SCREENING OF VERMIGLIO, AN ITALIAN FILM
11月22日(金)
娘がニューヨークから戻ってきた翌日、今季のオスカー出品作イタリー映画「ヴァーミリオ」VERMIGLIO (24)を観に行きました。
珍しく午後4時からの上映で魔の金曜日の混雑をちょびっとだけ避けることが出来ます。場所はビバリーヒルズ近くの始めて行くメトロポリタン劇場 METROPOLITAN 、映画の後のレセプションは劇場の後ろにあるレストラン「A.O.C.」と招待状にあって、3人で早めに出発。もう一人参加するはずのハワードは病気のため欠席してます。
ビルの中にあるメトロポリタン劇場は意外に小さく、私達は離れ離れに座ることに。
映画は 1944年「ヴァーミリオ」というオーストリア国境近くの山岳地帯の村に、ある日脱走兵のピエトロ PIETRO が現れ、村の学校の教頭にして教師の娘、ルチア LUCIA が恋をしてしまいます。村人たちは賛否両論を吐きますが、若い二人はあっという間に妊娠、結婚式を挙げてお腹も目立った頃にピエトロは郷里に戻らなければならないと妻を置いてきぼりに。何ヶ月経っても便りがなく、やっとピエトロが死亡という通知が届き、産後まもなくのルチアは一人でピエトロの故郷に向かい、ここでショッキングな情報を得て何もする気が起こらなくなり、身だしなみにも気を使わず、馬小屋で寝起きしたりする日々が続きます。
ある時、預けておいた赤ちゃんを抱いて突然母性愛に襲われて、街で働いてお金を稼ぎ、赤ちゃんをしっかりと育てようと決意するという戦中、戦後の貧しい村落の日々をゆっくりと、しっとりと描いた秀作でした。
監督はマウラ デルペロ MAURA DELPERO と言う1975年生まれの若くて美しい女性で、代々家族がこの村落に住んでいて、自分の祖父、祖先の山の中での暮らしぶりを描きたかったとスピーチ。
感心したのは、不便な山の中の生活にも関わらず、着ている服、台所のリネン、ベッドのシーツ、レースのカーテン、赤ちゃんの服の襟にもしっかりとレースをあしらうエレガントで清潔な習慣、食料がないために搾りたてのミルクを少しずつ分けてパンと食べる平和な朝食の光景、この家族の父親は学校の教頭兼教師でクラシックのレコードを聞きながらイタリーの詩を教える格調高い存在で、妻は年中妊娠中、ルチアを筆頭に既に10人ぐらい子供が居るという,忙しくて微笑ましい毎日なのです。
レセプションはというフランスのビストロで、2階を貸し切っての会場、ここに監督のマウラがきれいなワンピースで現れて出席者の質問に答えていました。
ブッフェでフライドチキン、ローステッドカリフラワー、色々なデイップ、焦げ目がついたパンとブラータチーズ、などをピックアップし、ポルトガルの白ワインで乾杯、とてもさっぱりとして美味しいワインです。
隣にワタクシのメガネに似た太い黒縁の眼鏡をかけた女性が座って、話を始めたら、なんとイタリア映画協会の役員で、ナヴィナ サッタ NAVINA SATTA と言う名前だそう。ワタクシの知り合いのイタリーのジャーナリストを殆ど知ってました。
娘は甲斐甲斐しくハンスとワタクシに食べ物やワインを運んできたりしてます。
夜の運転にハンスもワタクシも自信がないのですが、既にガラージから車を出す時に囲んでいる柱にぶつけそうになって、冷や汗ものでした。それでも何とか無事に家にたどり着いてホッとしたのでした。
物質的なものは何も無い、しかし、息を呑むように美しい山の中に住む家族たちのつながりに心が和む映画です。機会があったらぜひご覧下さい。
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ビストロの雰囲気が伝わってくるでしょう! |
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同じような眼鏡のナヴィーナ女史 と。 |



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11月23日 ヘヤーカットをした後の娘。 |
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スッキリとした顔になりました。 |
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レストランの横側。(ネットから) |
れす
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レストランの入口 (ネットから) |
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2階に登る階段 (ネットから) |
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