TIMOTHY SPALL

TIMOTHY    SPALL


まもなく、又は既に日本で公開中の「 ターナー 光りに愛を求めて」(原題 ミスター ターナー、2014)、英国の光の風景画家,ターナーを演じたテイモシー スポールの名前を聞いた事が無くても,顔を見ると「あ、どこかで見た面白い顔!」と思い出す筈。


2014  MR. TURNER
ずんぐりむっくりの体に,くしゃみ寸前のような,愉快な顔で、「ハリポタ」のウオームテイル(虫の尻尾)を演じたり,「秘密と嘘」(96)、「ステイル クレイジー」(98)でのツアーマネージャー役,「ラストサムライ」(03)ではトム クルーズに付く日本語通訳(!)の役,「英国王のスピーチ」(10)では何とウインストン チャーチルの役,などなど一風変わったルックスでしっかりと場面盗みをする名優です。
脚本無しに即興の演技を求める英国の鬼才,マイク リー監督のレギュラーとしても有名で,今回の「ターナー,光に愛を求めて」では、ふたりでコラボレートした作品7本目となります。
1957年2月27日 英国はロンドン生まれ,しっかりと名門 RADA(王室演劇アカデミー)を出て,古典の基礎を踏まえ,81年テレビ局の面接で当時 革命的なテレビドラマを監督していたマイク リーに認められ,テイモシーの脇役キャリアーが始まりました。
詳しいインタヴューは,7月4日発売のキネマ旬報7月下旬号に載りますから,このページでは彼のターナーの役作りをちょっと紹介しましょう。
「突然マイクから絵を習って来いと言われ,基礎と基本をみっちりと2年間学び,ターナーの絵のコピーなどかなりのものが書けるようになった。それから又2年の間,ターナーのリサーチと共に絵画も怠らず,合計4年間 役作りにかけた。何時もマイクは出演者達に役になり切って撮影に臨むように要求する。脚本が無いから,役者は時分で即興の台詞を言い,相手もそれを受けて即興で返すというプロセスを繰り返しているうちに、ドラマが成り立って行くのだ。マイクの厳しいコントロールのもとにね。自宅の居間に僕が描いたターナーの作品がかけてあるのだが,時分でも驚く程に素晴らしい出来で,おそらく彼が乗り移ったからこそ、こう言う作業が出来たに違いないと思う」

母親が強度の精神病だった為に子供の頃からまともに話が出来ず,その不満を絵画にかけて,英国の最高峰の画家となったジョセフ マロード ウイリアム ターナー(1775−1951)の半生を描いた,この作品での役で,テイモシーは2014年のカンヌ映画祭の最優秀主演男優賞を受賞しました。美しい英国の田舎の風光明媚な景色を見るだけでも充分に楽しめる映画です。

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