TOM WILKINSON 2017

TOM  WILKINSON   2017

トム ウイルキンソン と言えばもう名バイプレイヤー
の一言でしょう!
大柄で、ソフトなルックスの彼が出てくると、もうそれだけで渋い味わいのある場面になるに決まっています。
映画におなじみでない方でも、彼を見たら、ああ、あの映画の弁護士、医者、と思い出すはず。それほどに多くの映画に大きな役でなくとも、しっかりと存在感を残して出てきます。

キネマ旬報3月上旬号(2月20日発売)の私のページにトムのことを書きました。毎号、少し歳をとった俳優、女優たちのプロフィールやインタヴューの思い出を綴っているのですが、なんと担当の編集の方(世界一のハードワーカーです)とのやりとりのすれ違いで、すでにトムのことをずっと以前に書いたという事実が分かりました。既に私は黙々と原稿を書き、彼はそれを黙々と編集していたというのに、お互いに全く忘れていたとというほどに名脇役なのです。
そこはかとない、侘しさと孤独の悲しさを演じたら最高ですし、欺瞞と悪徳の権力者の役もずっしりと現実味を込めて演じ上げてくれます。

ウイルキンソンという炭酸水が大好きでしたが、これはなんと日本でできた飲料水なのですね。英国人の祖先か何かしら関係があるのかと調べたら、明治時代からの国産ソーダなのでした。

キネ旬に紙面の都合で載せられなかった面白いエピソードを紹介しましょう。
「僕は貧しい家に育ったので、自分の家を持ったら、床全体に絨毯が敷き詰めてある家にすると夢見ていた。絨毯は裕福な家でしか見ない代物だったから。
妻と結婚し、少しばかり金がたまり、待望の家を作る時になって、カーペットが敷き詰められた家で育った妻は、新しくてスマートなルックの木の床が良いと主張し、僕は今更木の床なんて、とんでもないと反抗したのですよ。結局ワイフが勝ちましたが、家の趣味とかセンスの前に、育った環境に大きな影響を受けてしまうのですね」

1948年2月5日 西ヨークシアのリーズ(Leeds)の農家に生まれ、あまりに貧しいためにまだトムが小さい頃、両親は新天地を求めてカナダに移住、しかしここでも生活は改良せず、再び英国に戻るという厳しい生活を味わいました。

彼が最初に最も注目を浴びたのは「フル モンテイー」(97)でしょう。以後、英国よりハリウッドの映画に多く出演しています。
2016年には「デナイアル」(拒絶・否定)でナチのホロコースト否定説を主張する英国人(テイモシー スポール)を相手に戦う弁護士の役をエキセントリックに、しかし気高く演じています。こんなことがあったのかとびっくりする事実を描いた映画ですから、機会があったらぜひご覧ください。
毎年3本づつぐらいのペースで映画に出ているトムの現在の出演映画の合計本数は124本と大変な忙しさなのです。
1998   GOVERNESS



2016  DENIAL




2016「デナイアル」の弁護士役。

2001「イン ザ ベッドルーム」右はシシー スペイシック。

1997



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