MATT SMITH
MATT SMITH
英国の人気テレビシリーズ「ドクター フー」(1963年からオンオフで続いている長期番組)は、一見あまりに荒唐無稽で、全く興味なし。
ゆえにその11代目の主役に史上最年少の26歳で抜擢されたマット スミスのことも、変な顔の役者だなーとちらっと見ては無視してきたのです。
そしてすでにドクター フーの役は彼の後釜の時代となり、マットが「ザ クラウン」(16−)というテレビシリーズでなんとエリザベス女王の夫君、エジンバラ公を演じるという配役に仰天、あの風変わりなマットが、英国ロイヤル ファミリーの中でも際立ってハンサムな(今でこそ95歳でシワシワですが、若い頃の写真をご覧ください)、ドイツの貴族、バッテンバーグ家のギリシャで生まれたフィリップ マウントバッテンを演じるとは!!
(英国王室はドイツ名のバッテンバーグを英語訳のマウントバッテンに変えたのです)
さてシリーズを見ると、マットの長い手足と悪戯っぽい表情が若い頃のフィリップにぴったりで、さすが英国のプロの配役の妙と感心したのです。
フィリップは日本でも有名なヨーロッパ随一の美男にして、プレイボーイにして、インドの総督になったり、英国海軍のヒーローでもあって、最後はまさにドラマテイックにして、悲劇的にアイルランドのテロの爆弾で暗殺されたルイス マウントバッテン卿の甥っ子で、この「デイッキー)と呼ばれる伯父貴に勧められて若きエリザベスと会い、結婚。自分は冒険を求めて海軍でのキャリアを目指していたのに、突然の父君のジョージ五世の死で、エリザベスは女王に。女性の3歩あとを歩くなど、とんでもはっぷん、だったわんぱくフィリップは徐々に女王の夫として、子供の世話をし、数々のイベントでは女王のエスコート役を神妙に努めるようになるのです。
その上、インタヴューでの彼の自由奔放にして、ウイッテイー、ちとワイルドな人となりにすっかり彼のファンになってしまった次第。
「最初に話を聞いた時は、僕が!って驚いたけれど、それも挑戦だと理解して役作りを考えてみた。
フィリップ殿下を写したフィルムはごまんとあるので、それを見て彼の動作のクセをまず観察してね。彼は長身で痩せているので、狭いところでも動きが妙に大きくて、場所をとるのを発見、色々と見ているうちにとびきり面白くて、楽しい奴だと好きになってきた。自分が演じる役を好きになるのは大事だよね」
とパブでのおしゃべりのように、ざっくばらんで、楽しい会話が洪水のように出てくるのです。
「フィリップはマルタに住んでいて、スポーツ狂で、伯父貴のマウントバッテンのように海軍の高官を志していた。
エリザベスと初めて会ったのは彼が17歳、彼女が13歳だったのだよ。それからまるで「風と共に去りぬ」みたいなロマンスが進展して、若い二人の成長がまた、面白いドラマで、僕はすっかりロイヤル ファミリーに詳しくなってしまった」
マットは1982年10月28日、英国のノーザンプトン生まれ、少年時代はもちろんプロサッカー選手を目指していたそう。背骨を負傷してスポーツを断念、演技の道に進むという、かなりお決まりなコースをとって、演技学校に通います。
彼のファッション センスもつとに有名で、独特のスタイルは雑誌のベストドレッサーに選ばれたほど。
この日は黒と白のスポーツジャケットに白いTシャツ、黒のコーデュロイのパンツに黒の古びたブーツ、そして彼のトレードマークと言われる派手なソックスはピンクとオレンジと青という極彩色でアクセントを付けていました。
そして目下マットは英国人気若手女優のリリー ジョーンズ(27歳、「シンデレラ」(15)、「ダウントン アビー」の張り切り令嬢ローズ)と交際中ですが、プライベートの話は苦手と済まなそうに言い訳していました。
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