STEVE ZAHN 2017
STEVE ZAHN 2017
「猿の惑星:WAR FOR THE PLANET OF THE APES」 (17)は今までのシリーズの中でも、最も深刻で、暗く、暴力的ですが、ステイーブ ザーン扮する「バッドエイプ」(悪い猿)の存在が愉快で、唯一、笑わせてくれる役なのです。人間社会に慣れている「飼い猿」だったために、妙な考えと習慣を持っているのが、自然界で生き抜いてきた猿たちと微妙に食い違って、これがおかしな会話や場面になっています。
ステイーブには何回も会ってますが、いつも「僕なんか重要でも有名でもないから、おどけて自分も楽しんでやろう!」という脇役、それもコメデイアンの悲哀と諦めのような雰囲気が漂って、それが彼の控えめな人間性を引き立てています。
「猿の役だって言うのに、アンデイー サーキスを筆頭にベテランの俳優たちは、ものすごく真剣に演じていて、まず最初に猿になりきるための訓練があるんだ。気軽に腕をぶらぶらさせて、顔を長くしたりの「真似」じゃなく、朝、起きた時から猿になりきって、猿の精神状態を維持しなくちゃいけない。その上、本格的な猿の動作、表情、それはもう大変な練習の繰り返しで、実際に猿を観察して、仲間意識を築き上げるほどなんだ。家族がみんな、パパはお猿になちゃった!とびっくりしていた。無意識に外のレストランなどでも、猿の行動をしてしまって、周囲から変な目で見られたこともしばしばだった。
僕はちゃんと演劇学校で基礎を学んだが、猿になるのはそんな生易しいものではないと悟ったのだよ。アンデイーたちの猿の演技と言ったら、そこらのシェイクスピエア俳優なんてレベルじゃないのだから!もう崇高を極めて、僕は畏敬の念で眺めていたほど」
とあの、愉快な顔を歪めて、感嘆の表情を浮かべて話していました。
映画を見ている時は、実に本当のお猿たちのように豊かな表情と鮮やかな動きをするので、人間が演じているのを忘れてしまうのですが、それは彼らのものすごい努力の結晶なのだと知りました。
さてステーブに初めて会ったのは「ロードキラー」(01)
JOYRIDE という当時はまだ青春映画の美形若手で無名だったポール ウオーカーが主演、ステーブが彼の相棒を務め、リーリー ソビエスキーと3人がドライブに出て、サイコパスのトラック運転手に追いかけ回されるという、ロードムービーの時。この年にポールはメガヒットとなった「ワイルド スピード」に主演して、大人気スターになりました。
2013年に車の事故で急死したのはご存知でしょう。
その故ポールのファンでしたら、絶対にオススメの映画です。
ポールとステーブが真っ裸でレストランに行くシーンはまさに爆笑ものでした。
その後も何度か会見で会ってますが、ドイツ人の常識や制限を無視するので有名な監督、ヴァーナー ハーツオッグの「レスキュー ドウン」(06)の時も、ひとしきり感慨にふけっていて、感激屋さんなのだなーと思ったのです。
この映画はベトナム戦争中の兵隊が、ジャングルの中、飢えと奇病と敵と戦いながらサバイバル という見るのもおぞましく、痛々しい映画で、主演はクリスチャン ベール。ジェレミー デイヴィスと言う、極端に役作りに凝る俳優とステーブが彼と共に辿る飢餓の道で、3人とも餓死寸前の体になって出てきます。
「ある夜、ジャングルの中でおしっこをした後、ふらっとして気絶してしまった。まあ、酒の飲みすぎかなと思ったのだが、よく考えてみると数週間酒など口にしていないじゃないか!実は空腹のために失神したのだったのだよ」
と白状していました。
この3人とも、役作りのためなら、なんでもする極限俳優たちですから、その異常に痩せた体にはショックを受けますし、同時に彼らの妻なり、母親だったら、さぞ心配するであろうと余計なことまで考えてしまったのでした。
ステーブは1967年11月13日、ミネソタ州のマーシャル生まれ、父親はルター教会の牧師、母親はYMCAで働いていたという家庭に育ち、少年時代から舞台に憧れ、かなりの数の舞台を経験、地元の大学を卒業しつつ、演技を磨いたそう。
「リアリテイー バイツ」(94)でウイノナ ライダーとイーサン ホークと共演して、ハリウッド映画の若手俳優の仲間入りをしました。
ほとんどの役が、コミック リリーフ(主役でなく、喜劇的代打)ということに不満を感じないかと聞かれて、
「どんな役でもありがたいと思っていす。機械をもらえるだけでも本当に嬉しい」
と真面目に答えています。
私生活は、ケンタッキーのレキシントンに、この町生まれの奥方と二人の子供と住んでいて、地元の大学、ケンタッキー大のスポーツイベントにしょっちゅう応援に現れるという、誠実な生き方をしていると言うのも、微笑ましく、嬉しいことです。
「猿の惑星:WAR FOR THE PLANET OF THE APES」 (17)は今までのシリーズの中でも、最も深刻で、暗く、暴力的ですが、ステイーブ ザーン扮する「バッドエイプ」(悪い猿)の存在が愉快で、唯一、笑わせてくれる役なのです。人間社会に慣れている「飼い猿」だったために、妙な考えと習慣を持っているのが、自然界で生き抜いてきた猿たちと微妙に食い違って、これがおかしな会話や場面になっています。
ステイーブには何回も会ってますが、いつも「僕なんか重要でも有名でもないから、おどけて自分も楽しんでやろう!」という脇役、それもコメデイアンの悲哀と諦めのような雰囲気が漂って、それが彼の控えめな人間性を引き立てています。
「猿の役だって言うのに、アンデイー サーキスを筆頭にベテランの俳優たちは、ものすごく真剣に演じていて、まず最初に猿になりきるための訓練があるんだ。気軽に腕をぶらぶらさせて、顔を長くしたりの「真似」じゃなく、朝、起きた時から猿になりきって、猿の精神状態を維持しなくちゃいけない。その上、本格的な猿の動作、表情、それはもう大変な練習の繰り返しで、実際に猿を観察して、仲間意識を築き上げるほどなんだ。家族がみんな、パパはお猿になちゃった!とびっくりしていた。無意識に外のレストランなどでも、猿の行動をしてしまって、周囲から変な目で見られたこともしばしばだった。
僕はちゃんと演劇学校で基礎を学んだが、猿になるのはそんな生易しいものではないと悟ったのだよ。アンデイーたちの猿の演技と言ったら、そこらのシェイクスピエア俳優なんてレベルじゃないのだから!もう崇高を極めて、僕は畏敬の念で眺めていたほど」
とあの、愉快な顔を歪めて、感嘆の表情を浮かべて話していました。
映画を見ている時は、実に本当のお猿たちのように豊かな表情と鮮やかな動きをするので、人間が演じているのを忘れてしまうのですが、それは彼らのものすごい努力の結晶なのだと知りました。
さてステーブに初めて会ったのは「ロードキラー」(01)
JOYRIDE という当時はまだ青春映画の美形若手で無名だったポール ウオーカーが主演、ステーブが彼の相棒を務め、リーリー ソビエスキーと3人がドライブに出て、サイコパスのトラック運転手に追いかけ回されるという、ロードムービーの時。この年にポールはメガヒットとなった「ワイルド スピード」に主演して、大人気スターになりました。
2013年に車の事故で急死したのはご存知でしょう。
その故ポールのファンでしたら、絶対にオススメの映画です。
ポールとステーブが真っ裸でレストランに行くシーンはまさに爆笑ものでした。
その後も何度か会見で会ってますが、ドイツ人の常識や制限を無視するので有名な監督、ヴァーナー ハーツオッグの「レスキュー ドウン」(06)の時も、ひとしきり感慨にふけっていて、感激屋さんなのだなーと思ったのです。
この映画はベトナム戦争中の兵隊が、ジャングルの中、飢えと奇病と敵と戦いながらサバイバル という見るのもおぞましく、痛々しい映画で、主演はクリスチャン ベール。ジェレミー デイヴィスと言う、極端に役作りに凝る俳優とステーブが彼と共に辿る飢餓の道で、3人とも餓死寸前の体になって出てきます。
「ある夜、ジャングルの中でおしっこをした後、ふらっとして気絶してしまった。まあ、酒の飲みすぎかなと思ったのだが、よく考えてみると数週間酒など口にしていないじゃないか!実は空腹のために失神したのだったのだよ」
と白状していました。
この3人とも、役作りのためなら、なんでもする極限俳優たちですから、その異常に痩せた体にはショックを受けますし、同時に彼らの妻なり、母親だったら、さぞ心配するであろうと余計なことまで考えてしまったのでした。
ステーブは1967年11月13日、ミネソタ州のマーシャル生まれ、父親はルター教会の牧師、母親はYMCAで働いていたという家庭に育ち、少年時代から舞台に憧れ、かなりの数の舞台を経験、地元の大学を卒業しつつ、演技を磨いたそう。
「リアリテイー バイツ」(94)でウイノナ ライダーとイーサン ホークと共演して、ハリウッド映画の若手俳優の仲間入りをしました。
ほとんどの役が、コミック リリーフ(主役でなく、喜劇的代打)ということに不満を感じないかと聞かれて、
「どんな役でもありがたいと思っていす。機械をもらえるだけでも本当に嬉しい」
と真面目に答えています。
私生活は、ケンタッキーのレキシントンに、この町生まれの奥方と二人の子供と住んでいて、地元の大学、ケンタッキー大のスポーツイベントにしょっちゅう応援に現れるという、誠実な生き方をしていると言うのも、微笑ましく、嬉しいことです。
2006「レスキュー ドウン」右はクリスチャン ベール |
2006 RESCUE DAWN 右端のジェレミー デイヴィスの激ヤセぶり! |
2001「ロードキラー」 |
2001「ロードキラー」若々しいポール ウオーカーとリーリー ソビエスキー |
2001「ロードキラー」ステーブはお邪魔虫なのです。 |
2017 WAR FOR THE PLANET OF THE APES |
2006 RESCUE DAWN |
バッドエイプ |
主役のシーザーを演じるアンデイー サーキスの 深刻な顔です。 |
ステーブが装具をつけて、バッドエイプを演じると、仕上がりは右のようになります。 |
俳優たちがお猿らしく動くために、腕を延長する器具などつけて、パーフォームすとコンピューターがそれを 画面でお猿に変化するのです。 |
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