TAB HUNTER

TAB   HUNTER  

少女時代の憧れのスターのひとりがタブ　ハンターでした。
ブロンド、整った目鼻立ち、健康的な日焼け色、スポーツマンらしい均整の取れた筋肉質の体、演じる役は当時大人気の青春ロマンスの主人公ばかりで，アメリカの少女も極東の少女も口をあんぐり開けて，ハンサムで勇気のあるタブの役を自分自身の想像の恋人になぞらえて，ため息をつきながら，見とれていたのでした。
ほとんど同時期にロック　ハドソンがいましたが、私は金髪で，ほのかに愚鈍（に見える）なタブの方がずっと好きでした。トロイ　ドナヒューも同じ理由で大好きでした。

面白い事にタブもロックも芸名を考える事にかけては天才的なエージェントに巡り会って，お互いに，シンプルで男らしいステージネームを付けられ，後にふたりもの隠れゲイだった事もよく知られています。タブの本名は、アーサー　アンドリュー　ケルム、スターとしての迫力はイマイチでしょう？　
当時は２枚目がゲイと知られたら最後ですから、スタジオがバックアップして時たまの男性との関係を隠しに隠し通し，ナタリー　ウッドなどの人気新人女優達とデートさせては，男女恋愛のイメージを強調していたのです。


その憧れのタブに初めて会ったのは３年前のグラント　デイナーでした。ハリウッド外人記者協会が寄付を報告する夕食会です。同じテーブルに坐って，相変わらず輝いている（もちろんかなり薄くはなっていましたが）ブロンドの髪、アウトドアーの活動が激しい為のシミやほくろ，そばかすが濃くなっていますが健康的な肌，スリムでアスレテイックな体はそのまま、活き活きとしていました。
私のようなオバさんからの、「昔のファンです！」と言う言葉は聞き飽きているでしょうに，ていねいに紳士的に応対してくれます。同伴のマネージャー兼パートナーのアラン　グレイザーに是非今度，正式のインタヴューをさせて下さいと頼むと気楽にオーケーしてくれたのです！

そして、２０１６年の１１月、晴れてタブにインタヴュー。
その内容はキネマ旬報２０１７年１月下旬号に載っていますから、ご興味のある方はぜひ本屋さんにどうぞ。

タブは１９３１年７月１１日　ニューヨーク州、ニューヨーク生まれ、１９５０年に映画デビュー。
私が彼に注目したのは大好きなミュージカル「くたばれ　ヤンキーズ」（５８）で、主演女優のグエン　バートンがそれまで見ていたミュージカルのミッチー　ゲイナーや、シド　チャリシなどと違って、あまり可愛くもなくやけに老けていて、それなのにすごい迫力で、ああ、これが舞台女優のパワーなのだなと気がついた映画でした。タブは純情な若者役で、グエンのおばさんパワーにすっかり降参しているところがまた可愛かったのです。
ナタリー　ウッドたちとの美男美女コンビの映画も大好きでした。
タブは馬が大好きで、その巧みな馬扱いを見たスタジオの関係者が彼を引き抜いたエピソードがあるように、生涯馬と共に暮らして、隠れゲイの苦しさも馬と一緒にいることで、紛らわし、そのために西部劇にもかなり出演しています。　　現在はロスの北にある美しい海際の街、サンタ　バーバラにアランと暮らしていて、もちろん数頭の愛馬も一緒だそうです。

２０１３年のグラント　デイナーの時、往年の面影たっぷり。

２０１６　１１月

２０１６　１１月　ベージュ系の素敵な洋服のコーデイナートを見せています。

2016 November  クローズアップをどうぞ。

１９５５「バトル　クライ」ラオール　ウオルシュ（左）とモナ　フリーマン。

１９５６「THE GIRL HE LEFT BEHIND」ナタリー　ウッド　と。

何度も共演し、親友だったというナタリー　ウッド　と。

１９５８　ジェイムス　ダーレン　と。

１９５８「くたばれ　ヤンキーズ」グエン　バートン

１９５８「くたばれ！　ヤンキーズ」グエン　バートンと。

１９５２　タブが大ファンだったというリンダ　ダーネルト。

１９６０「タブ　ハンター　ショウ」懐かしいチュースデイ　ウエルド　と。

２００５出版、タブ　ハンター自伝。読みました。とても面白かったです。

タブ　ハンターの人生を描いたノンフィクション映画のポスター。

2013  AT GRANT DINNER