PAUL  GIAMATTI


コネチカット州ニユーヘイヴンに1967年6月6日生まれと言うから今年45歳ですが注目を引いた「アメリカン スプレンダー」(03)や「サイドウェイ」(04)などのころから50歳ぐらいに見える,老け顔がチャーミングな役者がポール ジアマテイーの味わいです。

死んでもジョージ クルーニーやブラピの真似もしないし,ああいう二枚目役を演じたいとも思ってないでしょう。 
2010  [BARNEY'S VERSION]
何と言っても中身で勝負出来る知的人間ですから。

それにこんな事を白状してます。
「若いころから老人役ばかりしてきた。イェール大の演劇部にいたときはチェーコフの劇に膝に毛布をかけ,パナマ帽をかぶった車椅子の男と言う役あれば,とりもなおさず僕に回ってきたからね。」

本名がまず,ポール エドワード ヴァレンテイン ジアマテイーとロマンテイックなイタリー系です。二つのミドルネームはそれぞれの祖父の名前から取ったのだそうな。
父親はアンジェロ バートレット ジアマテイーと言ってイェール大学の教授から学長になり,のちにメジャーリーグベースボールのコミッシヨナーとなった、もともとは象牙の塔の人でしたし,母親は英語の教師,
ポール自身もイェール大で文学部を卒業後 (クラスメートにエドワード ノートンとロン リヴィングストンが居たとか),パーフォーミング アート部門で修士号を得て舞台にテレビに役を得て,「誘惑のアフロデイーテ」(95)と言うウッデイー アレンの映画では小さいながらも,ぴりりと小粒の役を演じ,徐々にハリウッド映画の冴えない男の役どころを拾ってきたのです。

「ポールは隠れた宝物のような俳優だ。こう言う俳優が居てこそ,作品に厚みが付く。」
ととある監督が言ってました。二枚目にとってもポールが横にいると何もせずとも引き立ててくれますし,ポールもシーンを盗んでやろうなどと言う欲望は見せません。最も後で映画を見ると大根役者を支えながら,しっかりいぶし銀の輝きを放っているのが分かると言うものです。

「僕はなぜか痛めつけられた人間を演じる事が多い。「三姉妹」の僕の役は異常な程虐待を受けたあげくに背骨の無い弱い男になってしまったし。そう言うタイプこそ遣りがいがある。弱いあまりに狡いヒステリーを起こして,周囲に気狂い扱いされているってな役だ。
演じながらこう言う男達はいったいどういう人間なのだろうと分析したりする。異常な振る舞いをしてグロテスクな表情を見せ,奇妙な声を出す。そう言う役を見ると腕が鳴るのですよ。」

とポールは言ってますが、クレージーさの中にソフトな部分が感じられるのは,丸い顔とぽっちゃりとした頬っぺたのせいかも知れません。クリストファー ウオルケンやウッデイー ハーレルソンがクレージーを演じると底の見えない恐怖が迫ってきますものね。

「サイドウェイ」(04)でカリフォーニアのナパに行くワインに強いライターを演じて以来,レストランなどで知らない人から 今日のメニューにあうワインを教えて下さい,等と聞かれるとか。

最近は「ジョン アダムス」のように(08)テレビ映画で歴史上の大統領を演じたり、「バーニーズ ヴァージヨン」(10)ではダステイン ホフマン演じる父親に手こずる
中年の息子役,「ウィン ウィン」(11)では,売れない弁護士にして月並みな家庭の亭主が高校でレスリングのコーチをしていると,突然チャンピオン レスラーの少年が出現,彼が低迷チームを勝利に引っぱつて行き,彼の生活のグーンと変化すると言う変わったホーム/スポーツ ドラマに出る等,クレージー度は減少したものの,相変わらず どこか憎めない駄目親父と言う役を味わい深くこなしています。

と同時に [TOO  BIG   TO  FAIL](11)、ウオールストリートのトップ達の政略と行動を描いた特別テレビドラマに出たり,「スーパー チユースデー 正義を売った日」「(「THE  IDES   OF  MARCH] )(11)と言う政治ドラマでは,大統領選挙の参謀役と言うぴったりの役で出演し
知性と謀略の冴えを魅せています。

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