VINCENT PEREZ

VINCENT   PEREZ   


ヴァンサン ペレズはスイスはローザンヌ生まれで父御は貿易商のスペイン人,母御はドイツ人,自分の事を
「僕はヨーロッパ人」と呼んでます。

ヴァンサンの,頼りないと言うのか、何処か締まらない、と言うのか,凛としているタイプではなく、英國人やアメリカ人の美男のスタンダードとは違う南ヨーロッパ風な容貌は、それなりに、独特の魅力を持っています。自由気ままで何処にでも勝手に行ってしまうようなバガボンドのタイプと言いましょうか。
ヨーロッパのある記者が彼の事を「破滅しそうに危険な美貌の持ち主」と表していましたが,わたくすには、ちとピンと来ませんでした。
フランスの美男子と言ったら何と言ってもアラン ドロンとジェラール フィリップとジャン マレーでしょう。人気が高かったジャンポール ベルモンドとかジャン ギャバンは独特の性的魅力が売り物でしたが、ルックスはブルーカラーのやくざっぽい狼藉タイプでしたし。

1964年6月10日生まれですから,今年50歳。フランス語、スペイン語,イタリー語とドイツ語を流暢に操る彼は18歳の時にフランスに移り,かねてより憧れていたチャップリンを目指して演劇学校へ。パリの舞台で注目されます。
ジェラード デパデュー主演の映画「シラノ ド ベルジュラック」(90)で軟派のクリステイアンを演じて,スクリーンでも光り,カトリーヌ ドヌーヴ主演の「インドシナ」(92)で彼女の恋人役を熱演,昔のヴェトナムのゴム植林の女オーナーを妖艶に演じたドヌーヴはオスカー賞候補に。同時にヴァンサンのセクシーな存在がハリウッドの目にとまります。

この時初めて会ったのですが,額が非常に広くて、父ちゃん坊やのような印象を受けました。映画で見せる煙るようなセクシーさはみじんもなく(少なくともわたくすに取って),居心地悪そうな喜劇俳優のようでした。母国語では流れるような言葉で美しい表現をするのでしょうが,英語で話すとどこか固くて,今いち自由自在に話す事が出来ないもどかしさもハンデイキャップになっていたようです。

「僕はウェストから上はドイツ人で,ウェストから下はスペイン人なのですよ」
と冷徹な頭脳と性的に解放されたラテン気質を持っている事をユーモラスに話していました。

「クイーン マルゴー」(94)ではイザベラ アジャーニの女王と全裸のベッドシーンを繰り広げ,ヴァンサンの一物がちらりと見えるのです。彼の言ったとうり,ウエストから下の自信が見て取れました。

レイチェル ワイスと共演した「エミー フォスター」(97)(当時の題名は、SWEPT FROM  THE  SEA)では、海から救出された記憶喪失の男性と言う役柄で,どこかミステリアスなヴァンサンのキャラクターが活かされてました。

キム ベイシンガーがアフリカに住む女性を演じた「アイ ドリーム オブ アフリカ」(00)でも無国籍もののエキゾチックな存在でした。

最初に美男子に上げたジェラール フィリップが艶やかに演じた時代劇の剣士「ファン ファン チューリップ」(52)のリメーク(2003)にも主演して、今やフランス製古典劇のロマンテイックな役にはなくてはならないようです。

「女性の香り?何と言っても朝の女性の匂いが最高だ。思い出してもうっとりしてしまうね」
「僕には結婚と言う拘束が向いてないと思う」
などと独身生活を満喫していたヴァンサンですが、98年にセネガル出身のカリーン シラと結婚,彼女にはジェラール デパデユーとの間に一子がいて,ヴァンサンと一緒になってからは3人の子供が生まれて,安定した生活を送っている様子。


1997「エイミー フォスター」
Karine  Silla  夫人と。


2000「アイ ドリーム アフリカ」







Comments

Popular posts from this blog

IGGY POP

DEVON AOKI

ADAM LAMBERT