ２０１４「ペニー　ドレッ

MARK   RUFFALO   2015 毎回　鋭い演技力を発揮する、しかしスター性を全く持たない「いぶし銀」系の俳優がマーク　ルファローでしょう。 今年は「スポットライト」（１５）と言うボストングローブ紙の記者たちが地元のカトリックの神父たちの児童性的虐待を暴く映画で記者のひとりとして光ってますが、ゴールデングローブ賞の候補になったのは「インフィニットリー　ポーラー　ベアー」（１５）と言う精神病をテーマにした喜劇での主役でした。バイポーラー（両極）デイスオーダーと言う躁鬱症に似た精神病を病む父親が別れた妻に戻って来るように色々な苦労をするというストーリーで、この症状は最近とみに明るみに出て来た心の病なのです。 マークはこの２本の他にも「アベンジャーズ　エイジ　オブ 　ウルトロン」と言うアクションものと「ナウ　ユー　シー　ミー２」（グランド　イリュージョン２）に出演とひどく忙しい年でした。 昨年は「フォックスキャッチャー」（１４）のオリンピック レスリング　チャンピオンの兄第をマークが兄、チャニング　テイタムが弟を熱演，わたくしはこのふたりの他にステーヴ　カレルの大富豪デュポンの息子役の３人はオスカーk追う歩確定と思ったのですが、惜しいかな、若いチャニングはまだまだ肉体美のお兄ちゃんという認識が強すぎたせいか、マークとステーヴが晴れて候補になりました。 と言うように彼はどの映画でも好い加減に演じたりしない、真面目で、チームスピリットに溢れた良い奴なのです。 １９６７年１１月２２日　ウイスコンシン州のケノーシャに生まれ、建設現場のペンキ屋の父御とヘヤードレッサーの母御のもとに生まれ、高校卒業後名演劇コーチのステラ　アドラーの下で演技を学び、すっかり無台熱にはまって，俳優から監督、脚本、照明、舞台装置などの全ての仕事を手がけたそうです。 映画ではローラ　リニーの駄目弟を演じた「ユー　キャン　カウント　オン　ミー」（００）でその演技力が認められ、以後、安定した役作りを続けています。 2013 「グランド　イリュージョン」 ２００１年にマークは脳腫瘍の手術を受け、その後しばらくは顔の筋肉が麻痺して俳優業は無理ではと言われましたが、自分でリハビリを繰り返して、見事に完治したという決意と信念の人でもあります。 2014  FOXCAT

MAGGIE   SMITH   2015 つい先日　ロンドンのマギー　スミスとスカイプでインタヴューしました。彼女が主演の「ザ　レイデイー　イン　ザ　ヴァン」（１５）と言う実在のホームレスで、ぼろなヴァンを住宅地に停めて、近所の家のトイレなど借りて暮らす謎の老婦人を例によって、マイペースでお気楽に演じた映画のプロモーションが目的です。この老女は中流の外見を気にする近所の人々の困惑など全く意に介さず、ホームレス独特の重ね着をして、よたよたと歩き回ったり、哲学的な意見を吐いたり，人をこき使ったりと堂々とした態度で自分のしたい事をしています。そしてある日ピアノの前で突如、美しい曲を最初はもたもたと，次第に流れるように弾きだして，彼女の前身が垣間見えるという、マギーの為に書かれた様なドラマでした。 此のところ，英国の人気テレビシリーズ「ダウントン　アビー」（１０−１６）の伯爵夫人役で色々な賞にノミネートされていましたが，今回のゴールデングローブ賞では喜劇映画での主演賞候補に。又もやのシニアパワー　全開で、実におめでたい事です。 今年は「ダウントン」の撮影に加えて「マリーゴールド　ホテル　幸せへの第２章」（１５）でもインドの地で健闘していますし，昨年は「パリ３区の遺産相続人」（１４）でエキセントリックなマダムを演じるなど、スタミナも素晴らしいのです。 ロンドンのマギーはブルーのドレスに紺色のストールを肩から流して，髪も優雅にセットされ，肌も瑞々しく、声もしっかりしていて、例えば伯爵夫人の声はかなり高くて、威厳に溢れていますし、ホームレスの方はかすれ声で威張るのですが、画面の彼女は実際の８１歳よりずっと若く，活き活きとしていました。 「ヴァンは持ってませんが車は毎日運転していますよ。田舎に住んでいるので自分で運転しないと何も出来ませんから。一番好きな時間はラジオ３と言う番組で古典音楽を聞く事でしょうか。自分で家庭菜園の野菜でお料理したり，出来る限り独立した生活を保っています。 デイムと言う称号を持っていても何も変わりません。ただの英国人ですから」 そして昔のこと、例えば初めての映画「予期せぬ出来事」（「VIPs」）（６３）でのエリザベス　テイラーとリチャード　バートンのスター性，良く助けてくれたジェラルデイン　ペイジの思い出などをはっきりと覚えていて話して