ANNETTE BENING 2016
ANNETTE BENING 久しぶりに会ったアネット ベニングは内面の清涼感がさらに増して、まるでにこやかな尼僧のような雰囲気を漂わせていました。 昔からハリウッドのスターにしては、透明感がある、掃き溜めの鶴のような存在でしたが、今年58歳、風雪を経た知恵がたおやかで、平穏な人間性を見せるようになって、そばにいると安らかな気分にしてくれます。 今年はまず夫君のウオーレン ベイーテイー監督の「ルールス ドント アプライ」(16)での母親役、それから 「20センチュアリー ウオーマン」(16)では主役と大活躍で、数々の映画雑誌や新聞の映画欄に登場しています。 「ルールズ。。」では主演の若手女優、リリー コリンズの保守的でマナーに厳しい母親を控えめに演じて、無意識に夫君を立てている優しさが感じられますし、「20世紀。。」では、シングル マザーとして自分の生き方を貫く、ちょっぴりヒッピー風な50歳ぐらいの女性をさわやかに演じて、どちらも人工的でない美しさを保っているルックスがまた心地よいのです。 大好きな映画の一つ、「グリフターズ」(90)でセンシュアルで、シャープな女泥棒役をして、一躍ハリウッドの注目を引いた時に初めて会いましたが、その時から、スター街道などに興味がない、深い知性を感じ取りました。当時32歳、映画の中で全裸で走り回る姿が可愛くて、美しくて、とても良い印象を受けたのを覚えています。この役でアカデミー助演賞の候補になりました。 「バグジー」(91)で共演したウオーレンがそれまでの独身貴族のタイトルを捨てて、アネットと結婚したのもよく分かります。この二人は非常に仲睦まじく、4人もの子供が生まれました。 長女のキャサリンは14歳の時に自分は男性と宣言して、性転換手術を受け、24歳の現在はステファンという名で、トランスジェンダーの支持活動に励んでいます。 1958年5月29日 カンサス州トペカ 生まれと中西部の安定した誇りが覗けます。父御は保険屋、母御は教会のソロ歌手と言う家庭に育ち、中学校から演技に興味がわいて、舞台劇「サウンド オブ ミュージック」の主役を演じたそう。ジュリー アンドリューズに迫る歌唱力を見せたかどうかはともかく、舞台の魅力にズンとはまったようです。 ちなみに母御は英語の発音のコーチとしても知られ、アネットも正確で