CLAUDIA CARDINALE

CLAUDIA   CARDINALE


2016年1月6日発売のキネマ旬報1月下旬号に、私が書いたクラウデイア カルデイナーレのインタヴューが載っています。
その昔、ハリウッドのマリリン モンローのMM、フランスの小悪魔ブリジット バルドーのBBに対抗して、イタリーのCC (クラウデイア カルデイナーレ)として、もう少し、土臭い、太陽の息吹が漂う肉体は女優として一世を風靡しました。

よく覚えているのは「鞄を持った女」(61)という面白いタイトルの映画で、スーツケースの上に座っている彼女のポスターが記憶に焼き付いています。内容は全く覚えていませんが、なんとなく寂しげな雰囲気がクラウデイア らしくなかったので。

何と言ってもルキノ ヴィスコンテイ監督の「山猫」  (63)が最も強烈な印象を残しています。この63年には「ブーベの恋人」「81/2」「ピンクの豹」と4本もの大作に出ているという売れっ子でした。
老いた貴族のバート ランカスターと若き美貌のスター、アラン ドロン、とはちきれそうなクラウデイアたちの繰り広げるシシリーの貴族の暮らしは彼自身も貴族出身のヴィスコンテイならではの圧巻の豪華さでした。

あれから50年余り。ハリウッドのスターか、ハリウッド映画に出てくる外国人のスターばかりに会っているので、クラウデイアに会う機会は全くありませんでした。
ところが彼女がヨーロッパ映画に出演し、ちょうどニューヨークに滞在中という好機が訪れました。
指定されたレストランの名前が既に「ガットパルド GATTOPARDO」と「レオパード」のイタリア語のタイトルと言う楽しさで、とても居心地の良い空間のある場所で,インタヴューのあとに頂いたイタリー料理も大変に美味しかったのが余録でした。
それにしてもクラウデイアのおばさんぽさには仰天! かなり前にキャサリン ターナーのおばさん化にびっくりしましたが,クラウデイアも同じ、美味しいものを食べ、好きなワインなりアルコールを飲み、楽しい事をしている日常生活がヴィヴィッドに伝わって来ます。ジェーン フォンダやソフィア ローレンの自己コントロールの反対側を行く、人生謳歌組とでも言いましょうか。
髪の毛をもうちょっと整えたら、メークももう少し工夫したらとハリウッド業界人は思うでしょうが、クラウデイアもキャサリンも気にしないのですね。

彼女の詳しい生い立ちや女優生活についてはキネマ旬報をご覧頂きたいのですがイタリー語があまり話せなかったと言うのも驚きでした。

1938年4月15日、チュニジアのチュニスに、イタリア人の父親とフランス人の母親のもとに生まれて、話す言葉はフランス語とアラビア語ばかりだったそうです。美人コンテストに優勝して、イタリーのプロデューサーに映画女優になりなさいと勧められ、混乱の中でイタリアの映画に出て最初はずっとイタリア語が下手で、台詞は全てあとで本物のイタリー女優が吹き替えしていたとか。
やっと「山猫」のときになって、自分の声で台詞を言うようになったそうで、とんだイタリーを代表するスターだったのです。

しゃがれ声で、楽しそうに、会見慣れして、たいして深刻にならず、ブロークン イングリッシュでの約1時間はまるで親戚のおばさんと話しているようで、肩の力が抜けた気楽なものでした。



2015







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